劇場公開日 2022年11月11日

  • 予告編を見る

「お坊さんって肉や魚を食べられないっていうけど、鰻、食べられないのね。」あちらにいる鬼 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

1.0お坊さんって肉や魚を食べられないっていうけど、鰻、食べられないのね。

2022年11月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ダメだ。共感できないまま終わってしまった。白木と言う、自分の罪業に一切の後悔をもたないろくでなしに溺れた、みはる。そのみはるも、まずまずのクズにしか見えない。愛という言葉をつかえば、なんでも許されるとでも思っている開き直りが、自分には耐えられない。
他人の物(旦那という意味で)を好きになってしまうことを責めたりしない。それを欲することも仕方がない。「不倫はいけないこと」は理解しているけど、それが人間だとも理解している。だけど、そういう関係になってしまう時でさえ、一抹の負い目を感じるものではないか。しかも、出家してさえも、愛欲を捨てきれない未練がましさ。そしてその一連の二人の行動を赦す妻の、"ずるさ"。世の中にこういう関係があることを否定はしない。愛は溺れるものだし。だけど、さもそれを美しいものと、世間に公にして憚らない破廉恥さに、共感の欠片も湧いてこない。鰻?お前ら、好きなだけ食っとけよ、って思った。

栗太郎