劇場公開日 2023年2月23日

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逆転のトライアングルのレビュー・感想・評価

全182件中、1~20件目を表示

3.5お下劣上等、最後までキレッキレの風刺劇

2023年2月24日
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鑑賞方法:映画館
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ニコ

4.0権力が自然発生する過程

2023年4月30日
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鑑賞方法:映画館

権力についての鋭い洞察を見せてくれる作品だった。豪華客船が沈没して無人島と思しき場所で漂流生活をすることになった連中の権力構造が逆転する。サバイバルスキルを持ったトイレ掃除の女性が権力者となり、資本主義社会では権力者だった連中がひざまずくことになり、性的な搾取も行われる。
人は誰しも権力に溺れるといえば簡単に聞こえるのだけど、あの状況では彼女に付き従うのが生存戦略として最も正しいことは確か。人は結局のところ、一人でサバイバルできない存在なので、あのように寄りあいながら生きるしかなく、そうすると権力のヒエラルキーはどうしても発生してしまう。
リューベン・オストルンドは人間の生態観察の達人だ。しかも現代の人間の奇妙な矛盾を突くのが上手い。「フレンチアルプスで起きたこと」のきまずい人間ドラマも『ザ・スクエア』の現代アートをめぐる滑稽な状況も、どうにも人間社会が複雑化しすぎておかしくなっている様をあぶりだすのが抜群にうまい作家だ。一体全体、我々は何をしているんだろうみたいな気持ちになるんだけど、このおかしな状況に慣れてしまっている僕らは相当に狂っているんだろうな。

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杉本穂高

4.0社会の実験劇場、あるいは思考のテーマパーク

2023年2月27日
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147分の作品なのに全く長さを感じない。いざこの乗り物に乗車したなら息つく暇もないほど翻弄され、これまで考えもしなかった境地へ連れていかれる。その意味で、オストルンドの手がける作品のことを思考のテーマパークとでも呼びたいほどだ。冒頭のレストランでカップルが交わすダイアローグほど間に挟まりたくないものはないし、階級社会を凝縮させたあの豪華客船にだって絶対に乗りたくない。嫌だ嫌だ、と部屋に引きこもるハレルソン船長のことが本当によく理解できる。しかしそんな連中の勘違いの生態や悪趣味を皮肉り、最高のディナータイムをご用意したかと思えば、さらに価値観の軸をちょっと変えるだけで革命のごとき逆転現象が起きるのだから痛快である。現代社会にはびこる不条理や居心地の悪い状況を俎上に乗せ、さながら実験劇場のようにじっくり観察、吟味するこのひととき。終映後は見慣れた世の中がガラリと違って見えるから不思議なものだ。

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牛津厚信

4.0人が本性を露わにしていく姿を見るのは楽しい。

2023年2月26日
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鑑賞方法:試写会

笑える

悲しい

人が本性を露わにしていく姿を見るのは楽しい。

見た目がすべてでこの世の中で数少ない"女尊男卑"が罷り通るモデル業界に身を置く、モデルカップルの相手に対する差別意識。
豪華クルーズ船内で展開するブルジョワによる労働者差別。
状況の変化を受けて反撃に出る清掃員の恐ろしいほどの冷徹さ。

これまでも、『フレンチ・アルプスで起きたこと』や『ザ・スクエア 思いやりの聖域』で同じテーマを設定し、人々の本音を炙り出すことで問題提起してきたリューベン・オストルンド監督だが、最新作ではドス黒い笑いの量を増やすことで作品にエンタメ性を付加。ある事件をきっかけにした階級、性別、立場の逆転という既視感がある世界を豪華にアップデートしている。

登場人物は皆んなどこか病んでいるが、唯一まともなのは終始飲んだくれているウディ・ハレルソン演じる船長なのではないだろうか。そこにも、オストルンド独特の逆転の発想が生きているような気がする。

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清藤秀人

4.5格差社会を過激に風刺。事前情報がないほど楽しめる

2023年2月22日
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鑑賞方法:試写会

笑える

悲しい

知的

いやはや、圧巻の2時間27分。スウェーデンのリューベン・オストルンド監督の過去作「フレンチアルプスで起きたこと」や「ザ・スクエア 思いやりの聖域」を観て面白かったと感じた人なら、もう事前情報も予告編もチェックしないまま「逆転のトライアングル」を映画館で観た方がより満足度が高いはず。この作品に限らないが、あらすじの半分から3分の2ぐらいまで前もって教えてしまうのは常々疑問に思っている。本作の3章構成はおおむね起・承・転に合致するが、「転」の筋まで知らされると、それだけ驚きが半減してしまう。

