唄う六人の女のレビュー・感想・評価
全28件中、1~20件目を表示
予想外のテーマだった
何というか,とても独特なストーリーだった。
ずっと何がテーマかわからず、この不思議な女たちはなんなんだろう。それぞれに刺す,濡れる,撒き散らす、牙を向く,見つめる、包み込むとテーマがある。何がしたいのだろうと思いながら観ていた。映画が進むにつれて,自然の象徴のような女達だと気づく。
そして,2人の男。こちらも最初は同じように逃げようと反応するが、この世界の意味に気がつき使命感を持つ男と、真逆のゲス野郎に分かれていく。残念なのは森を守ろうとする竹之内がやられてしまうことだ。その意思は彼女によって引き継がれるけれど,ちょっと残念だった。
それにしても、山田孝之のゲスっぷりは最高だった。
そして,水川あさみの美しさも際立っていた。
森を護る男。森の精霊の女たち。
アート系の映画と思ったら現代的テーマ性のある映画だった。
話さぬ6人の森の精霊のように女たち。
美しい顔の和服を着て物言わぬ女6人。
前半は不可思議なアート映画。
その印象は観終わったら変わっていました。
言いたいことをはっきり伝える映画です。
面白かったし好きでした。
ファンタジーの怪奇ホラーみたいな前半。
中・終盤にガラリとストーリーと主張がリアルになる。
女たちはファンタジー。
男たち・・・特に不動産ブローカーの宇和島(山田孝之)は、
浮世の煩悩そのもの。
《ストーリー》
フォトグラファーの萱野森一郎(竹野内豊)はある日、疎遠だった父親の死を
知らされる。
山奥の自宅の売却を終えて帰り道を宇和島の車で送ってもらうことになる。
しかしトンネルを過ぎた辺りで道が大岩に塞がれていた。
避けきれずに衝突。
気がつけば2人は古い納屋に監禁されていた。
そこは女6人の住む現実離れした空間。
1人目は、刺す女(ハチ)=水川あさみ。
2人目は、濡れる女(ナマズ)=アオイヤマダ
3人目は、撒き散らす女(シダ植物)=服部樹咲
4人目は、牙を剥く女(マムシ)=萩原みのり
5人目は、見つめる女(フクロウ)=桃果
6人目は、包み込む女(ヤマネ)=武田玲奈
今になって思うこと。
この6人の女たちの特性・・・これが意外と生きて来ない。
ただただ美しい森の精霊のようだが、邪悪。
叩いたり刺したり閉じ込めたり虫を食べさせたり、
かなりグロでサディスティックです。
ただ水川あさみは元々が恐いから如何にも“しばいたるでー“
って感じでしたが、
あのやたらと脚の長い美しい女に顔はあったっけ?
まぁ、オブジェみたいな女でした。
長椅子に反り返る女も、
完璧に広場のオブジェでしたね。
と言う訳でこの先何を見せられるか?不安になる頃。
パーンと舵を切ってリアリズムになります。
森一郎の父親の茂(大西信満)は土地を手放さずに何を守っていたのか?
今思えば、息子に相談する。
マスコミに働きかける。
などの行動を起こすべきで、一人で抱え込むことではない、
と思います。
森の護り人=森を深く愛する人。
でしたね、もしかしたら精霊たちに慕われ過ぎてたのかも。
綺麗で力強い映画でした。
美しい森、妖しい女たち、古民家、
竹野内豊の熱演、
悪人に徹した山田孝之の偉さ。
女たちの中では武田玲奈が儲け役で二役。
印象深い素敵なオリジナリティ溢れる映画。
監督・脚本は石橋義正。
人間の愚かさだけど
人間の愚かさを扱いたいのだろう。
山を護ろうとする動物たちと人間、そこを訪れる欲望に取り憑かれた人間たちの寓話とも取れる様なお話。
ただ人間の愚かさは理解出来るのだが、最後に主人公が取る行動は願望であり、その結果は表面のキレイさだけのものだった。
不条理なファンタジー
今年見た中ではワーストでした。
