少年たちの時代革命

劇場公開日:

少年たちの時代革命

解説

2019年の香港民主化デモを背景に、自殺しようとする少女を救うため民間捜索隊を結成した若者たちが奔走する姿を疾走感たっぷりに描いた青春群像劇。

17歳の少女YYは親友ジーユーとデモに参加して逮捕される。ジーユーは香港を去ることを決め、孤独と絶望を抱えたYYはSNSにメッセージを残して香港の街へ消える。そのメッセージを見た少年ナムは恋人ベルやデモ仲間ルイスらと捜索隊を結成。時にぶつかり合いながらも、それぞれの思いを胸にYYを救うべく街を駆け巡るが……。

キャストには演技経験のない新人を多く起用。本作が初長編となるレックス・レン監督とラム・サム監督がメガホンをとり、コロナ禍のデモ現場でゲリラ撮影を敢行するなど、いまの香港を生きる若者たちをリアルに映し出した。

2021年製作/86分/香港
原題または英題:少年 May You Stay Forever Young
配給:Cinema Drifters、大福
劇場公開日:2022年12月10日

スタッフ・キャスト

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(C)Animal Farm Production

映画レビュー

4.5生々しいまでの時代の空気と人々の感情が封じ込められた秀作

2022年11月30日
PCから投稿

胸を抉られるとはまさにこのこと。時に映画というメディアはその時代特有の生々しい傷跡を体に帯びることがあるが、本作はまさに代表例だ。香港の学生たちによる民主化デモの様子などTVやネットで見飽きたという人がいるかもしれないが、この劇映画は我々がこれまで理解していなかった若者たちの複雑な心の内を痛いほど映し出す。

揺れる香港では、自らの死でもって警察や政権に抗議する自殺者が相次いだという。そして今、一人の少女が死を求めてさまよい、それを察知した若者たちは彼女を救おうと街を駆けずり回る。ゲリラ撮影による緊迫した映像が散りばめられ、カメラが少女の悲痛な思いに肉薄し、その他の登場人物たちの立場や感情の機微をも群像劇スタイルで交錯させる86分。こみ上げるのは絶望か、希望か。全ての思いはたった一つの言葉に凝縮される。疾走を終える時、その力強さが胸を鋭く貫いた。

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牛津厚信

4.0香港でも上映される日が来るでしょう、その日が近いのか遠いのか分かりません

2023年7月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

デモの映像と映画劇の映像をうまく繋ぎ合わせてひとつの作品にしている手法は見事です。香港映画の特徴でしょうかスピードが速く、ついて行くのが大変です。
香港の若者の絶望感が良く描かれています。

シナリオは単純明快、善悪の配置がはっきりしており、予想どおりの終わり方でしたが、最後のシーンはあまりにも単純すぎて、ちょっとがっかりします。

しかし、よくこの映画を作ったものだと思います。
いつの日か香港でも上映される日が来るでしょう、その時、香港の人はどのような感想を持つのでしょうか。

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PAK UNTIK

2.0残念《悪くない作品だけど、全体的に薄く丁寧さに欠ける映画》

2023年2月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

観て良かった→2
映像・音楽 →1
テンポ →2
ストーリー →2
心に残る →1

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茶々の葉

4.5どうかその手を離さないで。

2023年1月26日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

2019年香港。町を埋め尽くす黒い服の若者達が革命を掲げ最前線に立っている。このまま巨大な隣国に取り込まれるのか、それとも民主化の為に闘うのか。スピード感があって重厚な86分だった。

政府に対する抗議の自殺が相次ぐ中、この国の未来や自らの孤独に絶望し姿を消したYY。彼女を救うべく少年少女達が町中を駆け回る。その中で語られる国に対する思い。闘わなければ香港は終わる。一方で日々生きていくことに精一杯の大人達。デモ隊のすぐ隣では香港の当たり前の日常も動いているという現実。

浅はかで無鉄砲で無礼で乱暴な彼らだけど、きっと私なんかよりずっと祖国への思いは強い。いつの日か日本の存続を懸けた分岐点が訪れた時、日本の若者達は最前線に立てるだろうか。

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はるたろう