「藤井監督の演出と横浜流星の目力が光る!」ヴィレッジ さうすぽー。さんの映画レビュー(感想・評価)
藤井監督の演出と横浜流星の目力が光る!
藤井道人監督のオリジナル最新作にして、「新聞記者」と「ヤクザと家族」でもタッグを組んだプロデューサー河村光庸の遺作。
閉鎖的な村社会による息苦しさ、家族の過去や村に対する因縁に苦悩する主人公に東京から帰省した黒木華との再会により村と対峙するストーリー。
藤井監督は相変わらずショットが美しいです!
今作の撮影監督は今村圭佑ではありませんが、上空からのショットや村を映すロングショット等、印象に残る映像が非常に多くて釘付けになります。
今作では日本の伝統芸能である「能」が出てきます。
村にある「能」の場面が、この村にある過去の栄光や美しさを表現されていました。また、ゴミ処理場が現実の残酷さや今までの歴史で産み出された「闇」のように思えて、その二つが上手く"村"自体を対比されていて感心しました。
俳優陣の演技も見事で、横浜流星はやさぐれた所とそうでない場面のギャップがたまらないし、中村獅童は村を出た善人として凄く良かったのと同時に、歌舞伎役者だからなのか「能」を披露する場面は自らやっていて非常に素晴らしかったです!
ただ、ストーリーに関しては総じて普通です。
確かに日本の「村社会」という閉鎖的な所は上手かったし主人公の抱えてる問題には同情しました。
ただ今回、突っ込みどころも多かったです。
一ノ割ワタル演じる村長の息子とヤクザの関係性もイマイチ理解しにくいし、主人公の母親の抱えてる問題もあっさり解決してて「?」と感じました。
コメントする