「ロバ主人公のスコリモフスキ監督の新作」EO イーオー たいちぃさんの映画レビュー(感想・評価)
ロバ主人公のスコリモフスキ監督の新作
イエジー・スコリモフスキ監督の新作なので、日本公開日(5月5日)にHTC渋谷で鑑賞。
ロバの眼を通した見た世界が描かれているようで、ロバに見られている自分を感じるような映画であった。
ロバが主人公の映画…と言えば、すぐに出て来るのはブレッソンの『バルタザールどこへ行く』だが、バルタザールでは1頭のロバが様々な飼い主を転々としていくが、本作もそれに近い。
本作では、EОと呼ばれるロバはサーカス女性カサンドラに可愛がられるが、その後転々と様々な人たちと接することになる。そして時々、可愛がってくれたカサンドラを思い出す。
このカサンドラを演じた女優は、ちょっとだけエル・ファニングに雰囲気似ている感あり。
また、本作はアチコチで「う~ん、映像美!」というシーンが多々あり。
『2001年』スターゲートを想起させられる場面なども印象的。
EОはサッカーやトラック運転手に運命的な作用をしているかに見えたりするが、サッカー場面では「♪チームカラーはわれらの誇り」とか「♪青と白が勝利をつかむ」などというチャントが、個人的に気になった。
明日(2023年5月6日)、3度目のアジアチャンピオンを目指す浦和レッズの対戦相手アルヒラルのチームカラーは青。ちょっとタイミング的に「青い方が勝利をつかむ」などと勝手に伝わって来て困った(笑)
奇しくも、5月5日はスコリモフスキ監督の誕生日。映画会社としては「金曜日だし、GWだし、…丁度いい」という感じだろうか(笑)
さすがスコリモフスキ監督、なかなかの佳作。
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