劇場公開日 2023年2月17日

  • 予告編を見る

別れる決心のレビュー・感想・評価

全145件中、1~20件目を表示

4.5パク・チャヌクの歪んだユーモアが弾けた笑えるノワール

2023年2月28日
PCから投稿

映画の冒頭シーンから、どことなくシュールな可笑しさが漂っていて、ああ、パク・チャヌクという人は凄惨な映画を作るイメージがありつつも、常に変なユーモアを忘れない人だったよなと再認識。とにかく主人公男女の駆け引きが、バシバシと駒を叩きつけながら詰将棋をしているような感覚があり、特にタン・ウェイの男を翻弄しつつ惹きつける仕草の数々が、名人芸につぐ名人芸で、怖かったり笑ったり、やはり目が離せない役者だなと感心しっぱなし。全体の7割方は謎めきつつも笑えるコント、という見方が正しいかはともかくとして、パク・チャヌクの歪みがとてもオープンな形で現れたエンタメだと思う。

ただハングルと中国語話者の間のコミュニケーションのズレみたいな部分はどうしても字幕では伝わらりづらく(どっちの言葉もできるといいんですが)、吹替版がどう処理しているのかは気になるので、比べて観てみたい。

コメントする (0件)
共感した! 11件)
村山章

4.0アイディアに貫かれた緻密な映像設計が、白昼夢のごときストーリーを奏でる

2023年2月26日
PCから投稿

「パク・チャヌクといえばバイオレンス&ビザール」という僕のこれまでの低レベルな認識を、本作ははるか雲の上をゆく作家性と芸術性とでものの見事に覆してしまった。この映画には驚くべきアイディアで貫かれた映像設計があり、例えば取調室のカメラワークであったり、双眼鏡で覗いた先に自分の意識が入り込むくだりなど、パク・チャヌク流のギミックを感情表現の軸としながら、一つ不可思議なラブストーリーがおぼろげに形をなしていく。登場人物たちは互いの心を読み合いつつ、なかなか本心を語らないが、彼らの駆使するディバイスはいつも正直過ぎるほど正直だ。しかし一周も二周も回って、やっぱり真相というものは人間の内部にこそ刻まれているのかも。血は流れない。バイオレンスもない。だが時に暴力すぎるほど我々を波で洗い、白昼夢のように茫然とした気持ちにもさせる。ヒッチコックの『めまい』を彷彿とさせる斬新で儚いミステリーがそこにはある。

コメントする (0件)
共感した! 8件)
牛津厚信

3.5A Mature Film from Park

2023年1月19日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

Korea's most popular shocking thriller auteur presents his new grown-up film. The tale of a detective and his conflicted affection for a murder suspect, the story is elevated by Park's skill to show with scenes rather than words. Tang Wei's glamorous appearance is the latest on-screen crush. A little long and with many sides, it's not the most streamlined watch from Park; but it is a proper movie.

コメントする (0件)
共感した! 7件)
Dan Knighton

3.5心理戦

2024年4月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

タン・ウェイ、ラストコーション以来みました。相変わらず魅力的です。

ふたりの恋愛の心理戦が犯罪の心理戦と上手く交差していて、泥沼にはまっていく過程が深い海の様に描かれていました。

チャンが冷めた妻との義理セックスより、プラトニックでもソンに惹かれるのは分かりますね。やはり人間は飽きる生き物ですし、新しい刺激を求めますから。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
ミカ

3.0霧の中に消えていきそうな真実と愛

2024年3月29日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

アマゾンプライムに入ってきたので早速鑑賞。テレビでじっくり観る分には少し集中力が必要で、自分には合わなかった印象。愛とサスペンスのシーソーの成れの果てに見るものは…。

仕事を始めてから思うのは、プライベートと仕事の線引きをどうするべきなのか。この作品で例えるには少し踏み入り過ぎではあるが、実は曖昧であり、自分自身で引く。そこを愛で引こうとするために、危うくも不可侵な世界に落ちていく。それを刑事と容疑者の二項で描くのだから、ただでさえ不穏であり、恐ろしい。

