「みんな同じ顔って何その設定!予告を見ただけで鑑賞意欲MAXだったが・・・」MEN 同じ顔の男たち カツベン二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
みんな同じ顔って何その設定!予告を見ただけで鑑賞意欲MAXだったが・・・
別れ話で死をほのめかし暴力をふるった夫が自殺し、自責の念でトラウマを抱えたまま田舎町でリフレッシュしようとしたところ、デリカシーや女性に対する敬意を欠くめんどくさい男達がたくさんおり鬱陶しさに輪がかかり、メンタルが崩壊しかけていたところ最後は吹っ切れて(多分)立ち直ると言う話。
皆同じ顔というのは女性へ敬意を持つ事ができない男達を一つのアイコンとしており、彼女がそれを気味悪がらなかったところを見ると実際彼女にはそうは見えていないが、子供から大人まで男は皆心の底では同じ様に思っているという事の表現だと思われ、見せ方としては凄く斬新で面白いと思った。
男から男が連続して生まれるシーンもそう言った面倒な男達がいつの時代になっても変わらずずっと存在する事の表現かなと推測できるが、それに気づいた彼女の半ば諦め達観した様な表情は傑作でここで気持ちが切り替わったことがわかる。(強い女w)
顔だけ何役にも使われたロリー・キニアの空気が読めず不快な感じは表情一つとっても絶妙で最高のはまり役だと思う。
パブで周りがみんな同じ顔というシーンはバック・トゥ・ザ・フューチャーやナッティ・プロフェッサーでも似た様なシーン(みんな身内だったけど)があったことを思い出し笑ってしまった。
ラストで長時間かけてやって来たお友達が妊娠していたこともひねりが効いてて良かった。
生まれてくる子も同じ男の子だったらやっぱり同じ顔かも?とか想像してしまう。
最近増えてきたあまり説明がなく考えながら観ないといけないギリギリの線を狙ってくる映画の一つで自分的には結構好きな作品だったが、林檎、裸の男、教会の彫刻、たんぽぽなど宗教的な意味合いを思わせるような部分がよくわからなかったのは残念だった。
ワールドマーケットに向けた映画ではないので、ある程度個人の努力が必要になるのは仕方がないのかなと思いつつも、よくこんな設定や映像を撮ろうと思ったなwという作品。