劇場公開日 2024年1月19日

「原作通りって大変ですね」ゴールデンカムイ バラージさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 原作通りって大変ですね

2025年7月1日
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鑑賞方法:映画館

単純

ストーリーもアクションも及第点ではあると思うし、原作はほんのちょっとしか読んでないからはっきりしたことは言えないけど原作にかなり忠実に作ってあるように感じた(監督が原作の大ファンらしい)。原作と変わったところで僕もわかるのは、アイヌ少女が原作のガキンチョから山田杏奈ちゃん(好演!)になったところだが、これは良い変更点。映画を観て思ったが、実写であんなガキンチョが弓矢の達人だったり大の男と同じ速さで走ったりするのは不自然を通り越して不可能だろう。その他の実写にしちゃうと非現実感が強くなりそうなキャラクターたちもぎりぎりリアリティのあるラインで創り上げたスタッフもすごいし、それを演じる俳優陣もみな好演だった。

いまいちなところとしてはやっぱりCGがなあ。アクションシーンも結構CG使っちゃってる。まあ、しょうがないっちゃしょうがないけど、長年ジャッキー・チェンやトム・クルーズの本物アクションを観てきた身としてはねえ。それ以上に、うーん……なのが動物CG。特にデカい狼がもろCGなんだよなあ。これもしょうがないんだけど熊と狼の戦いなんてCG対CGだから観ててなんだかなあと思ってしまう。主人公の超回復能力に何の説明もないのも首をひねるところ。原作でも説明されてないのかもしれないが、魔改造でもしないとあんなのあり得なくないか? 漫画ではありがちなネタだが、実写にするとご都合主義の極みみたいに見えてしまう。

全体的なストーリー展開も、おそらくは原作に忠実であり過ぎるがゆえに悪くはないが突出した面白さでもないという程度にとどまってしまっている。多少原作を逸脱してもいいから何かもうちょっとフックになるようなエピソードを入れても良かったんではあるまいか。なんというか一生懸命原作をなぞっているようで、物語の印象がツルツルで心に引っ掛かるところがない。

そして1番がっかりしたのが、終わり方が完全に「次回につづく」だったこと。えー!?これで終わり!?という終わり方で、第一部完どころか第一話終わりみたいな序章が終わっただけという感じ。しかも最後の最後にそれまで出てこなかった人たち(有名俳優)がずらずらと1秒程度の台詞無し顔見せ出演するから、もう完全に続編ありきになっている。個人的には映画というのは1作で、ある程度は完結してほしい。2000円近くも払ってこれで終わりかよと思ってしまった。

バラージ
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