ただ、回想に飛びながら軸を正していく見え方がどうも自分には合わなくて、没入感にどこか欠けた。すれ違う中で見えてくる事実は何処か正しくなれないのは、霧の中に二人を見ているからだろうか。邦題のタイトルも言い得て妙でラストシーンにも納得した。

周りの人が見ても分かるほど狂っていても止められないのが愛の性。疑っていたものは犯人像なのか愛なのか、何度も観たくなる気持ちも分かる作品だった。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
たいよーさん。

2.0イマイチ

2024年3月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

役者の演技力に頼るしかない映画だと思う。
その意味では、女優は魅力に欠け、男優は演技力に欠ける。
私にとっては観るに値しない映画。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
ぜんじん

4.0愛らしいお二人

2024年2月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

この2人は一体何をしてるのだ?と終始ツッコミたくなる、なんだか可愛らしく思えるやり取りばかり。

パク・チャヌク監督作は初めてで(そもそも韓国映画をあまり観ない)、ちょっと構えていたけど、これはとても観やすかった。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
りんごあめり

4.5「崩壊する」男(と女)の物語

2023年12月28日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

難しい

萌える

WOWOWで2回も観ちゃった。
タイトルだけでは危うく見逃しそうになる作品。原題を直訳しただけの地味な邦題、映画の中では一度ソレが言うけど、良く出てくる「崩壊」を使った方が効果的だったかも。
サスペンス・ミステリーのフォーマットを取ってるが、コレは恋愛映画。捜査対象を好きになってしまう、というテーマはままある。相棒の陣川君とかね。
ソン・ソレは、美人だけど地味で控え目、だけど何とも言えない色気と蠱惑的な魅力があって魔性の女感ムンムン。プサンのエース刑事ヘジュンも優秀で真面目な愛妻家だけど、どこか脆さがあって、絶妙のキャスティング。日本版を演るなら、仲間由紀恵と眞島秀和かな?
わりとすぐに恋に落ちちゃうンだけど、そこからの二人の距離感と、刑事の葛藤、物語が二転三転するところ、長丁場を全く飽きさせない。最後まで予測のつかない展開だった。
韓国語が苦手という設定と、翻訳アプリ、フェンタニル錠、スッポン、不眠症など小物や設定の散りばめ方が上手く効いている。特に印象的だったのが、エンディングにも使われた「霧」。妻の勤務地で後半の舞台でもあるイポの町を覆う霧、最初の事件現場に戻った二人を包む霧、そしてソレがおばあさんに教えた歌「霧」。
最後まで、ソレはヘジュンを愛してたのか、利用してただけなのか、行動に辻褄が合わない気がするけど、大人の恋愛なんて本当に好きかどうか本人も割り切れないほど曖昧で、矛盾した行動も取ったりするので、かえってリアルに感じられた。
この映画、好きだ。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
あらP★

2.5タン・ウェイは美人

2023年12月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

山の上から転落死した男の捜査をする刑事が、死んだ男の妻を調べるうちに、その未亡人に惹かれていく。
そして、別の男が殺される事件が発生するが、その妻も同じ女性だった。刑事は「女性への想い」と「彼女が殺したのでは…という思い」により、だんだんと自分を見失っていく……というドラマ。

この刑事が惹かれていく女性を演じているのは『ラスト・コーション』のタン・ウェイ。確かに美人である。
本作では、中国から韓国にやって来たので韓国語はやや下手という設定。スマホを使って中国語を韓国語に翻訳させたりする。現代っぽい。

一人目の転落死は、増村保造×若尾文子の大傑作『妻は告白する』にやや似ているものの、本作はかなり詰めが甘い。

サスペンス/ミステリーにカテゴライズされている作品であるが、個人的には緊張感の持続が足りない感じがしたパク・チャヌク監督作品。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
たいちぃ

4.0些細な描写がいい

2023年12月9日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

安っぽいメロドラマになりそうな題材を奇妙な緊張感のある作品に仕上げている。
男女の接近を些細な動作やシチュエーションで表現していていい。
ただ、再現の中に人物が登場する演出は混乱しそうになっていただけない。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
ドラゴンミズホ

