1秒先の彼のレビュー・感想・評価
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2つの視点で描くラブストーリー
台湾映画のリメイク版で台湾版は未鑑賞。消えた一日を巡る展開は如何にも海外リメイクと感じるストーリー。
物語は二つの視点で描かれていて前半と後半の二部構成になっている。一日が消えるという展開は現実離れしているのであまり共感出来ないが、主演2人の演技は素晴らしく見応え充分。
2023-98
登場人物のキャラに魅力ないし、物語の設定に無理あるのでは・・
邪(よこしま)なのに、爽やかです
こんな脚本ならもう、主要人物3人(男ひとり、女ふたり)の配役さえ間違えなければ、面白くないわけがない‼️
清原果耶さんは、やっぱり映画館がよく似合います。
(原作については何も知らずに鑑賞しました)
熱心なレミゼファンの方からは、一緒にするな❗️とお叱りを受けるかもしれませんが、繰り返し上演されても飽きられることのない〝レ・ミゼラブル〟のように感動ポイントが安定しているので、奇をてらう必要がないストーリーだと思います。
作り手がどうアレンジするか、鑑賞する側はそのアレンジを各々が好きなように受け止めればいい。
冷静に考えたら、相手が何もわかっていない状況で、自分の願望を満たしている彼女の行いは、邪(よこしま)といえばかなり邪な振る舞い。
でも、人間の願望、特に恋愛感情には嫉妬や羨望や独占欲などがつきものですから、基本形としてはネチネチドロドロしています。
それをこんなに爽やかに、後ろめたさのような負の気持ちを感じるスキも与えず描いてしまうのですから、多くの人が共感してしまうのは、自然なこと。
この映画は笑いはあるし、SF的ファンタジーでもあるから、レミゼほど重厚な印象は受けません。
むしろ、夏空の下、スカッと味わう柑橘系のフレッシュジュースのように爽やかです。ビールで例えるなら、じっくり味わうIPA系のクラフトビールというよりも、海水浴場で一気飲みしたくなるバドワイザーやのどごし生という感じ?
梅雨の鬱陶しさをしばし忘れさせてくれる、爽やかで優しい映画です。
はんなりとしたファンタジックコメディー
ちょっとちょっと、運転手さん。その状況を受け入れちゃいますか?
運転手の役は荒川良々さんだから妙に納得してしまう。
オリジナルの『1秒先の彼女』は、お気に入りの作品だったから、日本でのリメイクをすごく楽しみにしてた。『1秒先の彼女』のふんわかした雰囲気をどう出すのだろうと思っていたら、宮藤官九郎の出した答えは、京都弁。
人を小馬鹿にしているようにも、玉虫色のオブラートで本音を包んでいるようにも聞こえる京都弁。大阪弁よりもスローモーなこともあって、「はんなり」な雰囲気を醸し出している。
これが標準語だったら、ラブコメっぽくなってしまうし、大阪弁だったらコテコテ喜劇のなってしまう。
加藤雅也が、いい味。家からふらっと出ていくときの、適当な言い訳とか、見つかった時に苦し紛れのウソをつく時の様子が、おかしくてたまらない。
なんの情報もなく鑑賞するのが、一番だけど、結末がわかっていても面白い。
脚本とキャスティングの妙でございます。
2023年。山下敦弘監督。台湾映画の佳作を男女逆転してリメイク。そ...
