「淡々とせつない」千夜、一夜 かほるさんの映画レビュー(感想・評価)
淡々とせつない
人が突然そこから消えるってどういうことなんだろう。
生死も不明ならなおさら、常にその人のことを考え続けることを強いられる。
そこから逃れるにはどこかで自分が区切りをつける必要があるが、田中裕子さん演じる主人公はそれをしないまま30年同じ世界の中に生き続ける。
想像もできない長い年月。
新婚当初のカセットテープを毎日聞き続けて幸せだった頃を思いながら毎日を過ごすことは幸せなのか不幸なのか。
奈美に失踪していた夫を会わせた行為は、同じ土俵だと思っていた奈美に嫉妬したのだろう。
意地悪だったかもしれない、と主人公も言っていたが、それでも結着はつくのだから、私が奈美の立場ならそれで良かったと思う。
中盤で窓辺で主人公が外を眺める場面があるのだけれど、それがとても美しくて印象に残った。
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Bacchusさんのコメント
2022年10月9日
コメントありがとうございます。
結果はどうあれ決着がつくことが大事なんですよね。
春男は結局自分が自分がのかまってちゃんオヤジでしたからねwまあ、それも良い味でした。