6人の女が存在する不思議世界、何の説明もなく戸惑い、命の危険を感じ逃げる主人公→途中から竹野内は父の写真の引っかかりからこの世界を何となく受け入れ始め、最後は自分の使命として山を守る決意を固めていく。一方山田孝之は土地の売買を完遂させるべく現実世界へ戻るべく女たちと対峙してもがいていく。
別世界→パラレルでも、時間軸でも設定として受け入れるが、女たちの振舞いがその世界にいる必然性が感じられない。
竹野内の父の守る理由が核廃棄物処理場建設の阻止という陳腐な社会ネタにしたため、現実世界の説明に山田の雇用側が登場するが単なる金儲け以外の野心、欲望が無いので、父を殺してまで山田が得たかったものも薄っぺらすぎて興ざめ。
さらに別世界に行くロジックも判明しないのに落石に衝突するシーンは現実世界の人間としてあり得ない→下手したら死ぬだけ、別世界で竹野内が山田に殺されるなら、山田が現実世界に戻って一捻りくらいないのかなどなど。
これなら自然を愛する父が愛したファンタジーワールドを残したいだけでもいい感じ。
ファンの方には申し訳ないが、山田孝之はそれなり熱演だが、竹野内が貧相過ぎて感情移入出来なかった。凄く良く言えばナイーブの中に芯があるなのだろうが、一部見せるボディも含めて捨て犬のような魅力のなさもダメでした。
竹中直人も最後だけ少しの見せ場しかなくもったいなかった
期待度△鑑賞後の満足度◎ 思わぬ拾い物。六人の女の素性が直ぐ判るのは私が自然豊かな奈良県で生まれ育った田舎者のせい?森(自然)が人間を試した話とも云えるかな。
①何の予備知識の無いときは観る気は無かった。けれど、ローカルニュースで宇陀市と大和郡山市でロケした(奈良奥山自然林も有った様な?)と知れば、“奈良県人たるもの観ずばなるまい”とかなりええ加減な動機で観たけれども、結果として観念的なところは少々あるものの幻想と現実とが混ざり当った不思議にも面白い映画であった。
②話の筋の方は他の方のレビューを読んでもらうとして(勿論観てもらうのが一番良いのですが)、現実空間とも異空間ともとれる二人が迷い混んだ(連れてこられた?)世界の構築が作り物臭くないのが宜しい。
それとも美しく撮られた森のマジックがそう魅せるのか。
③主演の二人は拒否反応を示しておりましたが、虫って美味しいんだぞ(蜂の子とか)。
あと、久しぶりにマムシを見たけど、あんな大っきなマムシは見たことないなぁ。
④不可思議な女達に二人の男が右往左往させられる前半から、真相はかなり現実的なものだと判る後半への流れが不思議と自然に感じられるのも、時折挿入される萱島の記憶のフラッシュバックが伏線になっているのと、リアリステックな部分とファンタジックな部分とが上手くシンクロしているせい。
⑤あの森が仕組んだ大芝居は単に自分達の自然を守るためだけではなく、欲にまみれた人間が将来引き起こすかもしれない惨事からもっと大きなものを守るためだったのだろう。
⑥萱島がふと心に残った一枚のセピア色の写真が全ての謎を解明するキーになっていたこと、萱島がカメラマンを仕事として選んだ根底に父の存在があったこと、これらが最後に繋がる脚本はなかなか巧い。
⑦自然(人間を含めた)は今が進化の終着点ではなく、現時点でも進化を続けていて、いずれ人間も進化の果てに存在意義がわかる(その前に滅びなきゃいいけど)という結構壮大な監督の視点というか哲学観も、あの美しい森を観ていると頷けるような気もする。
⑧森の意図・自然(人間を含め)の真の姿を理解できた方を竹野内豊が演じ(アマガエルに転生出来た?)とその意志を継いだ武田玲奈(後輩の奥さんによく似てるんだよね)(唯一一人二役で共に子供を見守る役。化身の方は山田孝之に惨殺される。これも人間の悪行か?)せっかく生んだ卵を山田孝之に無情にも割られる見つめる女。ここにも人間の破壊欲がシンンポライズされているようだ。
森・自然に最後は復讐される人間を山田孝之が演じる(プロデューサーも兼ねているから憎まれ役の方を選んだのかな?)
