「北欧神話に詳しければ、もっと楽しめたかも…」ノースマン 導かれし復讐者 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
北欧神話に詳しければ、もっと楽しめたかも…
先に観た「パーフェクト・ドライバー」がおもしろく、勢いに乗って本作をハシゴ鑑賞してきました。予備情報はなくキービジュアルだけで、屈強な男が悪の親玉を叩きのめすような話かと予想していましたが、そんな甘っちょろい話ではなかったです。
ストーリーは、9世紀の北欧のとある国で、父オーヴァンディル王を叔父フィヨルニルに殺され、母も連れ去られた、幼い息子アムレートが、父の復讐と母の奪還を誓って祖国を脱出し、バイキングの一員となって数年が過ぎた頃、仇のフィヨルニルがアイスランドにいることを知り、奴隷に紛れてそこに乗り込んでいくというもの。
簡単に言えばそれだけで、北欧で繰り広げられる復讐劇という、それ以上でもそれ以下でもない話です。曇天のもと、荒涼とした凍てついた大地、暴虐の限りを尽くすバイキング、彼らに売買されて労働を強いられる奴隷と、気分が沈むような暗い映像が終始映し出されます。当時は本当にこのような非人道的な行為が日常的に行われていたのかと思うと、恐ろしくなります。しかし、これが復讐に向かう重苦しい雰囲気を醸し出し、じわじわとお膳立てしている感じは悪くないです。
また、途中の会話に北欧神話に基づくと思われるオーディン、ヴァルハラ、ヴァルキリー等が出てきたり、預言者が登場してスピリチュアルな空気を醸したりと、当時の人々の信仰、思想、風習、人生観等を描こうとしているようで、その雰囲気が伝わってきたのはよかったです。北欧の方が観たら、本作の根底に流れるものにかなり共感できるのかもしれません。
とはいえ、北欧神話に疎い自分には、本作で描く世界観や当時の宗教や信仰のもつ意味が十分に汲み取れず、単なる復讐劇としか映らなかったのは残念です。また、さらわれた母へのこだわりが強すぎて、終盤で明かされる母の思惑も途中で読めてしまい、ストーリー的にも魅力は薄かったです。というわけで、北欧の自然や雰囲気を存分に感じさせてもらえたものの、作品としておもしろかったかと問われると、ちょっと微妙な感じでした。
主演はアレクサンダー・スカルスガルドで、鍛え上げた肉体で復讐に燃えるアムレートを演じています。共演のアニヤ・テイラー=ジョイは、強く美しいオルガを好演。脇を固めるのは、ニコール・キッドマン、イーサン・ホーク、ウィレム・デフォーら。でも、上映中はウィレム・デフォーに気づきませんでした。
momo8さん、共感&コメントありがとうございます。
レビューを上げておられないようなので、こちらに返信いたします。
北欧神話に疎い自分のような者でもわかるように、もう少し説明的な描写を入れてほしかったです。でも、そうしたらますます長い作品になってしまいますね。(^_^;)
パーフェクト・ドライバーからの、ノースマン…おじゃるさんと同じ順番で日曜の夜鑑賞(たまたまです)。途中まではワクワクでしたが、何度も睡魔にf(^_^;私も神話関係は疎いので、長かった(>_<)デフォーは判ったけど、ビョークが??預言者だったのね~。