劇場公開日 2023年5月12日

  • 予告編を見る

「少しずつ分かるようになってくるタイプの映画。今週おすすめの一作。」MEMORY メモリー yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0少しずつ分かるようになってくるタイプの映画。今週おすすめの一作。

2023年5月13日
PCから投稿

今年156本目(合計807本目/今月(2023年5月度)13本目)。
 ※ 時間調整のために「サイコパス」を見てから向かったのですが、アニメ作品にレビュー需要はないと思うので飛ばします。

 さてこちらの映画です。
アルツハイマー型認知症を患う主人公をすえたいわゆる「*し屋」タイプの映画です。これだけだとまぁ手を変え品を変えよくあるタイプの映画ですが、リアルアメリカがそうであるように、南米の国(南米はブラジルを除き、他の国はスペイン語圏)とのかかわりが一つのファクターで、その関係でスペイン語も登場します(スペイン語は<~~>の別字幕表記扱い。ここも配慮があります)。

いわゆる最初に「この人が犯人ですよ」という大筋を観客に見せたうえで、(当然、設定として知りえない)各登場人物がいかに追い詰めていくか…というタイプ(要は、Who,What型のタイプの映画)と言えます。このテイストを取るため(最初に「観客には」結論が提示されてしまうため)、理解の差はかなり上がります。ここは良かった点かなというところです。一方、南米の国(メキシコ?だったはず)の細かい都市名が結構多く出てくるので、そこの理解(一般的によく知られている都市ではなく、かなりマイナーな都市名が出る)がおいつかないと、結構前半厳しいかなというところです。

なお、もともと日本ではR15扱いですが、一部に性的表現に厳しいものがある(ただし、字幕が大半で、実際の行為はうまく避けられている)ほかは、大半は「首飛び表現」に抵触したのだろうというところです。

このようにあまり設定としてみないタイプの作品でありながら、観客目線では「この人が犯人ですよ」というのは最初の1分で提示されるため理解のしやすさの配慮はあり、ここは明確によかったです(逆に言えば、それが最初にわかるタイプの映画を嫌う向きもあるようですが…)。

 採点に関しては、特に差し引く要素まで見出しにくいので(R15である点を了知しているのは当然の前提)、フルスコアにしています。
やや「首飛び表現」など厳しいかなと思える映画もありますが、同趣旨(いわゆるグロ系)のR15の範囲では緩めかな(ギリギリPG12のR15とも思える)ので、この「グロ系」がはじめてという方にも推せます(ただ、どこでも何でも首は飛びます)。

 今週(5月2週)は妙に作品の数が多く本命対抗に迷うところですが、迷ったらおすすめの一作です。

yukispica