ともあれ、オストルンド監督は、どの作品でも登場人物の当惑や居心地の悪さを観客に体感させるのが実に巧い。富裕層がひどい目にあったりするのを見ると、気の毒だなと思いながらもどこか「いい気味」と思ってしまう自分に気づき、それで自己嫌悪してまた居心地が悪くなるような。

ちなみに原題は「Triangle of Sadness」で、直訳すると「悲しみの三角」になるが、美容用語で「眉間にできる皺」を指すのだとか。男性モデルのオーディションのシーンで眉間と口元がどうのこうのというやり取りがあるし、主人公カップルのカールとヤヤ、それに第3章でからんでくるもう一人を加えた三角関係にもかかっていると解釈できる。もちろん、富と美と力に翻弄される人間の悲哀を描く三幕構成を示唆してもいるだろう。

最後に悲しいトリビアをひとつ。モデルのヤヤ役のチャールビ・ディーン(彼女自身もモデル出身)は以前交通事故の怪我で脾臓を摘出していて、腹部を露出している場面ではその手術痕を確認できる。脾臓がないと感染症のリスクが高まるそうで、昨年8月、細菌性敗血症により32歳で亡くなり、「逆転のトライアングル」が遺作になってしまった。本作のパルムドール受賞にも間違いなく貢献し、映画界での将来が大いに期待されていたのに、残念でならない。

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高森 郁哉

4.0ラストのシークエンスはすごく好き

2024年10月7日
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鑑賞方法:VOD

ヒエラルキーの頂点に立った人間なんてみんな似てくるもんでしょっていう嘲笑。
「フレンチアルプスでおきたこと」が良かったから期待してたけど
ちょっと下ネタが過ぎるし人権意識が乱高下するしで非常に疲れた。
ただラストのシークエンスはすごく好き。

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mar

2.0期待外れ

2024年9月23日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

皮肉たっぷりの風刺映画。
私のあらゆる問題への知識、理解が不足しているせいかもしれませんが、いまいち、ブラックジョークも笑えませんでした。
もう少し面白くできそうなのになぁ…

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いかり肩

4.5汚物まみれの群像劇

2024年8月11日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

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知的

些か冗長に感じなくも無い
ウディ・ハレルソン船長の酔劇を除けば
個人的には凄まじい傑作かと…。

冒頭のチクチクする支払いの揉め事から
豪華客船内の格差社会への厭らしいまでの皮肉…
そして遭難から立場が逆転してしまい…と
とにかく予測不能の展開は最後まで続き
観る者を嘲笑うかのようなラスト。
こりゃ〜面白かったです。

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shallow

4.0好き。

2024年8月4日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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髭猪

4.0最初は??

2024年7月24日
PCから投稿

怖い

興奮

難しい

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見聞

4.5人はみんな平等

2024年6月28日
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あまり説明的部分がなく話が進む。基本みんな嫌な奴らなのだが、島で協力する所は微笑ましい。なんなんだ?要素が沢山あり、結局他の乗客たちはどうなったの?なんで脱出を試みない?となるのだが結局あーこれだから船の旅って怖いのよねーとなった。

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GAB I

3.5Balenciaga or H&M

2024年6月22日
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さまざまな階層設定を組み込み歪んだコントラストを描く。男と女。インフルエンサーと叩き上げ実業家。そこではジョーカー的な価値をもつ船のキャプテン。相対的地位を確認し見栄を切る。それに構わずワイパーは軋み、蝿は舞う。
倒錯する島においてもその再設定に勤しむ者たち。新秩序にも同じポジションを得る給仕長。同じくヒモとなるモデル。板がついている。

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Kj

3.5本性

2024年6月17日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

現代の階級社会を皮肉さたっぷりに、
所々コミカルさも入れて、
人間の本性が描かれている。

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上みちる

5.0ブラックユーモア全開

2024年6月9日
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ままま

4.0格差の過去か、共生の未来か 世界の縮図

2024年6月9日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、DVD/BD

ラストの先をどう想像するかは、
観る人がそれまでの人物をどう観ていたかがわかってしまう?
コップの水をみて、まだあると思うのか。
もうこれだけしかないと滅入るのか。
そんなリトマス試験紙のような。

とにかく予想以上に楽しめました。

揺れる豪華客船のあの場面、メジャー大作でもないのに、隅から隅までよくできていて、圧巻でした。

清掃のあの人!

新藤兼人作品の乙羽信子さんを想起させるようで、素晴らしい!可憐さ、ふてぶてしさ、肉感的な魅力、久しぶりに感動しました。
セントラル・ステーション以来の驚き!
ここにも乙羽が!
名優ですねー

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青樹礼門

2.0ところどころ笑えるシーンもあったが、船酔いした多数の乗客の嘔吐に次...