氷川あさみは、今期のNHK朝ドラ『ブギウギ』での浪速のおっ母さんぶりがウソみたいな妖艶さ。やはり女は化け物だわ。
女たちの目の色が全て同じ(コンタクト?)にしてあるのも細かい演出だ。
⑨父親役の俳優さん、どこかで見たことがあると思ったら『赤目四十八滝心中未遂』や『キャタピラー』の主演男優さんだった。当時より大分ふっくらされているんで直ぐには分からんかったわ。
⑩と、地元愛から少々誉めすぎてしまったかも知れない。分かりにくい点が少なからず有るのも確か。
でも今年の日本映画のなかでも映画らしい映画として記憶に残る一本だと思う。
ミルワームのすまし汁がクリアできれば・・・
四国の国道439号線のような対向車がすれ違えない細い山道。トンネルを抜けるとセミを咥えた水川あさみが立っている。急ハンドルを切る山田孝之。断崖絶壁から転落したら即死です。
青銅色の湖沼や渓谷のシーンは四国の仁淀ブルーや中津溪谷や安居渓谷にいるみたい。虫はちょっと勘弁だけど、マイナスイオンのシャワーを映画館で浴びてちょっと健康になった気分。素晴らしい映像。
唄わないし、しゃべらない女たち。
森の精霊や生き物の化身の異界の女たち。
妖艶で幻想的なシーンに魅了されました。
アオイヤマダの水中遊泳シーンが妖艶。
草彅剛のミッドナイトスワンのイチカ役でデビューした服部樹咲。木製のデッキに横たわっているだけなのに色香が漂い、脚が長くてキレイで色っぽくてドキドキ。まだ17歳。ヤバいよヤバいよ。
桃果の緑色の瞳に見つめられると吸い込まれそう。吸い込まれたい。その瞳は男のリトマス試験紙。あなたは宇和島か箕島か?試される。
ひとりだけ、武闘派の女の萩原みのり。コスチュームが洋風なのがちょっと残念。くノ一風がよかった。
もう一回行ってみたい。観てみたい。
奇跡的に助かったのに年の離れた若い奥さん(武田梨奈)に書類を託して、またあの異界に戻って行った箕島森一郎(竹野内豊)の復讐プラスワンの気持ち。わかりますねぇ。
ミルワーム(爬虫類のエサ)の吸い物もクリアしたから、戻れなくてもあの異界でなんとかやっていける自信があったのでしょうね。
テーマもスッキリしていて、後味がよい大人のファンタジー。
自然保護。環境保全。
デベロッパーたちの強欲に任せた企みに対するアンチテーゼ。
あの書類は大臣に渡って、核燃料廃棄物処理場建設計画は廃止になり、デベロッパーの幹部たちは社会的制裁をちゃんと受けたのでしょうか。宇和島を使った嘱託殺人の可能性も大きいですからね。
子供の頃はアマガエルになりたいと父親に言っていたカメラマンの箕島森一郎。
カエルはフクロウなどの森の捕食者のエサ。自然界の食物連鎖ではきわめて自己犠牲的な存在です。人間の醜いエゴvs.自己犠牲精神がメインテーマなのかも。
官能ロマン礼賛映画でもあります。
サドvs.マゾの要素もありました。
細い棒を鞭のように操る和服姿の水川あさみに濱田岳と共演した喜劇愛妻物語を思い出し、自宅でこんなプレーをしてもらえる窪田正孝はなんて幸せなんだろうと思っててしまいました。
白川和子を入れると7人の女たち。
春画先生でもそうでしたが、最近いろんな映画でお目にかかる白川和子様もエロス溢れる異界への水先案内人役として適役でした。
草刈り機にちょっとビビる竹野内豊の細かい演技も毎度のことながらさすがです。
森の緑と不思議な物語に引き込まれます
個人的な人生の記念日(結婚記念日的な)に舞台挨拶付き上映会があると知り、祈る気持ちで応募したらまさかの当選。大喜びで出かけてきました。
さて、肝心のレビューですが、森の深い緑がとにかく美しく、目に焼き付きました。自然の大切さを訴えるメッセージ性は、最初から映画の前面に出される訳ではないのでくどくなく、6人の不思議な女達と主人公2人の格闘が展開して行くうちに徐々に心の底に響いてくる感じでした。
俳優さん達については、全員、絶妙なキャスティングでしたね。6人の女達は言葉を発しない役柄だけに、語りかけてくる力が強く感じました。
1人ずついうと、アオイさんは舞台挨拶でのお話でダンサーだと知り、どうりで、と思いましたが、水の中での動きが特に美しかった!(ナマズというのは、映画をみた後に聴いたら、あ、そういう設定なんだ、、と気付く感じで、個人的には特にナマズでなくても、山の水の神とか、そういう理解でも映画を理解するうえでは良いのかな、と感じました)。