3.5好きになったのは

2023年10月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

刑事物や推理物を好きなのだが、刑事や探偵に求めることの一つに関係者と情事をしてはいけないというのがある。それはDetectiveの倫理観を揺らいでしまうから。

そんなあなたが…だったら。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
mikyo

4.0巨匠の遊び心

2023年10月11日
PCから投稿

パクヘイルのおっとりしたぼっちゃん顔に油断する。が印象に反してギラギラしている。グエムル漢江の怪物の霊前のシーン覚えていませんか。娘が怪物にさらわれて、まだ生きているのだが行方不明なので葬儀をやっている。そこに叔母のドゥナと叔父のヘイルがやってくる。叔父は姪を愛しているけれどだらしないカンドゥ(ガンホ)のことは嫌いなんだ。パクヘイルがすごく巧いシーンだったし大仰な悲嘆が韓国らしくて印象に残った。
パクヘイルには穏やかな顔付きに相反する情念がある。

過激描写を封印したと評されるDecision to Leave別れる決心だがパクチャヌク監督自身はインタビューに答えて──

『実のところ、今回、観客の皆さんから『ずいぶんロマンティックな映画ですね』などと言われ、これまでのパク・チャヌクの映画とは変わったとおっしゃる方も多いことに驚いています。というのも、私の中では、あくまでもこれまでの作品の延長線上だからです。そんなに大きく変わったかな?というのが、私自身の正直な見解なんですね。もし今までの作品から変わったところがあるとすれば、それは感情表現の仕方においてだと自分では思っています』
『過去の私の映画では、登場人物たちは自分の感情をはっきりと、果敢に表現してきました。しかし本作の登場人物は、いつも我慢し、抑制している。自分の感情を率直に表現することを躊躇している点が、過去の私の作品とは違うような気がしています』

──と述べたそうだ。

パクチャヌクと言えばいびつでまがまがしく暴力的で残酷で猥雑で──というイメージがある。じっさい復讐者に哀れみをオールドボーイクムジャさん渇きやお嬢さんなど主要作品がそのイメージを踏襲している。だから本作のソフトタッチに「過激描写を封印した」という評が付いてまわることになった──わけだった。

が、根底でうごめいている過激さは感じとれる。確かに絵はソフトになっているけれどパクチャヌク節が生きていて、個人的には変わったという感じはしなかった。よって当人の言う『これまでのパク・チャヌクの映画とは変わったとおっしゃる方も多いことに驚いています。』の懐中がわかる気がした。

密度の高い映画で行間に情報量があふれている。映画的遊び心の横溢という感じ。
刑事が蠱惑的な容疑者に惹かれていくという単純な話だが情報にあふれまったく単純な話には見えない。古典的な手触りの映画と思わせながら絵や技巧は斬新そのものだった。

チャヌクはリトルドラマーガールやスノピアサーなどのドラマで海外仕事が増えていたときホームシックにかかって鄭薰姬(チョンフンヒ)が歌うヒット歌謡曲「霧」を聴き、その寂しげな歌詞からこの話を思いついた──とのことだった。
タンウェイが魔性を体現しているがチャヌクによるとLust, Caution(2007)を見て彼女にあてようと書いたものだそうだ。たしかにタンウェイじゃなきゃだめな役だった。

imdb7.3、RotttenTomatoes94%と86%。この回(75回2022年)のカンヌではTriangle of Sadnessがパルムドールをもっていったがパクチャヌクは監督賞をとった。チャヌクの監督賞は完全にうなずける。すべての構図が絵画じみているし、サウンドもいい。洗練された贅沢な時間を過ごすことができる“大人”の映画だった。

表現に共鳴した海外評にこういうのがあった。ガーディアンの評者で──
『危険なほどハンサムな映画撮影、遊び心がありながら正確で、レイヤーと反転した鏡像でいっぱいである。魅惑的で曲がりくねった犯罪ドラマ』