2024年6月1日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ところどころ笑えるシーンもあったが、船酔いした多数の乗客の嘔吐に次ぐ嘔吐は観るに堪えなかった。
半分くらい視聴したところで断念。

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省二

4.0力とイケメンと皮肉と⭕️ロ

2024年5月26日
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面白かった。序章から未婚の男女において、食事のお金を払うのは誰かで揉めるシーンは、「フレンチアルプスで起きたこと」を連想する。
船が沈没し残ったメンバーの中での弱肉強食の世界は、力を持つた者トイレ掃除の女とイケメン又は美女が役に立つ。

沈没までの船のシーンはまさにカオス、最高にグロで笑える部分も。酔っ払いの船長役ウィルソンこの人しかいない感じで的役。
ラスト好きです、この監督らしい曖昧さがすき。

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ken

2.5I love you. Give me fish. 愛している、だからアジの開きをくれよ

2024年5月8日
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鑑賞方法:DVD/BD

そういえば名作とされるかの「十五少年漂流記」。
あれは、漂流した十四人の白人少年と、一人の黒人召使いの、“動かせぬ差別社会"を、白日の下に晒した物語でした。

階級社会を逆転させて、主客を入れ替えて彼らを戦わせてみたいという妄想は、けっこう根深く世の中に潜んでいるのでしょう。類型の作品は、古今たくさんあります。

しかしこの作品、監督の育ちがわかるし、
小学生の作文みたくて、まあまあ、オモロかった。
撮影のスタッフたちもノリノリで、アイデアを出し合いながら、悪ふざけ映画のコンセプトに便乗したのでしょうなぁ。

カンヌ映画祭に集まるセレブたちは、
一握りの王族や貴族、そういう世襲のモノホンの大金持ち以外は、たとえブラックタイをしていたとしても、総じて下働きの鬱屈した中産階級のはず。
そもそも「役者業」とは、その発生からして低層階級のなりわいでした。
だから積もり積もった不満を武器に、溜飲を下げるためにも、こうやって庶民のルサンチマンを小出しにする“プチ・フランス革命"を民衆は求めているのかもしれませんね。
プレートの弛緩。マグマの放出という訳です。

ところが本作の「革命」=「遭難のドキュメント」の、このとんでもないチープさは何だ!
監督が観客の期待をわざと外して、観客を蹴落としてせせら笑う仕掛けであったように思う。
つまり、本当のセレブがどこにもいない。漂流者たちはひとり残らず低層だったから。

漂流してたどり着いた孤島でも、けっきょくそこで生まれてくるのは底辺同士での上下関係の再構築と、マウントの取り合い。
そして手揉みしながらの懐柔作戦でしたね。

役者が二流だから、ストーリーに現実味がないのです。どこにもセレブがいないから下剋上にリアリティが無い。だから観客には驚きも戸惑いも、そして快哉も生じようがないのです。
ギャラをケチって本当のセレブリティを起用しないからこうなる。
たぶん監督は、そこ、わざと狙ったんでしょうが、彼の思惑どおりに安っぽい映画でした。

「神様メール」ではカトリーヌ・ドヌーヴがゴリラとのベッドシーンを演じ、
「おとなのけんか」ではケイト・ウィンスレットが盛大に嘔吐して吐瀉物をぶちまける。
大物を使うからテーマが明確になってくるものを。
「逆転」をさせたいなら、アビゲイル以外の出演者はすべてアカデミー賞の常連にしなきゃダメなんですよ。
カップルにはブラピとナオミ・キャンベルが良き。
ロシアの成金も貧相でしたから、あれやらせるにはマーロン・ブランドを連れて来なきゃあ。

掃除婦アビゲイルはロレックスには興味がない。アビゲイルが欲しかったのは男。
セックスを満足させてくれたら食い物を作ってやっても構わないって、・・配役もストーリーも、とことん貧相な干物でした。

・・・・・・・・・・・・・

女とは戦え。戦わないと奴隷になるぞ!
と尻を叩いたタクシー運転手 ―
きっとあれはオストルンド本人のカメオ出演。

溜飲りゅうべん・オストルンド?
お金が出来たから、彼は次々と話題の新作を出すけれど
彼の敵はセレブリティではなく、映画を観にきてくれた観客なんでしょうな。
そろそろ僕は飽きたかもしれない。

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きりん

4.0塞翁が馬つーか

2024年3月24日
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鑑賞方法:映画館

知的

一つのイベントごとに胸糞とスッキリがきたりこなかったり。それを鼻で笑ったり笑えなかったり。

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mikyo

3.5最後の様子から

2024年2月19日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

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まゆとよ