萩原さんは山田孝之さんとは過去に映画でアクションの共演があったとのこと。山田さんもそうですが、動きのキレと躍動感が凄かったです。お2人は舞台挨拶でのトークでもアクションの掛け合いみたいで軽妙でした(会場も笑いで盛り上がりました)
水川さんは、突いたり刺したりのサディスティックな(笑)役柄で迫力がありましたが、スクリーンに大写しになったお顔をみたら、口角が上がっているのが目に入り、とても愛らしくも感じました(変わったところを見てるね、と言われそうですが、たまたま目に入っちゃったんです)。
武田さんは、主人公の彼女役とヤマネ役の一人二役とのこと。母性からくる芯の強さと小動物的な愛らしさの両方をを感じさせてくれて、どちらも適役と思いましたが、私自身は、「ヤマネ」が森の中に登場した場面を「彼女」が登場したものと錯覚?してしまい、「彼女が、まだ生まれていない子供を連れて森の中にいるということは、何を意味するんだろう、、」とモヤモヤしながら深読みしかかりました。一人二役には、何か特別な意味があったのかな、、、その場では理解しきれなかったので、種明かしが知りたくなります。
フクロウ役の桃果さんは、演技も素晴らしかったし、フクロウを象徴する行動に一貫性があったこともあり(物静かに見つめる様子とか、卵とか)、桃果さんがフクロウだと理解しやすかったです。監督から指導があったという首の動かし方も、リアルすぎず、よい感じでした(本物のフクロウの首の動きは、ちょっとエクソシストっぽくて怖いかも、、)
服部さんの出演場面は、モダンバレエの舞台を観ているようで、抽象性が一番高い難しい役柄なのかな、と思いましたが、四肢を伸ばしたお姿が植物の伸びやかさで、キレイでした。
主人公のお2人(竹野内さんと山田さん)は、日頃から自然を愛する方々とのことですが、それゆえに山田さんは「こういう人間にはなりたくない」という役柄をはっきりとらえて演じられのかな、と思いました(本当に、「地上最低、最悪の嫌なヤツ」でした!)他方で竹野内さんの方は、もしかして普段も肩の上に森の精をとまらせておしゃべりする能力があるのでは?という雰囲気を感じました。自然を愛する普段の山田さんが「山の男」という感じだとすると、竹野内さんはそれとは全然違う個性なので、このお2人もまた、互いに入れ替え不可能な、唯一無二のキャスティングだったのかな、と思います。
そんなこんなで、スクリーンの緑に癒されつつ、不思議な美しいストーリーを楽しませて頂きました。ありがとうございました!
マジカルミステリーツアー?万歳!
思っていたのと違う作風ですが、“刺す女”と言うよりかは“叩く女王様”って感じですw
「王様のブランチ」でオススメ映画として紹介されて、俄然興味が沸いたので鑑賞しました。
で、感想はと言うと…不思議な作品。
思っていたのと全然違っていて、変と言えば変。
尊いと言えば尊いが、何処か回りくどい感じがしなくもないかな。
竹野内豊さんと山田孝之さんがダブル主演を務めるとあれば多分ハズレは無いと言う安心感ともっとサスペンスかと思ったら、全然違ったw
サスペンススリラーと明記されてますし、ポスタービジュアルや最初の20分くらいまではホラー感があったけど、サスペンススリラーやホラーではなく、どちらかと言うとエコロジーファンタジーサスペンススリラーと言ったところでしょうかw
水川あさみさん演じる、妖艶でクールビューティな“刺す女”を筆頭に“濡れる女”、“撒き散らす女”、“牙を剥く女”、“見つめる女”、“包み込む女”と様々な不思議な女性が出てきて、当初は山姥伝説に準えたお話かなと思いきや、途中からだんだん分からなくなり、中盤辺りから理解不能モードに陥ってきたが、ここで理解をシャットアウトすると一気に鑑賞意欲が失せるので頭をフル回転して、なんとか理解しようと鑑賞し、ラスト30分ぐらいからやっと分かってきた。…かなり遅いですがw
それぞれが自然と共に生きる生物として警告や罰を与える為に人の形に変えた化身みたいな感じで、社会派とも言えるし、エコとも言える。でも昔話みたいな感じ。
ただ、それなりにツッコミ所も多数ありで…
・竹野内豊さんと山田孝之さんのダブル主演と明記されてますが、明らかに竹野内豊さんが主役かと。
・刺す女はどちらかと言うと叩く女が正解かと。もっと正確には叩く女王様w
・虫ってチョコレート好きなんやw
・映倫区分がPG12になってますが、それって食虫のシーン?
