「水星の魔女・スレッタが人気の様ですが、」銀河英雄伝説 Die Neue These 策謀 第二章 Geso_de_Nyoroさんの映画レビュー(感想・評価)
水星の魔女・スレッタが人気の様ですが、
前回の第1章に続き本作を鑑賞。話中に戦闘シーンがない、終始人間ドラマ展開の章となりました。個人的にはこう云うシッカリと足元を描く作品は好きなのですが、如何せん風呂敷が広すぎてコレをやると「そう云うのドーでもいいからバトルやれ」と仰る方々には非常に退屈な内容だった事でしょう。
この銀河帝国と自由同盟国の関係は、モロに社会共産独裁政権と自由民主資本主義の構造であり、リアルな今の東西両国のソレと非常によく似ていてタイムリーな内容かと思われます。ただ本作でも語られている通り、何が悪で何が善なのか、リアルな政治や世界情勢はフィクション作品で描かれる『勧善懲悪』ではあり得ない事が、この作品の見所でもあるでしょう。
もっとも今の世界情勢は、随分と勧善懲悪な物語然とした空気感を覚えますが‥‥w
絶対君主として相応しい立派な人柄の『聖人的独裁者』か、選挙で選ばれたとは言え常に保身・名誉・権力&守銭奴拝金主義な『腹黒的政治家』の、ドッチが善でドッチが悪か。コレは永遠のテーマでしょうね。
今作も、前回同様キャラの区別にイササカ難儀してしまいつつ鑑賞していましたが、ユリアンが若干16歳と云うのには少々難があるかと思われます。高校1年生ってワリとガキんちょっぽいのでw
それとも今の高校生はだいぶ大人なんでしょうか?
ただソレを言ったらヤンだってまだだいぶ若いのに将軍職。まァそこら辺はガンダムのアムロ宜しく対象視聴者に感情移入させる上で重要な設定なのでしょう。艦隊の莫大な艦数同様、大目に見るべきでしょうか。
複雑で綺麗事の通用しない人間社会でのキャラの葛藤と、そこから切り開かれていく物語の展開がとても魅力的で、後は艦隊戦の見せ場があれば云う事なしなのですが‥‥ それは来週までのお預けと云うことで続きが楽しみです。
さて奇妙な表題の件ですが、今期放映中のガンダム作品とこの作品は全くの背中合わせの作品で、アチラが好きな人はこの作品があまりお好みではなく、自分の様な趣味趣向者はその逆、なんだろな、と思いました。そんな事ないのかな?
ファンタジーにリアルを求めるのは無粋かもですが、ファンタジーの中のリアルがキチンと表現されないと作品としての足腰が貧弱で、ご都合主義・予定調和と言った駄作な仕上がりになりかねないと思うのです。何せ登場人物はドチラも人間ですし、人間社会が舞台ですし。