「何故に届かぬ我が想い」千夜、一夜 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
何故に届かぬ我が想い
監督は『家路』の久保田直
脚本は『いつか読書する日』『スープオペラ』『家路』の青木研次
舞台は佐渡
失踪して30年になる夫を待っている登美子
失踪して2年になる夫を待っていた奈美
登美子は世話役の元町長の仲介で奈美に相談され奈美の夫の居所を調査するため彼の関係者の話を聞いて回る
登美子と似た境遇だが奈美は帰らない夫を諦め離婚を決意
登美子は周囲の人々から彼女に恋焦がれる春男と一緒になることを頼まれるがすべて断り夫の帰りを待ち続ける
そんな折に夫の母の葬儀に出席するために佐渡から本土を渡った登美子
出席後街を歩いていると奈美の夫の洋司を発見する
声をかけ喫茶店で事情聴取し帰る意思はあることを確認
登美子は洋司を連れて佐渡に帰り病院の同僚との再婚を決めた奈美と再会させた
登美子の母の葬儀で真っ最中にいきなり佐渡おけさ
生前の母のリクエストだったらしいが登美子はそれを知らなかった
自分は佐渡の文化だと勘違いしたがどうやら違うらしい
帰ってきた洋司と連れてきた登美子にキレまくる奈美のシーンが特に好き
登美子はもっと若い田中裕子より10歳くらい下の俳優で良かった気がした
だが見終わってみると田中裕子でも良かったがしてきた
それにしても68歳のわりに元気だな
夫が2年経っても音信不通で蒸発したままでも妻は他の男と寝たら不倫になるのだろうか
僕は違うと確信するが世間の人はどう思うだろうか
だがどう思おうと自分は考えを変える気はないけどね
淡々と話は進んでいくが眠くなることは全くなく観る前に思ったよりわりと良作
星5を与えたい
最近の邦画で面白いのはないのかと聞かれたら薦めたくなる作品
配役
水産工場で働いている若松登美子に田中裕子
登美子の夫で遠洋の船員の若松愉に阿部進之介
在日3世で帰化した看護師の田村奈美に尾野真千子
奈美の夫で中学で理科の教師をしていた田村洋司に安藤政信
登美子に想いを寄せ続ける漁師の藤倉春男にダンカン
春男の母の藤倉千代に白石千代子
登美子の母の絹代に長内美那子
登美子が働いている水産工場の同僚の妙子に田島令子
奈美が勤めている市民病院の同僚の大賀に山中崇
生活安全課の警察官の安斎に田中要次
春男の漁師仲間の吉村に諏訪太朗
登美子の手助けしてきた元町長の入江春弼に小倉久寛
愉の父の若松俊雄に平泉成