別れる決心のレビュー・感想・評価
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胸が締め付けられる映画だった…
ここより永遠に
パク・チャヌクのカメラは、
人物の顔の、
頬の筋肉の少しの緊張、
鼻の穴の動き、
口角の上げ下げもミリ単位、
痙攣レベルまで表現として捉えていきます。
口から発したセリフは、
真実なのか嘘なのか、
半分が嘘なのか、
解釈する人(観客)の、
生まれ、育ち、体験、思考によって、
意味は黒にも白にも変わります。
※各シーン、
全カットにアイデア、意味があります。
その操作技術は緻密で繊細ですが、
野蛮さ大胆さは、鬼というか悪魔というか、、、やはり解釈によって変わります。
あわれみ、クムジャさん、オールドボーイを、思い出しました。
この悪魔感に神が絡んできたのが、
渇き、でした。
居酒屋でよく話したものです。
ポン・ジュノがサリエリなら、
パク・チャヌクはモーツァルト。
今回なら
モーツァルトとマーラーか。
ポン・ジュノがマイケル・コルレオーネなら、
パク・チャヌクは、
ビトー・コルレオーネ。
ポン・ジュノがクラッシュなら、
パク・チャヌクはスッポン。
ポン・ジュノがケンシロウなら、
パク・チャヌクは、ラオウ。
(イ・チャンドンはトキ、ナ・ホンジンはアミバ、、、居酒屋でのつまらない会話です。)
※ズラウスキへのオマージュらしい青いドレスの女等『渇き』の感想で書いたのでここでは割愛します。
崩壊、プサンに死す、
地上より永遠に
ソレが分かりにくい
へジュンがソレに惹かれる描写はストレートなのに対して、ソレのヘジュンへの想いがちょっと分かりにくいです。
殺人と話が絡んでいるので、影のある殺人犯とごく普通のひとり女性を描くのは難しいと思います。2人の旦那とのやりとり(関係)については、また別の人格が見えてくるので、そこが分かりにくい原因ではないかと思います。
あと、殺人については、もう少し謎めいていてもよかったかなと思います。
氷の微笑のような謎な女なのか愛に生きる女なのか、どっちかに振ってもよかった気もします。どちらも中途半端な感じがありました。
惚れてまうやろー!!
純愛女とフィルム・ノワール男
韓国映画の骨太な展開力は言わずもがな、繊細な演出にうっとりする。ヘジュン刑事とソレが取調室で高級な寿司を食べるシーンが印象的だった。寿司を食べ終えた二人が夫婦のごとき阿吽の呼吸で机の上を片付けるシーン。ほんの些細な描写だが、これから起こる破滅的な不倫劇をコミカルかつクリティカルに予示している。携帯や腕時計やApple Watchといったデバイスの運用も見事なものだった。
錯綜に錯綜を重ねながら破滅へと転がり落ちていく脚本、首の皮一枚でギリギリ意味が繋がり合う物語構成はいかにもパク・チャヌクらしい。しかし彼は『親切なクムジャさん』『オールドボーイ』のような、どんでん返しのカタルシスで強引に魅せるやり方からは既に脱しており、丁寧かつ丹念に疑惑と憂鬱の楼閣を築き上げていく。そしてそれは出口を見出せないままエンドロールへと暗転する。そういう意味では韓国映画らしくない韓国映画だった。
全体的にシリアスな色調ではあるものの、不意に挿入されるザクロやスッポン等の小道具が張りつめすぎたサスペンスにほんの少しの抜け感を与えていた。
探偵や警察といった「謎解き役」的職業に従事するハードボイルド・ガイが謎多きファム・ファタールに翻弄されるという構図は、40〜50年代ハリウッドのフィルム・ノワールを彷彿とさせる(というか直接的な参照項だろう)。ただ、本作の場合、ファム・ファタールは最後までハードボイルド・ガイの所有物にならない。
言ってしまえばフィルム・ノワールというのは男のマッチョな欲望を満たすための、メチャクチャ出来のいいAVみたいなものだ。素性の知れない美女に振り回されることでまずマゾヒズムが刺激される。そしてそれが女に対するミソジニー的苛立ちに変転する寸前で、美女の謎が暴かれる。武装解除された美女はなす術もなく自らの心も体も主人公に捧げる。そして最後は主人公が女のために重傷を負ったり命を落としたりする。エロスを突っ切ってタナトスまでをも満たす贅沢っぷり。アメリカ人俳優としては背が低く、見目もそこまで優れているとはいえないハンフリー・ボガードがフィルム・ノワールの代表的名優となり得たのも、まさにそのルックス的な敷居の低さ(=自己投影の容易さ)が理由の一つだといえそうだ。ゆえに受け手は作品のマッチョ的快楽に心から没入できる。
ヘジュンもまたこうしたフィルム・ノワールに内在する「男の欲望」を強く抱く人物だ。しかしその欲望は終ぞ完全に実現されない。仏閣でのデートのあたりまではほとんど完璧なフィルム・ノワールの作法を踏襲していた物語だったが、以降は気まずい肩透かし、掛け違えが次々に起きていく。
