「大胆不敵」オカムロさん ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
大胆不敵
日曜日のレイトなので人は少なめ。まぁ少ないくらいがビビった時の反応が見られないので助かるっちゃ助かります。
これはまた奇怪な作品が来たなーと思いました。フレッシュながらも、斬新な目線や社会風刺、残虐描写に突飛な演出と隙だらけだけれど好きな作品です。
まずオカムロさんの首切りの様子が悍ましく、途中からはテンポの良さに感服しました。検索したら出現するというなんとも簡単に召喚できるんですが、いちいち検索した人の元に現れてノックして訪問して首を切るという面倒くさい所業は置いておいて、綺麗に切っていくという拘りと、首の断面への拘りが強く感じられました。
検索という条件で、中々面白いなと思ったのが介護をしている親子の様子で、父の介護に疲れたのか娘がオカムロさんの検索ボタンを父に押させてオカムロさんを召喚し心中するという、ギミックとして使う描写はこの手の作品の序盤では中々見ないものだったので驚かされました。子供にスマホを渡したらオカムロさんを検索して親子共々殺されたり(流石にその描写は無かったけど想像するだけでもかなりムゴい)、ひたすら首チョンパが流れ続けますが、徐々に恐怖を緩和させて面白さに繋げていってくれたのが良かったです。
アクションシーンは正直もっと欲しかったなと思いました。伊澤さんの立ち振る舞いはかっこいいですし、吉田さんも頑張っていましたし、オカムロさんも迫力満点だっただけにアクションの見辛さと描写の少なさが惜しかったです。それでも坊主が用意していた銃やら刀やらを持って画面に均等に並ぶ様子はバチクソカッコ良かったです。メタルな般若心経もボルテージを上げてくれます。
最後…これは賛否がキッパリ分かれるだろうなという終わり方でした。まさかロケランでオカムロさんを秒速でぶっ飛ばすという、今まではなんだったんだろうという考えも置き去りにしてエンドロールにいく監督の潔さはもう太鼓判ものです。打ち切り漫画のような唐突な終わり方は意外性が抜きん出るので、今作も例に漏れずお口があんぐりした状態になりました。
松野監督の次回作、恐らくゴアゴアな作品が出てくると思いますが、そこに交える笑いも同時に楽しめるヤバい作品を待っています。配給はもちろんエクストリームで。
鑑賞日 10/16
鑑賞時間 20:50〜22:10
座席 I-8