「ニコラス・ケイジというジャンル」マッシブ・タレント TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)
ニコラス・ケイジというジャンル
公開1週目の先週末は雨天で回避ししたため、1週遅れでの鑑賞となりました。本日土曜は1日(映画サービスデー)ですが、角川シネマ有楽町の午前中回の客入りはちょっと寂しいくらいですね。。
まぁ、私自身もニコラス・ケイジ(主演)作品を劇場鑑賞したのは『ラスト・リベンジ(15)』以来だったと思います。確認のために彼の数多いフィルモグラフィーを振り返ると、あれもこれも配信などで観た覚えがあるものの、正直、内容までは曖昧なものも少なくありません。ただ、共通して言えるのはつまらなくはありません。敢えて言えば、ケイジの「灰汁の強い演技」は案外ボーっと観るのに丁度よいことも特徴で、まさに「ニコラス・ケイジというジャンル」という括りがあってもいいと言うことすら決して過言ではないと思います。
そして、そんな彼を今もなお「主演」で作品が作られ続けるのは、おそらく映画の作り手たちからケイジへのリスペクトと、ケイジ自身のたゆまぬ努力、そして映画への愛なのだろうと感じます。
今作『マッシブ・タレント』はまさにそんなケイジ自身を「さらに誇張」して作られたキャラクター「ニック・ケイジ」が主役であり、またニックを時に励まし、時に叱咤し、そして後押しをする謎(w)のキャラクター「ニッキー」が、更に輪をかけて甚だしい個性と風貌でおかしみが増幅です。
そして、スパイや誘拐、さらにカーチェイスなどという古典的な要素を臆面もなく「全部盛り」で織り込みながらのオフビートなコメディで、劇場からも時折聞こえてくる笑い声に、結局今作も裏切られることがなく十分に楽しめます。さらに、作品の中で「好きな映画を言い合う」という何の捻りもないけど、結局誰もが「そんな話をずっとしていたい」という普遍さでついついにやけてしまうような、シンプルでストレートな映画愛が感じ取れます。
とは言え、感想を聞かれれば結局今作もまた「まぁ配信でもいいと思いますよ」っていうのが正直なところかな。