コメントする (0件)
共感した! 1件)
津次郎

2.5❇️実は難易度高めのコメディーなのか⁉️

2023年8月25日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

楽しい

難しい

別れる決心

🇰🇷韓国 釜山

登山で崖から転落した男。
事情聴取をされる妻。

妻の張込みや聞き込みを担当する刑事と部下。

事情聴取をする内にお互い特別な感情が湧く男女。

◉60D点。
★彡正直二人が惹きつけられるカタルシスがやや薄めで感情移入ができなかった。⤵️

❇️実は難易度高めのコメディーなのか⁉️
🌀こんな恋本当にあるんだろうか⁉️
それともただのコメディーなのか⁉️
サスペンスなのか?ラブストーリーなのか?コメディーなのか?絶妙に混ざり合い、異質な作品に感じた。

🟢感想
1️⃣前半やや退屈。中盤伏線回収でラストへ

2️⃣中盤に展開はあるものの、焦らし、焦らされる。★彡なんかどうでも良くなってくるけど、結末は知っておきたいが為に鑑賞。

🤫🤔🥱🫂📲❤️‍🩹

コメントする (0件)
共感した! 1件)
シネマを喰らう

0.5何も伝わってこない

2023年8月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

私の感性がおかしいのかも知れませんが、今までに観た映画でこれほど何も伝わってこなかった作品は久しく無かったと思います。普段はどんなにつまらない作品でも、「ここが悪い」とか「こうすれば良かったのに」とか、悪いなりにも何かしら感想が出てきそうなものですが、この作品からは何も伝わってくるものが無く、物語の展開に全く興味がわかずに約2時間ボーっと画面を眺めてました。なので観終えたばかりなのに、あらすじすら覚えていません。恐らくは、主人公の二人に共感するものがないというか魅力を感じなかったのだと思います。

それから、作品の善し悪しには関係ありませんが、韓国映画を観ててよく思うのは、登場人物の名前が頭に入りづらく、セリフの中で名前が出てきても、誰が誰だか分からなくなります。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
alias

3.0コレは、ラブストーリー

2023年7月30日
iPhoneアプリから投稿

 サスペンスというより、ラブストーリー。観ていて、事実なのかどちらかの空想なのか妄想なのか、よくわからなくなる。
 被疑者に好意を持ってしまう刑事、結局真相がわかった段階でも、見逃している。ダメでしょ!韓国映画あるあるの駄目刑事映画か。とも思えてきた。一応自殺ということで解決したとはいえ、被疑者として取り調べまでした人物とデートしたり、お互いの家に行き来するなんて、どうなの?好きになってもそこは理性で抑えないと。
 別れることにして妻の元に引っ越したのに、そこに再婚して現れた彼女。その新しい旦那さんも殺される。実際に殺してなくても殺されるように仕向けているし、犯人の母親、殺してるってことだよね。とんでもない悪女。
 ラストの彼女のけじめの付け方はなかなかスゴい。ただスコップではなくバケツなのね。潮が満ちて砂がながれていくなきを必死に探す場面。なかなかいいラスト。
 もう2回ほど観たほうがこの映画は面白いのかも。ただ繰り返し観るエネルギーはないな。

コメントする (0件)
共感した! 8件)
アンディぴっと

3.5情景ごと後を引く危ういもの同士のとりあわせ

2023年7月28日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

本作はとにかく観ていてじれったくてしょうがない。
とっくのとうに取り調べの刑事と容疑者の関係から、男と女の精神状態になっているのに。

どこかで男として見られたい、女として見られたいと思うから、お互いの立場を忘れてしまう。
そこを奥手を装って、奇妙な均衡を保とうとするから、いらつくのである。
言ってしまえば、己の職務を忘れた刑事と夫殺しの容疑をのらりくらりとかわす、容疑者にすぎないのに。

