「満鉄小唄」あちらにいる鬼 カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
満鉄小唄
満鉄小唄を役者が歌う映画は久しぶり。
大島渚監督の日本春歌考を観た二人。
帰りがけにぶらぶらしながらトヨエツが歌う満鉄小唄。
芦屋小雁が兵隊やくざで、梅宮辰夫が日本暴力列島 京阪神殺しの軍団で、𠮷田日出子が日本春歌考で歌っているのに次いで4人目かと。
雨がショボショボ降るぱん(晩)に カラス(ガラス)窓から覗いてる まんてち(満鉄)のキポタン(金ボタン)のパカヤロウ(パカヤロウ)
さわるはゴチセン(五十銭) 見るはタダ
三圓五十銭呉れたなら かしわの鳴くまで ボボしゅるわ
上がるの帰るのどうするの
早くせいちん(精神)決めなさい 決めたらケタ(下駄)もってあがんなさい
お客さんこの頃、紙高い
三圓五十銭呉れたなら かしわの鳴くまで ボボしゅるわ
満州の朝鮮人娼婦をおちょくった替歌で、キングオブ春歌である。
瀬戸内晴美の自分勝手なみそぎ。
昭和40年の東京でボンネットバスはありえんな。わざと遠い昔の話にしたかったのか?
一方で、ユニットバスはピカピカで新し過ぎる。タイル張りの風呂だと時代にフィットした思うんだけど。
モーレツサラリーマンの時代。
東京近郊で団地建設が一番盛んだった頃。
団地のロケ地は滝山団地。初期から住んでいる人はみんな高齢者になって、階段の外に不恰好なエレベーター付けていたからわかった。時々車で通るから。
当時の文学関係の人たちは、みんなが必死だった時代にこんなことしてたのよ。嘘つきみっちゃんは小倉の生まれなのに満州出身と嘘ついていた。
あの頃、満州出身者の方がお勉強ができていい学校出て有名な人が多かった。山田洋次監督、加藤登紀子、なかにし礼など。
瀬戸内晴美が年下の元共産党員の社会学者みたいな題材を好んで書く作家を出版社が企画した講演会の時に騙されたふりして戴いてしまった。大正時代のアナーキストの伊藤野枝と大杉栄のスケールの大きな恋愛小説を書いていたころで、伊藤野枝になったつもりで意気投合して調子こいたんじゃないの?とアタシは思った。
作家同士と言えども、地味な不倫話しなので、映画化したからといって、おもしろくなるわけでもない。
妻の笙子は無駄口を叩く人ではない。あの時代の良妻賢母。娘に夫の悪口を言うこともなかっただろう。墓場まで持って行ったに違いない。
絢爛豪華な恋愛遍歴のあの人が耐え忍ぶ団地妻の役なのもピンとこない。
子供だった原作の井上荒野さんはよく分からなかったにせよ、この二人とても嫌いだったんじゃないの?
寺島しのぶ。なんか可哀想。
ホントに剃髪しちゃったの?
オールドパーのじいさんの感想ですので、皆さんは気にしないで観て下さいな😎