「ロシアやんべぇ」ナワリヌイ せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)
ロシアやんべぇ
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ロシアの反体制政治活動家ナワリヌイが自身の暗殺未遂事件を調査し、再びロシアへ帰るまでを記録したドキュメンタリー。
まず、暗殺未遂事件発生からの調査過程が普通にサスペンス映画として面白すぎる。ろくな治療もさせずに放置する病院から、奥さんが尽力して助け出し、回復後は自らの事件の調査を"頭の良いブルガリア人のパソコンオタク"と共に遂行していく。
ナワリヌイ自身もすごくユーモアがあって口が悪くてthe映画の主役っぽい雰囲気を醸し出しまくってるし、この奥さんをはじめとした周りのサポート陣、ロシア側の暗殺部隊全てスパイ映画に出てくる"それ"っぽい。ブルガリア人がデータ収集活用しまくって犯人特定しちゃうのなんて、まさに『007』のQっぽいよね。性格の感じ含めて。
こうやって高度な技術で犯人特定に至るナワリヌイ側の反面、パンツに毒を染み込ませる暗殺計画を立ててしかも失敗するロシア側のマヌケさが面白い。調査方法はスパイ映画っぽいのに、犯行はコメディ映画で笑う。
あと印象的だったのが、入国ゲートで即刻連行される間際のナワリヌイをガラス越しに捉えた終盤のシーン。ガラス越しだから反射でカメラマン(たぶん監督?)がガッツリ映ってて、それまでフィクションを見てるかのように半ばワクワクしながら見てたところを急にこれが現実を映したドキュメンタリーであることを自覚させられる。
そしてナワリヌイが今のウクライナ侵攻渦中の中、まだ刑務所に収監されてる怖さ。『トゥルーノース』を見た時と同じような気持ちになった。共産主義国怖いよ〜
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