劇場公開日 2023年7月7日

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「オリジナル台湾版を鑑賞せずにどうぞ」1秒先の彼 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5オリジナル台湾版を鑑賞せずにどうぞ

2023年7月8日
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鑑賞方法:映画館

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オリジナルの台湾映画「1秒先の彼女」は以前に鑑賞したことがあり、ほのぼのとした雰囲気が素敵なラブストーリーだった記憶があります。本作はそのリメイク作品で、どんなアレンジがされているのかと興味をもって鑑賞してきました。

ストーリーは、何事も人よりワンテンポ早く行動する郵便局員のハジメが、路上ミュージシャンの桜子に出会って恋に落ち、日曜日に花火デートの約束を取り付けたものの、目覚めると月曜日になっていて、全く記憶のない消えた日曜日の謎を解こうとする中で、その鍵はいつも郵便局に現れる、人よりワンテンポ遅いレイカにありそうだと気づいていくというもの。

リメイク作品として最も大きな変更点は、男女の入れ替えで、これは大正解だったと思います。台湾版で男性が女性を連れ回すシーンは、見方を変えるとかなり危うく感じますが、本作ではそれが払拭され、すっきりと解消されています。また、舞台として京都を選び、市内の町屋、鴨川、宇治、天橋立、伊根などのシーンを入れ、日本らしいアレンジがされていたのもよかったです。

全体の構成も台湾版と同じで、前半はハジメを軸に描き、後半はそれをレイカ視点で描き直します。前半でやや説明的なシーンが多く感じますが、これが伏線となっていて、終盤で回収していくという展開は心地よいです。特に、ハジメの父との絡みで描かれる家族写真やミョウガからパピコにつながる流れに、温かい雰囲気と後味のよさを感じます。

ただ、そんな感じで台湾版をかなり忠実になぞっているため、どうしても展開や結末が読めてしまい、謎解きの楽しみはなくなります。また、前半のテンポがなんとなく上がらなかったことで、後半のスローテンポとの対比がいまいち鮮明に描き出せていないように感じました。情景的にも、京都の天橋立への道中も悪くはないですが、もっと美しくノスタルジックなシーンを描き、前半との対比を際立たせてほしかったです。

あと、台湾版ではさほど気にならなかったのですが、人の静止に対して樹木などが揺れていたり、帰りのバス内で花火の打ち上げ音が聞こえたりしていたのは、ちょっと気になりました。空中で静止していた花火は、山内圭哉さんが試し撃ちさせた一発だったと思いますが、その後の打ち上げは名前の長い花火師の仕業ですかね? こんな感じでついつい比較してしまうと純粋に楽しめないので、これから行く方は台湾版を鑑賞せずに行くことおすすめします。

主演は岡田将生くんで、ちょっとめんどくさいけど憎めないハジメを好演しています。共演は清原果耶さんで、控えめで一途なレイカをさすがの演技で魅せてくれます。いまいち乗れなかった前半に対して、後半で一気に巻き返してくる感じは圧巻でした。脇を固めるのは、福室莉音さん、片山友希さん、松本妃代さん、羽野晶紀さん、加藤雅也さん、荒川良々さん、笑福亭笑瓶さんら。できれば、エンドロールで笑福亭笑瓶さんへの追悼の言葉はほしかったですね。ご冥福をお祈りします。

おじゃる
ゆり。さんのコメント
2023年7月10日

時が止まったシーンは、何だか違和感がありましたよね。静止画像に動いている清原さんをはめ込む事も出来ると思うのに、それじゃつまらないから、あるいは平板な絵になってしまうから、俳優を静止させたのかな、と思いました。所々動いていたり微妙に揺れているように見えたのがおかしかったです。

ゆり。
2023年7月9日

おじゃるさん、京都の舞台、趣きがあり良かったです☆笑福亭さんの温かみのある演技、追悼の点同感です。清原果耶さんは透明感がある女優さんですね❀

美紅
トミーさんのコメント
2023年7月9日

元ネタを是非観て、比較したいです。
貰ったCDをCDラジカセで聴いてんの? と思ったらラジオだった、結構笑える勘違いでした。

トミー