でも、パク・チャヌクはそこを執拗に描くのである。
執着か愛着か、愛情か恋愛か、その微妙な揺れを描いてやまないのである。
そこに人間の本質が見えてくるかのように。

男を演じたパク・へイルは、「殺人の追憶」で演じた都会的な刑事がそのまま年取ったような危うさ。
女を演じたタン・ウェイは、「ラスト・コーション」の妖艶な女スパイさながらに、魔性の女の危うさ。
危ういもの同士のとりあわせは、いらつきとじれったさのなか、情景ごと後を引く。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
ジョー

3.5ミステリーに見えた前半はおもしろかった。

2023年7月28日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

そう感じたか方が多かったようですが、はじまってから
しばらくはミステリー仕立て、伏線かなという描写も
あって、その後の展開を楽しみに見てました。ところが、
途中から、いい年をして煮えきらない大人のラブストーリーの
様相に。よく知らないのですが、いわゆる韓流ラブストーリーって
こんな感じなんでしょうか? 昭和の日本映画の匂いが
ぷんぷんしてますね。しばらくは我慢してみてたのですが、
そこからは、ストーリーを追うのがめんどくさくなって、
映像を楽しんでました。もっと、ミステリーに振って欲しかったな。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
tochi06

3.5五里霧中

2023年7月26日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

興奮

知的

岩山から転落した男の不審死事件。自殺か、他殺か…? 刑事のヘジュンは男の妻ソレに疑惑を抱くが、両者共に惹かれ合っていく…。
このようなストーリーやプロットは古今東西にある。例えば『氷の微笑』など。
それをどう二番煎じにならず見せるか。本作の監督はパク・チャヌク。ならば期待するのは過激なバイオレンスやエロスの描写。ましてやヒロインは『ラスト、コーション』のタン・ウェイだ。
刑事と容疑者の立場でありながら、禁断の関係へと深みにハマっていく…。度肝を抜いた『お嬢さん』の性描写再び…。
が、ある意味驚いた。チャヌクの作風でもあるバイオレンスもエロスもナシ。一体どうしたというのだ、チャヌク…!?

インタビューで、今回は必要なかっただけ、と、さらりと言ってのける。
これを筋金入りのファンは期待外れと見るか、新境地と見るか、人それぞれだが、個人的には新境地と見た。いや、その手腕はますます冴えたものに。
唯一のバイオレンス/グロ描写はハエが群がる死体ぐらいだが、特筆すべきはエロスの描写。“官能描写”と言った方がいい。
直接的な描写はほとんどナシ。終盤も終盤にキス・シーンがあるくらい。劇中の二人の視線、表情、仕草、醸し出す雰囲気や距離感…ふとしたそれらが堪らなく官能的なのだ。パク・ヘイルとタン・ウェイの名演も大きい。
もはやエロスを描くのに直接的な絡みをわざわざ描かない。そんな匠の域にまで達しているのである。

官能的でありつつ、終始ミステリアス。ユーモアも孕む。
知的で複雑のように見えて、主軸は実はシンプル。オチも意外なほど呆気ないもの。
それをまるで劇中の如く霧の中を彷徨わせるかのように、見る我々を翻弄させる。
現実、妄想入り乱れ。
分かったような分からないような、奇妙で独特。その感覚すら何とも心地よい。
この韓国の鬼才は、やはり只者ではないと改めて心底思わせる。

コメントする (0件)
共感した! 14件)
近大

3.5後味の悪さ最高潮

2023年7月24日
Androidアプリから投稿

中国からあの?タンウェイを招待して、この作品かよ!過去の作品と比べると地味ではある、血は流れないしエログロ無し。が、異常な緊張感が最後まで継続。こんなキャラ、観たこと無いよ?前作、お嬢さんは頭がいたくなったけど、まだまだ健在!

コメントする (0件)
共感した! 1件)
sanojapan

4.5実力

2023年7月21日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

ラブロマンスというより人間ドラマ。
職務で知り合った人とは業務でしかつながらない感じ、
なんとなく分かるわぁなんてしみじみしちゃった。

ドラマの線もミステリーの線も、そしてロマンスの線もしっかりしつつ
それでいてどれもが交差しあう上質な作品。
撮り方にも工夫がちりばめられていて、最後までどっぷり引き込まれた。
本当に実力のある作品だと思う。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
mar