「雄大な映像とろばの名演技は良いけれども、物悲しい」EO イーオー てつさんの映画レビュー(感想・評価)
雄大な映像とろばの名演技は良いけれども、物悲しい
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ろばが荷車牽いても軽やかに進む姿は、『小さな麦の花』でもあった。サーカス小屋から様々な世界を転々とするのは、『ダンボ』や『エレファント・マン』を連想した。可愛がってくれた人間を慕い、動物の命を粗末にする人間には一撃を食らわせたり、野性を求める姿は、『野性の呼び声』にも似たところがある。牛たちとともに屠殺場へと誘導路を進む姿は、『テンプル・グランディン』の発案にも描かれていた。ドローンにより、小川から森の宙空を駆ける映像は雄大だったが、赤い光は、ろばにとって刺戟的ではなかったのだろうか。虐待はしなかったといっても、たばこの煙は害ではなかったのだろうか。にんじんや藁を食べなかったり、ぐったりと寝込んだり、様々な仕草の場面は、ろばの名演技ということなのだろうか。
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