「動画に取り憑かれた昨今の人を描きながらも、20世紀へのオマージュにあふれた仕掛け」NOPE ノープ kumiko21さんの映画レビュー(感想・評価)
動画に取り憑かれた昨今の人を描きながらも、20世紀へのオマージュにあふれた仕掛け
無限に広がる空、同様にどこまでが私有地なのかわからない広大な土地。西部劇の時代から変わらないようなロケーションで、ヒーローとヒロインは黒人きょうだい。なぜそこでその商売?という疑問には歴史上整合性の取れている説明もあり勉強になった。
予告で見たウオルマートみたいなシーンは全編を通じてみれば僅かな尺に過ぎないのだけど、そこで交わされる俗っぽい会話が彼らの原動力だということがわかった。
伏線の回収と、妹役の子の肝っ玉の据わった感じの発声が心地よかった。当然、兄のOJ役の彼の白目の強烈さは、闇のシーンで雄弁だった。
表面的な設定だけでいうと「ドント・ルック・アップ」にインスピレーション受けた?みたいに思えないこともなかったけど、こちらの方が表現方法が示唆的で映画館で観るべき映画としてのスケールを感じた。
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