あと、萱島が止めるかすみに“俺を信じろ”と元の場所に戻るが、結果あんまり意味が無かった。と言うか割りと無駄死にw
あそこはかすみから告げられ、授かった自分の子とかすみの為に元の世界に戻る方がしっくりくるかな。
そして、宇和島はそれぞれの女達に天罰てきめんとばかりに罰を受ける方が良いと思うんですよね。
萱島は意味も意図も分からないままに巻き込まれた感があっても宇和島は確信犯なので萱島はちょっと気の毒w
自身のやるべき事が分かったにしても死んだろアカンでしょとw
また、なんか、宇和島の最後は萱島に比べると結構綺麗な最後を迎えられたようにも感じるし。
「自然は時として理不尽で不平等」と言うメッセージであったとしても、因果応報でもあると思うんですよね。
また、後々に判明する自然破壊やいろんな陰謀に対してもなんか天罰は欲しいかなと。
特に宇和島に依頼をしていた津田寛治さん演じる島原とかのシーンは要らないと言えば要らないかな。
個人的には最後も含めて、何処か煮え切らない感じとなんか腑に落ちない感じが最後まで漂っていてちょっと消化不良。
ただ、水川あさみさんと武田玲奈さん、桃果さんは綺麗ッスw
近所の老婆役が「ロマンポルノの女王」と呼ばれた白川和子さんが演じているのがなんか隔世の感がありますねw
変わった作品と言えば変わった作品でなんか改めて自然を見つめ直すと言うと綺麗にまとめ過ぎな感じですが、やっぱり自然の中を歩く際には蛭には気を付けたいと思いますw
利他主義は不自然
唄う六人の女
回想の中で、タクシーは田舎から都会へ向かい正当な理由を持って走る。しかし本当は逆で、その差異を問いかけている。人においては、利己的な行動こそが自然に見えてしまう
振り返って予告で明かされていた6人の二つ名が秀逸に思える。刺す女、撒き散らす女など、攻撃的な名称に見えて、ただ実体そのものを表す
逃げずに向き合えば、報いてくれる
本来声にならないものを、唄うと表現するところも皮肉的だ。ラストシーンは都会へ戻すが、それは忘却か、告発か。
どの女が好きですか?
どう評価して良いかわからない
「ミロクローゼ」の石橋義正監督の最新作。
好みが分かれるだろうな〜と思いながら鑑賞しましたが、私は好みでした♪
面白い切り口だったと思います。
父親が亡くなったと報せを受け、故郷に戻った萱島(竹野内さん)と、その父親の所有していた土地を買いに来た宇和島(山田君)の2人が主人公。
2人は山道を運転中に事故にあい気を失ってしまう。
目が覚めると身体は縛られ監禁されていた!
2人を捕らえたのは美しく奇妙な物言わぬ六人の女。。
冒頭。
人間が足を踏み入れない様な、神聖な雰囲気が漂う森の中。
そこにそぐわない着物姿の美しい女性。セミの死骸をパクッと口へ。。
おいおいおい!完璧な掴み!!
事故のショックから目覚めた萱嶋。その傍らには先程の刺す女・蜂の精(あさみちゃん)がお料理中。
話しかけても虫!あっ!無視(°▽°)
しつこ過ぎるとムチでしばかれる!
はい、良いですね♪
一方の宇和島は宙吊りに!!
こちらもかなりのハードプレイ中!
(山田君、顔パンパンで髪長すぎるしキモいですw フライヤーよぉ!横顔だしシャープに見えるんだがあ!)
一体何が起きているのかわからない!
物言わぬ女達と2人の人間の関わり合いが見所でしょうか。
そして、女達を通して明かされていく2つの真相に迫る!
⚫︎妻に見捨てられ山奥で孤独に生きた父親の目的とは?
⚫︎風呂場で変死した父親の死の真相とは?
