「【”考えのすれ違い。”ミス・ワールド開催に反対した実話をベースにした作品。コメディって資料にあるのだが、様々なメッセージを込めた作品だと思う作品である。】」彼女たちの革命前夜 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”考えのすれ違い。”ミス・ワールド開催に反対した実話をベースにした作品。コメディって資料にあるのだが、様々なメッセージを込めた作品だと思う作品である。】
■1970年の英国が舞台。
学問をやり直すため大学に入学したサリー(キーラ・ナイトレイ)は、女性解放運動の活動家・ジョー(ジェシー・バックリー:彼女が一気に脚光を浴びた「ワイルド・ローズ」での歌には、感動したなあ。)に出会う。
彼女は”ミス・ワールド”を”女性解放に反するモノ”として阻止するための計画を練っていた。
その頃、ミス・ワールド開催に向け、世界各国から出演者が続々と集結していた。
◆感想
・私は、フェミニストではないが、かと言って”ミス・ナントカ”という大会を否定する気もない。何故ならば、男女問わずに美しい人を見るのは、喜びだと思うからである。
故に、”ミス・ワールド”=”女性解放に反するモノ”とするのは、どうかなあ、と思うんだよね。
■優勝した、グレナダ代表のジェニファー・ホステンが一人控室で余韻に浸っている所に、騒ぎを起こして警察に追われているサリーが逃げて来るシーンがある。
ここで、ジェニファーは”TVに映っていた人ね。私は白人じゃなくても、道は開ける事を証明したの。貴方はどう思う?”というニュアンスで問いかけるシーンが映されるのだが、サリーはその問いに上手く答えられないんだよね。
だって、ミス・ワールドに出場した女性達は、自分の夢を叶えるために自身の意志で出場しているのだから、彼女たちにとってはその場を妨害されるのは、困るのだよね。(実際に、映像でも皆がそう呟いている。)
<サリーやジョーの言わんとしている事は分かる。
けれども、ジェニファー・ホステンを代表としたミス・ワールドに出場した女性達の思いも分かる。
詰まりは、”ミス・ワールド”というイベントの捉え方の”考えのすれ違い。”を描いた作品ではないかな、と思った作品である。
因みに、一番達観していると思ったのは、司会をした実在したコメディアン、ボブ・ホープの奥さんであるレスリー・マンヴィル演じるドロレス・ホープだと、私は思ったな。
最後に、現在の(今作が公開された年の2020年の)彼女たちの姿と、現在何をしているかが映されるのであるが、皆さん良い顔をして、立派な仕事をしているんだよね。
若い時に何らかの理想を持って行動した人は、年を経てからそれが”人相”に出るのだなあ、とも思ったな。>