「不条理なファンタジー」唄う六人の女 JAGさんの映画レビュー(感想・評価)
不条理なファンタジー
クリックして本文を読む
今年見た中ではワーストでした。
6人の女が存在する不思議世界、何の説明もなく戸惑い、命の危険を感じ逃げる主人公→途中から竹野内は父の写真の引っかかりからこの世界を何となく受け入れ始め、最後は自分の使命として山を守る決意を固めていく。一方山田孝之は土地の売買を完遂させるべく現実世界へ戻るべく女たちと対峙してもがいていく。
別世界→パラレルでも、時間軸でも設定として受け入れるが、女たちの振舞いがその世界にいる必然性が感じられない。
竹野内の父の守る理由が核廃棄物処理場建設の阻止という陳腐な社会ネタにしたため、現実世界の説明に山田の雇用側が登場するが単なる金儲け以外の野心、欲望が無いので、父を殺してまで山田が得たかったものも薄っぺらすぎて興ざめ。
さらに別世界に行くロジックも判明しないのに落石に衝突するシーンは現実世界の人間としてあり得ない→下手したら死ぬだけ、別世界で竹野内が山田に殺されるなら、山田が現実世界に戻って一捻りくらいないのかなどなど。
これなら自然を愛する父が愛したファンタジーワールドを残したいだけでもいい感じ。
ファンの方には申し訳ないが、山田孝之はそれなり熱演だが、竹野内が貧相過ぎて感情移入出来なかった。凄く良く言えばナイーブの中に芯があるなのだろうが、一部見せるボディも含めて捨て犬のような魅力のなさもダメでした。
竹中直人も最後だけ少しの見せ場しかなくもったいなかった
コメントする