サスペンス要素もあり、先読み不能な展開が面白い。
又、萱島と宇和島の対比が効いている。
蜘蛛を殺さない男と蜂を殺す男。
女達への対応も対照的だった。
父親の残した写真を頼りに、萱島も父親と同じ道をたどる。
その過程は父親との和解の道のりでもあったと感じた。
女達から逃げずに理解しようとする感じも父親譲りで、彼女達に呼ばれたのも納得できた。
宇和島はというと、私利私欲だけで行動し、人間の愚かさを代弁したような人物だと思った。
でも大半の人間はこうなのかもしれません。。
自然の恩恵は受けるだけ受けておいて、壊しても知らないフリ。
人間は自然がないと生きていけない。
しかし自然は人間がいない方がいい。
勝手に立ち入って壊して殺生して。。
いつまでも、あると思うな、森と親。
子の、孫の代にまで、美しい豊かな自然は残せるのでしょうか。。
考えさせられました。
あのラストは、、
将来的に人間は(女性)単体で生殖可能になるって事で、男は要らないって事?じゃ、ないですよね??Σ('◉⌓◉’)
本作は、怪しく美しい六人の女が紡ぐ現代版のおとぎ話だと思った。
唄う六人の女
⚫︎刺す女・蜂の精ー水川あさみ
とにかく妖艶で美しい。又しても黒髪おかっぱにしたくなった。幼虫汁は無理です( ; ; )
⚫︎濡れる女・ナマズの精ーアオイヤマダ
水中で踊るシーンは天女のような美しさだった。
私はコンタクトなので水中で目は開けられません( ; ; )
⚫︎撒き散らす女・シダの精ー服部樹咲
ラスボス感があったけど、意外と控えめなシダちゃん。胞子撒き散らして増えたね♪
⚫︎牙を剥く女・蛇の精ー萩原みのり
憎くき宇和島に毒を喰らわせたのは爽快だったけど、アイツにはもっと酷い仕打ちをしても良かったよ。
⚫︎見つめる女・フクロウの精ー桃果
可愛いで出来ている。はぁかわい♡
⚫︎包み込む女・ヤマネの精ー武田玲奈
萱島の恋人かすみと二役。蜂ちゃんと良い雰囲気になった萱島を我に返すw
⚪︎おまけ⚪︎
宇和島に着物を脱がされて、首元が露わになる見つめる女。
どうせならもっとずるっと!!いって、おぱいまで見せて欲しかった。
(最終的に卵、産むんだし)
内容からしてあっても良かった演出じゃないかな、と。。
最近ちゃんと脱げる女優さんがいないのが残念。
ビリーバーズの北村優衣ちゃんは良い脱ぎっぷりで、良いおぱいでした♪
あ!そうそう。
萱島の胸の毛って何ですのん??
やる気スイッチ?!
誰か教えて下さい(o^^o)
大人の「まんが日本昔ばなし」
「狂わせたいの」系のエロ・グロ・ナンセンスのダークファンタジーを予想して観に行ったら、ちゃんとテーマやストーリーがあることにびっくりしました。
萱島(竹野内豊):東京在住のおしゃれフォトグラファー。恋人は美人。でもまだ父親にはなりたくない。父から相続したクソ山奥の一軒家を売り飛ばすために山へ。元々子供時代は山育ちだが、幼少時に父母が離婚しその後父とは関係が断絶している。クモを殺さない男。
宇和島(山田孝之):地上げ業者のエージェント。物腰は丁寧ですが、蜂を殺す男。彼は現代日本人代表のような男で、その後も無益な殺生を繰り返します。
二人が乗った車が事故を起こし物語が始まります。ストーリーは舌切雀、おむすびころりん、浦島太郎などでわれわれ日本人に馴染みの深い「異界訪問」。二人の男は森の奥の昔話に出てきそうな一軒家に監禁されてしまいます。そこには物言わぬ6人の女が。
刺す女(蜂の精)、濡れる女(ナマズの精)、撒き散らす女(シダ植物の精)、牙を剥く女(蛇の精)、見つめる女(フクロウの精)、包み込む女(ヤマネの精)。
この女たちの個性的な造形と人間たちとの交感の様子が本作の最大の見所です。江村耕市デザインの衣装も見事。ただただ見とれてしまいます。特に子供時代の川で溺れた萱島を救助し去っていくミズフクロウの精がカッコイイ!
