「「メメント」のガイ・ピアースが共演しているのがミソ」MEMORY メモリー 高森 郁哉さんの映画レビュー(感想・評価)
「メメント」のガイ・ピアースが共演しているのがミソ
リーアム・ニーソンは舞台俳優出身で、キャリア前半はアカデミー主演男優賞ノミネート作「シンドラーのリスト」など演技派として鳴らしていた。だが、2008年に犯罪組織に誘拐された娘を単身救いに行く元CIA工作員を演じたリュック・ベッソン製作の「96時間」が大ヒットして以降、ニーソンが無双の活躍をするアクション映画がコンスタントに作られるようになり、気がつけばもう15年にもなる。現在70歳、近年はさすがにスピーディーな格闘シーンなどは減ったものの、狙撃手役を演じたり、本作のように認知症を患っている殺し屋だったりと、年相応の設定で身体的な負担を減らしつつ新味を出そうとする製作陣の苦労がしのばれる。
ニーソンが演じる殺し屋アレックスは、忘れてはならない重要な手がかりを腕にマジックでメモする。このくだり、クリストファー・ノーラン監督作「メメント」を思い出した人も多いのでは。同作で記憶障害を持ち妻を殺した犯人を復讐しようと素人探偵活動にいそしむ主人公を演じたのがガイ・ピアース。そのピアースが、この「MEMORY メモリー」では記憶障害の殺し屋を追う捜査官というひねった配役が面白い。なお、原作はベルギーの作家の小説で、2003年に同国で映画化され、今作はそのアメリカ版リメイクということになる。
モニカ・ベルッチも重要な役で出ていて、B級アクションっぽい話の割には共演陣もまあまあぜいたくだ。
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