「生き抜いた娘こそが最強だった」わたしの幸せな結婚 Uさんさんの映画レビュー(感想・評価)
生き抜いた娘こそが最強だった
原作の漫画は読んでいません。
◉逆境の中の恋
明治・大正期を舞台にした、呪術系のアクションものだが、純愛が前面に押し出される。と言うか、純愛以前に超オールドファッションな婚姻譚が話を引っ張る。嫁は絶対服従、「出て行けと言ったら出て行け、死ねと言ったら死ね」と斎森美世(今田美桜)は言い放たれる。いくら当時でも、死ねとまで言われたのか?
まぁ目黒蓮君は実は、そんなことは口が裂けても言えない。軍服姿が似合っているのに、それに不似合いな、心中の優しい微笑み(見えない訳ですが)。
この物語は、そのままならば不遇な人生を不条理に強いられたであろう少女が、完全な受動態ながら、自分に向けられた久藤清隆(目黒蓮)の心を真っ直ぐに受け入れていく。
少しずつ今田美桜の表情に光が差してきて、その愛くるしい眼差しに、釘付けになりかかりました。
◉颯爽と魔術の戦場を駆ける美世
人に非ざる「異形」と称する妖魔たちが帝都を襲い、超常の力を持つ「異能」の戦士たちがそれに抗する。人里離れた山奥などではなく、帝都の陸軍省に「陸軍対異特殊部隊」が設置されていると言う、お伽話確定の設定。こう言うのは好き嫌いが分かれると思いつつも、素晴らしい!
斎森美世は、斎森家の継母と異母妹に虐げられてきたが、生まれ持った心根の優しさで、精神も身体も崩壊せずに何とか生き抜く。
そしてよくある展開ながら、その健気な娘が実は最強の力を持っていた。あらゆる者の眠りに入り込んで、夢を操って洗脳までしてしまう。
◉異能模様が素敵だった
頬に浮かび上がる異能模様がスタイリッシュで、これはファッションとして流行る……と思って見とれました。
ほぼオールラウンドの異能を操ると言う久藤の雪の結晶のような模様、鶴木新(渡邊圭祐)の梵字のような模様が、超能力の発現を視覚化していてインパクト大だった。
そして何より、美世の頬を染める桜模様があまりに美しくて、しかし結局、ただ者としては生きられない証だろうか。
健気と狂気が入り混じる、お伽話を味わわせてもらった感じです。
観た翌日、ショップに行ったらパンフが売り切れていた。後日、手に入りましたが、やや焦りました。
ヘンな穴のフランス映画へのコメントどうもありがとうございました。この作品、パンフレット入手困難だったんですね。私も買いました。好きな作品ですし、大事にしたいと思います。
コメントそして共感ありがとうございます。
思いがけず予期せぬ展開に驚かされた作品でした。
「異能」
恋愛映画と思っていたら波瀾万丈のファンタジーながら妖怪な!!
中々の新鮮な作品でしたね。
今田美桜が本当に切なく美世にぴったりでした。
実は最近になって「水は海に向かって流れる」に頂いたコメントを
読みました。失礼いたしました。
お仕事とても忙しいんですね。
忙しい中コメントありがとうございます。