異界訪問系の昔話ですと、いいおじいさんは宝物をゲットしますが、萱島は森を彷徨い、記憶をたぐりながら、二つの真相に迫ります。
一つは、妻に見捨てられ、人里離れた山奥で孤立して生きた父親の真の目的。この物語は父と息子の和解の物語でもあります。
もう一つは、宇和島たちの真の目的と風呂場で変死した父親の死の真相。この物語は大いなる陰謀を暴くサスペンスでもあります。
狩猟採集民の一部は「自然と交感する能力」を維持しているそうですが、現代の日本人であるわれわれは、とっくにその能力を失っています。それどころか自然は畏怖すべきものから征服、破壊すべきものへ。文明の発展や生活の欧米化とともに、日本人と自然との関係性も変化してしまいました。ただ、人間は自然がないと生きていけないけど、自然は人間なしで全然OKです。相互依存ではなく、一方向性の依存関係でしかありません。「自然を守る」ためには人間がそこに立ち入らないことが一番。本作の一部は京都大学フィールド科学研究センターが管理する「芦生研究林」で撮影されたそうですが、森の中に入るスタッフと機材は最小限にする、カメラを回すときにスモークなどは焚かない、環境を破壊しないようにガイドをつけるなど、相当に気を使われたそうです。監督はその後も植樹に参加するなど、森の保護と維持活動へ関わっているとのこと。森や自然に対する監督の思いが、画面の美しい自然描写を通して伝わってきます。
萱島が最期に悟った「人間の生まれた意味、理由」とはなんだったのか?シダ植物の精を見ながら萱島の父が言うセリフ、「人間もいつかはあんなふうに単為生殖するようになるかも知れんな」というのは、人間が別の進化の道筋をたどる可能性を示唆しているのでしょうか?あと、萱島の胸に生えてきた宝毛の意味は?このあたりはあまりに壮大過ぎて、私にはよく分かりませんでした。やや風呂敷広げすぎた感も。
萱島と宇和島は冒頭の自動車事故で死んだか、瀕死の重傷を負ってしまい、魂だけの存在となって異界である森をさまよった、本作はそんな解釈も可能なのではないでしょうか。私たちも山で生死の境をさまよう時には、あの女たちに会えるのかも知れません。
美しい自然
美しい自然と擬人化美女…眼福。
好みが分かれる作品だと思いますが、私は好きな世界観でした。
NetflixのFirst Loveで初めて知ったアオイヤマダさんがこちらの作品にも出演されていて、独特のダンスに惹き込まれます。
今後の活躍が楽しみな女優さんの1人です。
自然界からの警告
喋らない六人の不思議な女と対称的な二人の男。
六人の女の正体は山の精霊なのかなと最初の辺でなんとなく解る。
ただ、何がしたくて神隠しみたいなことしたのか最後の辺まで理解不能で…。
終盤でそれが解って人間の愚かさに只々啞然としてしまった。
対称的な二人の男の一人山田孝之のクズ男っぷりが清々しいくらいに下衆の度合いがもう凄過ぎて。
ここまでの人間になると、どんな風に育つとこんな下衆になれるのかと気の毒に感じてしまった。
対して優しい竹野内豊演じる萱島にはあんな終わり方になってほしくなかった。
それと女達…何かしてくれるのかと思ったらアッサリ撤退かいな。
余韻泣きが収まらず…
好き嫌いが別れるであろうが、
この蠱惑的世界とやらに、わたしは完全に魅了されてしまいました。
とても美しかった。
音も映像も衣装もストーリーも。
涙が止まらない。
生きてて欲しかったけど、とても悲しかったけど、
父から萱島へ、萱島から、かすみと子どもへ、
そして、この作品を観た人たちへと、その意志は受け継がれて行くでしょう。
日本の森という神秘的な密閉空間で、世界規模のテーマを扱った素晴らしい作品でした。
そして、自然に包まれたり、自然と格闘したりと、
俳優のみなさん、監督やスタッフの皆さんが、
人間の力を最大限に使われたであろう撮影の大変さが想像できました。
皆が一丸となって、この作品に携わられた意味が深く心に響いております。
感動の余韻が半端ないです。
興味あったの?
ド田舎の山中で落石に当たる事故を起こした2人の男が、気づくと謎の女に監禁されており巻き起こる話。
4歳の頃から疎遠の父親が死に、父親が持っていた山と家を売却する為に、父親の家を訪れた帰り道、事故を起こして…。
金を燃やされ携帯壊され、チョコは盗られて腕は縛られと始まって行くけれど、この女達が何をしたいのかさっぱり???
そういえば、包丁で切ったものは使わないのね。
何とか逃げ出してもループしちゃうのはわかったけれど、もう縛らなくて良いのですか?
女達だけじゃなく、男2人もその状況でなにしたいの?
なんとな〜く女達が何を表しているかは見えてきても、何をしたいのかはやっぱりわからん。ただのモブ?