2023年。山下敦弘監督。台湾映画の佳作を男女逆転してリメイク。それぞれにさえない日常を送る若い男女が、幼いころの思い出を活性化させて相手にたどり着くまで。原作では静止した世界に対して躍動感ある主人公(行為も心情も)が魅力的だったが、今作の主人公の二人は行為も心情も躍動感とは程遠い。わかりやすさとリアリティを優先した設定だと推察するが、ドラマの起伏は削減されてしまった。SF的設定のわかりにくさ(謎)もある程度まで解消されていて、「何だこれは」という見た者の驚きが奪われている。リメイクだから当たり前だが。せっかく男女逆転しているのだから、それ相応の別の驚きを期待していたのだが、失踪した父親の出現という細部まで妙に原作に忠実。
男性主人公のエピソードを実は追跡していた女性主人公の目線から語りなおすのだが、その時、最初の男性主人公のエピソードを写すカメラの位置が女性主人公の目線だったと場面がある(バス内とか)。すると、女性主人公のエピソードを見ているのは誰かということが意識されてくる(カメラの自意識)。これってリメイクである今作自体にも当てはまるメタ認識なのだが、たまたまなのだろうか。
脱力系、オフビート、ダメな人たちを描くのが上手、という山下監督のこれまでの作品づくりの流れには沿っている。川や海の映像は美しい。嘘のようにぎこちない京都弁はなかったことにしよう。主演の二人はそれなりに魅力的。
日本版の方が好き
リメイクの必要性。原作が好きなのでかなり辛口評価になります。
台湾版のテンポの良さがかなり損なわれている一方、台湾版が台湾に行きたくなる映画になっていたように本作も京都に行きたくなる映画になっていたところが1番素晴らしいと感じました。
加えて、岡田将生さんの高圧的にならず可愛らしくなってしまう「嫌味っぽい」演技も最高でした。ただ、広報で繰り返されてる1秒速い彼と1秒遅い彼女という紹介では『2秒先の彼』になってしまうのでそういう細々とした製作側のリメイクに対する気の抜けた感じが良くも悪くも映画の雰囲気に影響を与えていたと思います。
単純にリメイクとしてではなく作品としてならさすがの監督と脚本家ということで想像以上に成功していると感じました。それでも、これほどの監督と脚本家とキャストが集まってくれたのなら男女を反転させるだけではなくもっと原作を崩して再構築しちゃっても良かったんじゃないかな?とも思いましたし、なんならインスパイアされたという形で全く新しい映画を作ってしまっても良かったのでは?と感じました。製作側から原作への熱いリスペクトではなく、「依頼されたから製作した」という緩い姿勢が伝わってきてしまい正直かなり複雑な気持ちになりました。なんなら全く同じ製作陣、ビターズエンドの配給でSFロマンチックコメディをオリジナルの新作として製作して欲しいです。
そもそもファンタジーにする必要はあったのだろうか?
オリジナルの「1秒先の彼女」では、無防備な女性を男性が1日連れ回すということに、ちょっと「危なさ」を感じてしまったが、本作では、女性と男性の立場が入れ替わっているため、そうした懸念が解消されている。
清原果耶の地味で冴えないヒロインぶりもハマっているし、新たな登場人物によって、女性が無理なく男性を連れ回すことができるように工夫されているのも良い。
ただし、人々は動きを止め、虫や鳥は空中で静止しているのに、木々が風に揺れ、波が打ち寄せ、太陽が動くというところには、やはり、違和感を感じざるを得ない。
ワンテンポ遅い彼は、日曜日の朝から月曜日の朝までタイムリープして、その間、どこにも存在していないはずなのだが、他の人々と一緒に静止しているところしか描かれていないため、彼だけが時間を飛び越えたということも分かりにくい。(日曜日の朝に発見されるべき40万円が、彼が目を覚ました月曜日の朝に発見されるのもおかしい。)
オリジナルを観た時にも思ったのだが、確かに時間が止まる場面は、映像的な驚きはあるし見た目も面白いのだが、そもそも、1日をもらったり返上したりするという設定は必要だったのだろうか?
テンポが合わない男性と女性が知り合い、お互いにテンポを合わせる努力をしていくうちに、徐々に相手を思いやる気持ちを深めていく。
これが、ファンタジーではなく、そんな「普通」のラブ・コメディーであったとしても、十分に楽しむことができたのではないかと思えるのである。
日本らしさ溢れる温かいリメイク
可愛らしい
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