唄う六人の女のレビュー・感想・評価
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サスペンスか?
癒やされたい
土地を売却した数百万円のお札が燃やされたときはショックだったけど、謎が徐々に解き明かされていく様子によって救われた。サスペンススリラーだとばかり思って見入ってしまったし、『もののけ姫』のような世界観に没入してった。
さすがに虫の入ったスープは食べたくないけど、主人公の萱島(竹野内豊)とともに慣れていってしまう・・・父親が何を追い求めていたのかを探る萱島の姿。フクロウの写った写真や活断層の写真。よくある展開で考えると、徳川埋蔵金探しなんだろうけど、かなり社会派の展開だったのには驚きを隠せない。
核廃棄物質から自然を守るという使命の伝承。それならば大人になった頃に直接伝えればいいのではないか?となれば、宇和島(山田孝之)が活断層を発見した父を殺したという疑念をもっと深掘りして欲しいかなぁ。
そして六人の女がそれぞれフクロウの化身だったとして、6人それぞれの特徴が中途半端だったかもしれません。六人で一匹のフクロウだとすれば納得もいくのですが・・・それでも緑の衣装に包まれた六人が雨に打たれる光景は印象に残る。
美しき妖精と社会問題が交錯したダーク・ファンタジー
6人の美しき女達に、2人の男が、人雑離れた山奥の古民家に監禁されるという、ショッキングな世界観を描いたサスペンス・スリラー。前半部では、昔話に出てくる『山姥』を想起するようなシチュエーションで、監禁された男達を、不可思議で怪奇な雰囲気によって追い込んで、ホラー感覚に包まれていく。しかし、後半部に入ると、一気に現代的な社会課題にスポットライトが当たたり、ダーク・ファンタジーと社会派ドラマの二面性を兼ね備えた作品と言える。
ある日、萱島信一郎はのもとに、40年近く音信を断って、山奥で一人で暮らしていた父の訃報が届く。その父の屋敷と管理しいる山の処分をする為に、不動産会社の宇和島凌と会って、譲渡することを決める。萱島は、その帰り道、宇和島の車でに送ってもらう途中、落石事故に遭う。そして、その事故から目が覚めたところは、謎めいた6人の女が暮す山の中の古民家。しかも、縄で縛られ、自由を奪われた状態であることに気づく。
その女達は、喋ることはしないが、一人一人が
・刺す女(水川あさみ) ・濡れる女(アオイヤマダ) ・撒き散らす女(服部樹咲)
・牙を剥く女(萩原みのり) ・見つめる女(桃果) ・包み込む女(武田玲奈)
と特徴があり、ラストには、その正体と共に彼女達の存在意義も明らかになる。それぞれがミステリアスな雰囲気を纏い、2人の男達を翻弄していく中、萱嶋と宇和島も、何とか脱出を試みるのだが、いつしか元の場所にもどってきてしまうという、迷宮の山へと迷い込んでしまったのだ。
そして、後半部に入ると、萱島の幼少期の事故とその後の父が生涯をかけて携わってきた仕事が、この6人の女達と大きく関わっていることが明らかになる。そしてそれは、現代における社会問題へとスポットが当たり、内容もファンタジーの世界観から急展開して、サスペンスの様相が色濃くなっていく。
竹野内豊と山田孝之のW主演による本作。善人の萱嶋役には竹野内、ヒール役の宇田島には山田と、2人のそれぞれのイメージそのままの配役がピッタリとはまり、安定感ある演技をみせていた。また、水川あさみを中心にした6人の女優陣も、神秘的な妖艶さと鮮やかさを醸し出していた。
映像が美しい。
森の映像が美しい。サスペンスと思って観始めたがファンタジーと呼ぶべきだろう。まず、内容とタイトルが合っていないと思う。そして、これをW主演というだろうか?山田孝之の出番は圧倒的に少ないし最後の最後まで救いのないキャラクター。最後にもう一度森の力で竹野内豊を助けてやってほしいと念じたが叶わなかった。桃果という若い女優さんが可愛らしいと思った。
サスペンススリラー❓
予想外のテーマだった
何というか,とても独特なストーリーだった。
ずっと何がテーマかわからず、この不思議な女たちはなんなんだろう。それぞれに刺す,濡れる,撒き散らす、牙を向く,見つめる、包み込むとテーマがある。何がしたいのだろうと思いながら観ていた。映画が進むにつれて,自然の象徴のような女達だと気づく。
そして,2人の男。こちらも最初は同じように逃げようと反応するが、この世界の意味に気がつき使命感を持つ男と、真逆のゲス野郎に分かれていく。残念なのは森を守ろうとする竹之内がやられてしまうことだ。その意思は彼女によって引き継がれるけれど,ちょっと残念だった。
それにしても、山田孝之のゲスっぷりは最高だった。
そして,水川あさみの美しさも際立っていた。
放射能汚染とかの環境問題を含ませると解り易さが増すが、それが為の臭...