ラスト30分ぐらいからいきなり話しが動きだしたと思ったら、心境の変化に説得力が無さ過ぎて置いてけぼりですw
取ってつけたような実はこういうことを、さも当たり前の様に受け入れて暴走して、そしてまた取ってつけたような行動のエピローグ…自分には刺さらなかった。
ちょっと涙が・・
フクロウに救けてもらったのを思い出した時。森で迷った時は、せめて攻撃されずにいたい、クマにもね。
この監督さん初めて観ました、題材は凄く良かったけど、ラストに向けては少しありきたり。久々見た武田玲奈さんキレイ。竹野内くん✕水川さんは夫婦役もしてましたね。
唄っている女
女たちは唄っている。
けれど、それは耳を澄ましたとしても聞こえる種類のものではない。
そもそも唄っているという事に最初は気づくこともできない。
台詞のない女たちとタイトルに矛盾はなく、一見奇妙なタイトルと女たちの関係は、なぜ?どうして?と、観客に考えさせるための一種舞台装置なのではないかと感じた。
そして、これこそが物言わぬ自然や環境に対しての人間からのアプローチであるべきではないのかという映画からのメッセージであったようにも感じた。
人間社会の理屈を押し通そうとする宇和島と、なぜ?から入って森の秘密や森に閉じ込められた理由を探す萱島。終盤萱島にだけは刺す女が帰路を示したのは、萱島には唄が聞こえたのだろう。
六人の森ガール
言いたいことは分かるのだけど、中身がとっ散らかってる印象。
サスペンスやホラーの空気を醸しながら、時折覗くシュールギャグの雰囲気は必要なのか。
(観やすくなった、という意味ではアリだが、だったらコンパクトに纏めた方が…)
更にはアオイヤマダや服部樹咲のダンスに尺を取り、アート系の匂いまで加えてくる。
事故前のシーンを2回やったのも意味不明。
女たちの正体はなんとなく事故前から察してしまったのだが、これも腑に落ちない。
エンドロールでネタばらしがあるものの、何故それらだったのかが不明。
動植物には詳しくないが、あまりその“元”を想起させる動きが出てこなかったようにも思う。
(例えば『見つめる女』に特徴的に首を傾げさせるとか、やりようはあったのでは)
一応PG12の割に、強姦や殺人はカット、小動物を頬張るシーンも影が強く全然見えない。
物語上で必要とは言わないが、このテーマならそういう“エグみ”はしっかり表現すべきじゃないかな。
とはいえ、あの雰囲気からあのテーマへと自然に繋げてくるのは新鮮でした。
台詞ナシで表現した女優陣と、クズになりきった山田孝之には拍手。
ただ、竹野内さん(絶命前の演技は圧巻です)の滑舌や、父親役の棒読み感は気になった。
契約書が業者に渡らなかったから譲渡されないってのは分かるけど、配偶者でもないかすみが住んでるのは疑問。
Keep Green & Stop Onkalo
やはり田舎にはピッチフォークw 勿論、エンジン駆動の草刈り機も必要だけどね(苦笑 レビュー題名もこれも、スプラッターホラーの大事な小道具で、東西問わず何かしら無残な死に方するんだろうなぁというフラグとしての意味合いを持たせたいのだろうw(草刈り機は、同日観賞した『Love Will Tear Us Apart』で活躍していたけど(苦笑 )
正に寓話的作劇となっており、昔話の題材になるようなテーマ性である
最近観た『ゆれる』と同じような登場人物なのは、都会の圧倒的センスの塊と、田舎の圧倒的自然との対比をフィーチャーするのに、"写真家"という職業が分りやすいんだろうと、アップロード出来ない唯一無二性を感じ取れる
そして、"花咲じいさん"ばりの配役も又、益々日本昔話的だ 乱暴狼藉を働くことに躊躇が無く、悪い意味でブレない開発会社の手下役は、それも含めて森に還るという円環構造を表現している 良いも悪いも全部引き受ける"自然"の思想は、西洋文化には無い、アジア的な思考だ
あの6人の女の、まるで"鶴の恩返し"的な人間への化けの発想も、懐かしく感じる
強いメッセージ性も相俟って、観賞直後は自然回帰を願ったりするのだが、でも、映画館を一歩出ればショッピングモールの一角に存在している事実・・・ 果してこれを思考し続ける自信があるのかどうか・・・
女性達のしなやかさ、力強さ、そして厳しくも温かさ 一寸、女性に重荷を背負わせ過ぎな面も、面映ゆいし男として情けない
しかし、実際、男はだらしないのだから仕方ない(泣
セミはインパクト大
不気味さと滑稽さが相まって、それに美しさが加わって
前半は面白かった。
水の中のシーンが幻想的。
幻覚のなかに昔の記憶がフラッシュバックして、だんだんと父親の真実を知る。
山田孝之怖すぎ。
自分がどんな状況に置かれているのもわからないのに
目先の欲望に正直だ。
後半はちょっと気持ちが失速。
最後、岩につっこんだ時点で死んでしまったようにも思える。
その後は幻覚。
いや、事故に遭った時点で幻覚だったのかも。
自分の母親は父を理解出来ず去ってしまったが、
若い彼女は竹野内を信じて、山を守るため戻ったと言うこと?
回りの人間が土地を売ってしまって、ほとんど誰もいない村に子どもとふたり。
現実的ではなくて、全部幻想のようにも思える。
全体に映像は美しいが、落石が作り物っぽくて残念。
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