たとえばソレの2番目の夫。こいつは本来ヘジュンがどうにか片付けるべきだった人物だ。「寝取られ」という屈辱を面と向かって味わわされたのだから、ソレは全力でこいつを叩きのめしてやる必要があった。しかしそうするより先に2番目の夫は何者かによって惨殺され、晴らされぬ屈辱だけが中空に漂い続ける。ますます謎を深めていくソレに対するヘジュンのミソジニー的苛立ちは、妻やちんちくりんの女刑事への無視や無関心として露呈する。
あるいは深夜の山上でヘジュンがソレと共に彼女の母親の遺灰を撒くシーン。山上、男、女という構成はソレが1番目の夫を禿山の頂上から突き落とした冒頭シーンを思い起こさせる。ソレに背を向けて遺灰を撒くヘジュンも、もちろんそのことを知っている。知った上で彼女に背を向けている。ソレが次第に近づいてくることを悟りながら、ヘジュンは一瞬覚悟したような表情を見せる。そこには「女のために死ぬ」という彼のタナトス的欲望が映し出されている。しかしここでも彼の欲望は満たされない。ソレはヘジュンを優しく抱きしめ、2人は熱い接吻を交わす。
ラストシーンでは、ソレが生き埋めにされた砂浜の上を、ヘジュンがその名を叫びながら彷徨する。ソレがなぜ彼のもとを去ってしまったのか、という点にはさまざまな議論がありそうだが、私はヘジュンが徹頭徹尾フィルム・ノワール的な思考体系から抜け出せなかったことが原因にあると思う。
ソレは最初からヘジュンのことが好きだった。それだけだった。そこに勝手に疑惑を持ちかけ、勝手にファム・ファタールの幻影を見てとったのはヘジュンだ。ソレもそのことはよくわかっていて、だからこそ彼の関心を引くべく謎めいた女を演出し続ける必要に駆られた(「あなたの未解決事件になりたい」というセリフが好例だ)のではないか。しかしヘジュンは気がつかない。フィルム・ノワールの文法に従って相手を都合よく幻想化するばかりで、彼女それ自体を見ようとしない。だから彼女を失った。
これは純愛女とフィルム・ノワール男の滑稽で悲痛なすれ違い劇なのだと私は思う。
後半作るの飽きた?
これぐらいは描いて欲しい
「ありがちな話だな」と思って観てたの。刑事が容疑者に惚れるっていう。
それで刑事が容疑者を見逃す決断をするのがすごいね。
「いやー、そうきたか」と思って観てたら、そこから更にもう一つ事件を起こす。ここは、本当に凄い。
『あなたに会うにはこうするしか』って「八百屋お七かよ」って感じなんだけど。
この二人、寝ないんだよね。
刑事は奥さんとは寝てるんだけど、容疑者とは寝ないの。だから奥さん出てくんだな。
本当に愛し合ってるってたち悪いでしょ。
『同じ刑事の管轄で、前の亭主と今の亭主が死ぬ。それを聞いたら「なんてすごい偶然なんだ」と言うでしょう』に『私なら、なんて可哀想な女だと言う』はメチャクチャ良かった。
ハッピーエンドで終わらせられる話ではないから、ラストはまあ納得。
でも、そこをひっくり返して、なんとなくハッピーエンドかなというところにもっていく技が観たかったよ。
霧のように掴めない話
分かりにく、、
男の願望としての「崩れて・壊れる」
これまでパク作品とちょっと違いました
日本人じゃないが為に,面白味を感じ取れた気がしたぁ〜( ͡° ͜ʖ ͡°)
悲しい女性の物語
悲しい女性の物語。
堅物なエリート警官と夫殺害の嫌疑を掛けられた異国の未亡人。2人の出逢いと別れを警官の心情を交え描く。
彼女の立場、その美貌と行動により疑念の先に導かれ残されたものを巡る心の葛藤がとても切なくやり切れない想いをのせ描いていく。
そして決別を告げるシーンの言葉の重みがラストでその深さを思い知らされる。とても心の中に残るシーンでした。
何で???って考えなければ良い映画。なん?
タン・ウェイの魔性ですよ。コレにやられたw
画が素晴らしいです。台詞回しも韓国映画ばなれしてて惹き込まれます。と言うか、ドン引きしてしまう場面が一つ二つはあるのが韓国映画の常ですが、それが無いってのはポイント高い。推理物の建て付けもしっかりしてます。
だけどだけどだけど。
そもそも論に帰着するんですよ、韓国映画らしくw
そもそもが、ソン・ソレが母親を殺してまで韓国に来なければならなかった理由からして分かりません。旦那を手の込んだトリックで殺す動機も分かりません。再婚の経緯も、再婚旦那を殺す手の込んだ謀略も、何でそんな事しなきゃいけない?で、ちんぷんかんぷんどす。
Detailは良いんですよ、凄く。でも根底の概念部分が、訳わからなさすぎだすw
何か、良く感じるんですよ、韓国映画見てると。日本の70年代的な臭いとか、泥臭さとか、混沌とした不格好さとか、内省的なひとりよがり感とか。
そんなヤツが一塊になって、現代の映像化技術で劇場用映画になった、てな映画でした。
タン・ウェイの魅力に騙されるけど、やっぱり韓国映画は、何か変ですわw
巨匠の作品なんですよね、でも。コレが。
ワタシにゃ、分かりませんでしたw
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