劇場公開日 2022年12月10日

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少年たちの時代革命のレビュー・感想・評価

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4.5生々しいまでの時代の空気と人々の感情が封じ込められた秀作

2022年11月30日
PCから投稿

胸を抉られるとはまさにこのこと。時に映画というメディアはその時代特有の生々しい傷跡を体に帯びることがあるが、本作はまさに代表例だ。香港の学生たちによる民主化デモの様子などTVやネットで見飽きたという人がいるかもしれないが、この劇映画は我々がこれまで理解していなかった若者たちの複雑な心の内を痛いほど映し出す。

揺れる香港では、自らの死でもって警察や政権に抗議する自殺者が相次いだという。そして今、一人の少女が死を求めてさまよい、それを察知した若者たちは彼女を救おうと街を駆けずり回る。ゲリラ撮影による緊迫した映像が散りばめられ、カメラが少女の悲痛な思いに肉薄し、その他の登場人物たちの立場や感情の機微をも群像劇スタイルで交錯させる86分。こみ上げるのは絶望か、希望か。全ての思いはたった一つの言葉に凝縮される。疾走を終える時、その力強さが胸を鋭く貫いた。

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牛津厚信

3.5逃亡犯条例改正をめぐって

2024年12月17日
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りか

4.0香港でも上映される日が来るでしょう、その日が近いのか遠いのか分かりません

2023年7月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

デモの映像と映画劇の映像をうまく繋ぎ合わせてひとつの作品にしている手法は見事です。香港映画の特徴でしょうかスピードが速く、ついて行くのが大変です。
香港の若者の絶望感が良く描かれています。

シナリオは単純明快、善悪の配置がはっきりしており、予想どおりの終わり方でしたが、最後のシーンはあまりにも単純すぎて、ちょっとがっかりします。

しかし、よくこの映画を作ったものだと思います。
いつの日か香港でも上映される日が来るでしょう、その時、香港の人はどのような感想を持つのでしょうか。

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PAK UNTIK

2.0残念《悪くない作品だけど、全体的に薄く丁寧さに欠ける映画》

2023年2月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

観て良かった→2
映像・音楽 →1
テンポ →2
ストーリー →2
心に残る →1

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茶々の葉

4.5どうかその手を離さないで。

2023年1月26日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

2019年香港。町を埋め尽くす黒い服の若者達が革命を掲げ最前線に立っている。このまま巨大な隣国に取り込まれるのか、それとも民主化の為に闘うのか。スピード感があって重厚な86分だった。

政府に対する抗議の自殺が相次ぐ中、この国の未来や自らの孤独に絶望し姿を消したYY。彼女を救うべく少年少女達が町中を駆け回る。その中で語られる国に対する思い。闘わなければ香港は終わる。一方で日々生きていくことに精一杯の大人達。デモ隊のすぐ隣では香港の当たり前の日常も動いているという現実。

浅はかで無鉄砲で無礼で乱暴な彼らだけど、きっと私なんかよりずっと祖国への思いは強い。いつの日か日本の存続を懸けた分岐点が訪れた時、日本の若者達は最前線に立てるだろうか。

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はるたろう

2.0勝手に開けるな!押し入ってるけど。

2022年12月17日
Androidアプリから投稿

単純

難しい

2019年の香港民主化デモの最中、SNSに自死を臭わせる書き込みをした少女YYを助ける為に奔走する若者たちの話

逃亡犯条例改正に反発した若者による抗議の自殺やデモという名の暴動が発生する中、7月21日のデモ活動で逮捕されたYYとジーユーその際に絡んだナムが、デモ仲間たちやソーシャルワーカーのバウと共にYYを捜し回るストーリー。

背景に抗議活動や騒乱はあるけれど、YYがそこまで思い詰めるに至る理由が乏しいし、そこまで必死になって彼女を捜すグループの原動力もイマイチ曖昧。

時代革命と銘打ってはいるけれど、その姿に政治的なものは殆ど感じられるず、誰かと繋がっていたいとか連んでいたいとか、そういう寂しがりの若者たちをみせているばかりに感じて、みたかったものとは違った。

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Bacchus

5.0中国共産党より革命的な少年少女たち

2022年12月16日
PCから投稿

2019年夏の香港のデモを映したドキュメンタリー映像とドラマ映像を異和感なくつなげた劇映画です。デモの弾圧からわずか2年で、このような傑作映画を作り上げた製作者達の熱意は驚異的です。

デモ隊が機動隊と戦っている最中、七人の少年少女(二人30代)は、自殺してしまうかもしれない一人の少女を探して街中を走り回ります。その物語が共感と異和感を喚起して秀逸です。

革命(権力との戦い)においては、怒りと恥の感情が大切という事が伝わってきました。民意を踏みにじる権力に対する怒りはもちろんですが、登場人物達は、警察の暴力に慄いて仲間を見捨てて逃げてしまった、デモ隊に催涙弾を撃ち込む父親に養われている、といった事に恥の感覚を抱きます。そのため彼・彼女たちの戦いは、香港を変えるためだけではなく、現在の自分を変えようとする戦いとなっています。逆に、権力の側にいて、その立場を利用して他人を踏みにじる者は恥知らずという事です。

最後に「結果が出なくとも、私たちは諦めない」という制作陣のメッセージが現れます。日頃私(達)の生活を律している〝コスパ〟とは正反対の思考です。革命の反対語はコスパなのかもしれません。だとしたら、脱コスパが革命への第一歩なのかもしれないと思いました。

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taro