「UFOの正体がすべて」NOPE ノープ tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
UFOの正体がすべて
登場人物達の目的が、UFOをやっつけることや、自分達が生き残ることではなく、スクープ映像を撮ることだというのが、いかにも今風で面白い。ただし、今の時代、映像をSNSにアップしようとしないところには違和感があるので、電力の消失のためにスマホが使えなくなるというところは、もっとしっかり描いてほしかった。
前半は、UFOの正体を含めてジワジワとサスペンスが盛り上がるが、後半は、VFXを駆使したアクション描写が主流となり、やや尻すぼみな感が否めない。
チンパンジーのエピソードや父親の死が、伏線として十分に機能していないし、それぞれに個性的な登場人物達のキャラクターも、物語に上手く活かされているとは思えない。何よりも、この監督ならではの人種問題に関するヒネリがないのは物足りない。
結局、特筆すべきはUFOの正体だけで、それがすべての映画だった。
コメントする