映像は素晴らしいと感じましたが。
前半は中だるみ。意味もわからないし、なんじゃこれっていう
感想で、早く終わってくれないかななんて思ってしまいました。
ハッとするような映像が挟み込まれてるのが救いでした。
後半、どういうストーリーかが明確になるんですけど、よくある話だったので
そこでもがっかり。急にいい話にされてもなあ(笑)。前半と辻褄が
合わない部分もあるし…。役者さんたちの演技はいいのに、残念。
実はかなり好み・・・・。
評を見ると評価は全く割れてる。分かる気がする・・・。結構粗削りで悪く言うと学生映画のノリ。ただ日本映画にありがちな演劇舞台のようでもあるが、そこは頑張ってフォトジェニックに映画寄りしてて好感が持てた。ロケ地と6人の女性たちの美しさで持った映画といって良い。一見🎥ミッドサマーを想起させる映像美。映像の美しさとその不可解な演出、物足りない竹野内と過剰な山田孝之の組み合わせもある意味妙なバランスとなって機能してるように思える。🎥PERFECT DAYSに出演してたアオイヤマダに導かれてこの映画にたどり着いたが、見て飽きは来ないのではないかと思う。すくなくとも🎥パストライブス 再会で描かれた女性像よりはるかに好きだが、女性の個の確立に反対するものではない。ボーボワールもシモーヌヴェイユも大好きである事をここに宣言しておきたい。
森を護る男。森の精霊の女たち。
アート系の映画と思ったら現代的テーマ性のある映画だった。
話さぬ6人の森の精霊のように女たち。
美しい顔の和服を着て物言わぬ女6人。
前半は不可思議なアート映画。
その印象は観終わったら変わっていました。
言いたいことをはっきり伝える映画です。
面白かったし好きでした。
ファンタジーの怪奇ホラーみたいな前半。
中・終盤にガラリとストーリーと主張がリアルになる。
女たちはファンタジー。
男たち・・・特に不動産ブローカーの宇和島(山田孝之)は、
浮世の煩悩そのもの。
《ストーリー》
フォトグラファーの萱野森一郎(竹野内豊)はある日、疎遠だった父親の死を
知らされる。
山奥の自宅の売却を終えて帰り道を宇和島の車で送ってもらうことになる。
しかしトンネルを過ぎた辺りで道が大岩に塞がれていた。
避けきれずに衝突。
気がつけば2人は古い納屋に監禁されていた。
そこは女6人の住む現実離れした空間。
1人目は、刺す女(ハチ)=水川あさみ。
2人目は、濡れる女(ナマズ)=アオイヤマダ
3人目は、撒き散らす女(シダ植物)=服部樹咲
4人目は、牙を剥く女(マムシ)=萩原みのり
5人目は、見つめる女(フクロウ)=桃果
6人目は、包み込む女(ヤマネ)=武田玲奈
今になって思うこと。
この6人の女たちの特性・・・これが意外と生きて来ない。
ただただ美しい森の精霊のようだが、邪悪。
叩いたり刺したり閉じ込めたり虫を食べさせたり、
かなりグロでサディスティックです。
ただ水川あさみは元々が恐いから如何にも“しばいたるでー“
って感じでしたが、
あのやたらと脚の長い美しい女に顔はあったっけ?
まぁ、オブジェみたいな女でした。
長椅子に反り返る女も、
完璧に広場のオブジェでしたね。
と言う訳でこの先何を見せられるか?不安になる頃。
パーンと舵を切ってリアリズムになります。
森一郎の父親の茂(大西信満)は土地を手放さずに何を守っていたのか?
今思えば、息子に相談する。
マスコミに働きかける。
などの行動を起こすべきで、一人で抱え込むことではない、
と思います。
森の護り人=森を深く愛する人。
でしたね、もしかしたら精霊たちに慕われ過ぎてたのかも。
綺麗で力強い映画でした。
美しい森、妖しい女たち、古民家、
竹野内豊の熱演、
悪人に徹した山田孝之の偉さ。
女たちの中では武田玲奈が儲け役で二役。
印象深い素敵なオリジナリティ溢れる映画。
監督・脚本は石橋義正。
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