「納得のチョイスだけど、ニコケイにはまだまだ幅も奥行きもある。」マッシブ・タレント 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
納得のチョイスだけど、ニコケイにはまだまだ幅も奥行きもある。
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ニコラス・ケイジが最もニコラス・ケイジだった映画はなんだろうか?と考えたくなった。この映画のニック・ケイジが脳内で対話する自分自身が『ワイルド・アット・ハート』のケイジに近いように、ああ、確かにあれはケイジ極まれりだったなと思うし、『フェイス/オフ』から『マンディ 怒りのロード・ウォリアー』まで、ちゃんと押さえてほしい映画のことはきちっとカバーしている。さすがニコケイをテーマにした映画だけのことはある。
ただ、エキセントリックさとは別の、たとえばひたすらに情けなくて切ない『ニコラス・ケイジのウェザーマン』みたいなしょぼくれヒューマンドラマの要素は薄い。確かにハリウッドスターとしてのニコケイに焦点を絞ると、全体のパッケージングがウェルメイドなアクションコメディになるのは当然のことだろう。
ただ、ニコケイはもっといろんな顔があるんだよなと贅沢な不満もいだいてしまう。なんならこの調子で、手を変え品を変え、ジャンルを変えながらもう2本くらい作ってくれないか。まあニコケイにしたら自分の再生産を続けるなんてたまったもんじゃないでしょうけれども。
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