「CUTE」恋人はアンバー ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
CUTE
尺が92分。丁度いい!と思って急遽鑑賞。
前半はとても好きなんですが、後半は前半の良さが保ちきれず乗れなかったなと思った惜しい作品でした。
ゲイである事を隠しているエディとレズである事を隠しているアンバーが恋人のフリをしてクラスメイトや親の目から掻い潜るというのが本筋です。
クラスメイトが茶化してエディにキスやそれ以上のことをさせようとしますが、エディは自身がゲイである事を自覚しているのでキス以上のことには手が出なくて(日本人にとってはそれでも中々のスキンシップだなということは置いておいて)、いじめられる日々が続く中でアンバーと出会い、偽とはいえど関係性を深めていくので、互いが惹かれあっていくのかと思いきや、そうではなく友情ものとしての側面が強くなってきたのが今作の不思議な所です。
前半はコミカルな感じでもう付き合っちゃえよっていうくらい可愛らしい2人の様子を眺めることができます。ここまで人前でいちゃついていると多少ムカついたりするもんですが、当人たちの事情が分かっている上で見ているとクスッと笑える仕掛けになっているのも良かったです。
後半に差し掛かると、自身の持つゲイ/レズの気持ちが強くなっていき、我を見失っていく展開になり、ヘビーというか身勝手な感じになっていき少し疲れてしまいました。前半のゆるゆるっとした空気が好きだっただけに、キャラにヘイトを集めてしまう様な演出には少し首を傾げました。エディがアンバーに暴言を吐くシーンが必要だったのか…。
入隊直前にアンバーがありったけのお金を渡して、この街から出て行って!という展開に持ち込まれますが、これまた唐突かつぶつ切りな終わり方だったのもモヤモヤっとしました。雰囲気映画に持っていかないでーと更にモヤモヤ。
良いところが光りまくった前半、ちょっとずつ思ってたのとは違う方向へ向かった後半、評価に難しい映画でした。主演2人は魅力的だったので、ぜひ今後も追いかけてみたいなと思いました。
鑑賞日 11/4
鑑賞時間 18:50〜20:35
座席 D-2