劇場公開日 2023年1月20日

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「今週の本命にはなると思うけど、かなりの知識が要求されるので注意…。」ノースマン 導かれし復讐者 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0今週の本命にはなると思うけど、かなりの知識が要求されるので注意…。

2023年1月21日
PCから投稿

今年29本目(合計682本目/今月(2023年1月度)29本目)。

 この映画、ひとつの分野だけでなく、かなりの分野の知識が総合的に問われる、「総合的理解」が一つのカギになるかな…といったところです。そもそもが作話の範囲だからです。ただ多くの方が書かれているように、「北欧神話のあらすじ」「当時のイギリスと騎士等はどう扱われていたか」等の知識がないと結構厳しいです。特に前者、神話に関することは、映画では結構詳しく出てきます。何かしらファンタジーRPGをやっているかどうか、だけでもかなり違います。

 出てくる字幕も実にマニアで、聞いたこともないような単語がいくつか出てきます。英語を聞き取るしかないですが、普通に英検1級、準1級レベルの単語の話をするので結構きついです。

 少なからずの方が「量が多すぎて何がなんだか…」という字幕で押されてしまったのではないかな…といったところです。それはある程度想定できそうな気がします。かといって、私がいつも書くように「最低限これだけ」というのだっていっぱいありすぎるし…。せめて、何でもいいので「北欧神話入門編」くらいなものを読んでいるかいないかだけでもかなり違う印象かな、と思います。

 規模的にも今週の本命作になることは間違いないと思いますが、一方で理解の難しい映画であることも事実です。いろいろな知識を要求される「知的な枠」として数回見ることが想定されているのかな…と思うくらいです。

 日本で一般的に暮らしている方だと、程度の差はあれ、あの映画を完全に理解しきろうと思うと無理がくるし、どこかではつまります。それを埋めるのは字幕の聞き取りなどになりますが、そこも難しい(英検1級レベルの単語ばっかり出てくる…)という特殊な映画です。

 ただ、日本に「忖度」することなく、母国語でバリバリ、「当地としては常識扱いなのだろう」とも思える映画を作ったのは良かったなと思います。そしてこれに低評価をつけた方は、「なるほど、そういうことが映画の裏にあるのか」ということを学ぶ、そういた「正の連鎖」があると良いな、といつも思っているところです。

減点に関してはとくに見いだせないのでフルスコアにしています。

yukispica