劇場公開日 2023年7月14日

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CLOSE クロースのレビュー・感想・評価

全86件中、1~20件目を表示

4.0誰にでもある意図的に友達を避けた少年の日々が甦る

2023年7月26日
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悲しい

ルーカス・ドン監督が前作『Girl ガール』に続いて放った作品は、やはり他者との違いに悩み、苦しむ少年たちの葛藤を描いて入るものの、本作の方がより幅広い共感を得るかも知れない。なぜなら、子供の頃、大好きな友達がいたとする。でも、その友達との関係を周囲から奇異な目で見られ、それが嫌で関係を絶ってしまった、なんて経験は誰にでもあるはずだから。

主人公のレオはいつも一緒にいる、暮らしていると言ってもいい親友のレミとの関係を、クラスの女子から『カップルなの?』と聞かれたことが妙に恥ずかしくて、レミとの距離を置き始める。仲間外れになることを恐れて、新しい友達と仲良くし、それまでやってなかったアイスホッケーにもトライしてみる。そして、いつものようにレミの家に泊まっても、同じマットレスで寝ることがなくなった。何となく、あくまで何となくやったことが、果たして、どんな悲劇を引き起こすのか!?

子供だからとは言えない、残酷な仕打ちがもたらす予期せぬ出来事の顛末を描く映画は、やがて、少年らしい結末をレオに与える。その清々しさは半端ないのだが、注目すべきは子供たちを見守る大人たちの眼差しだ。生きていくこの世界には色々が出来事があって、色々な人々が重なり合って成り立っている。そこもまた、本作の視野の広さを象徴している。

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清藤秀人

4.5末長く愛され、観る者の心を揺さぶり続けるであろう一作

2023年6月30日
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少年たちの純真な思いに深く寄り添った傑作だ。舞台はベルギー郊外の自然に包まれた地域。いつも何の躊躇いもなく仲睦まじく戯れる13歳のレオとレミだったが、ある日、その様子をクラスメイトから揶揄されたことでレオの感情には戸惑いが生まれ、つい何となくレミを遠ざけてしまい・・・。ここからの展開に関してはできれば情報を入れずに臨んでほしいところ。何が起こるかは明かさないが、これはある意味、少年が自分の中の本心と切実に向き合おうとする物語であり、その心情を思うといまだに涙がこみ上げてくるほどだ。ドラマを彩る青々とした木々が胸に滲み入るように美しく、農園で収穫される花々の色味は、時として残酷に思えるほど鮮烈。その狭間を駆け抜けていく少年たちの表情と躍動が素晴らしく、脇で支える大人たちの演技にも心酔させられる。このルーカス・ドン監督による長編2作目は、今後、末長く愛され、観る者の心を揺さぶり続けるであろう。

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牛津厚信

4.0レオが意味ありげにこちらを見つめる本ビジュアルのせいで見るまではサ...

2024年4月5日
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鑑賞方法:VOD

レオが意味ありげにこちらを見つめる本ビジュアルのせいで見るまではサスペンスかと思ってた。

課外教室から帰ってきたら親たちが学校に集められている、そして母親が言葉を詰まらせて…というシーン、レオの悪い予感は感情移入どころではなく自分の体験のようにも思えてしまった。

この映画に出てくる大人たちはみな優しいよね。

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zzzzz

4.0近くて遠い僕の“クロース”

2024年1月13日
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レミ、あいつら噂するように僕と君はカップルだったの?仲のいい友達?それとも...君がいなくなった今ではそんなこと、もうどうでもいい気がするよ。そんなささいなことを気にしていた自分自身に腹が立つくらい。サッカーにしか興味のないバカな奴らにからかわれるのが嫌で、僕は君を一方的に突き放した。でもレミ、君は違ったんだね、君がいなくなってやっとそれがわかった気がするよ。あの日、君が学校の日帰り旅行バスに乗らなかった日から、僕の身体の一部がどこかへ消えてしまったんだ。家の仕事を手伝っても、男らしく振る舞おうとはじめたアイスホッケーに打ち込んでも、君の家に泊まったことを思い出して兄貴の寝ているベッドに潜り込んでも、僕の喪失感は埋まらなかった。僕の胸の奥の方で、レミ君の吹くクラリネットの音がずっとずっと鳴り響いているんだ....君のお母さんが不思議がってた、なぜ君が突然○○なんてって。レミの目にそっくりな君のお母さんの目が僕に訴えているんだ。「何か知っているでしょ?」ってね。正直いうと、苦しくて苦しくてしょうがなかった。僕らのことを何も知らないクラスのバカな連中が、レミの○を悼むような詩を書いて、さも同情するような....あんな嘘っぽい態度も許せなかった、僕らの関係が馬鹿にされているみたいでさ。もしかしたら、僕も君に嘘をついて君をわざと突き放したからかもしれないね。アイスホッケーの試合中に骨折した僕は、先生に包帯を巻いてもらいながらいつの間にか泣いていたんだ。涙がどうにも止まらなかったんだ。骨が折れて痛かった?それは違うよレミ、君の心の痛みがあの時本当にわかった気がしたんだ。ごめんよレミ、大切な友達。僕があんな態度をとりさえしなければ、僕と君はずっと友達以上の“クロース”な関係でいられた気がするよ。だからねレミ、僕は君のお母さんに真実を打ち明けることにしたんだ。僕が君を突き放したこと、君のお母さんには知っておいて欲しかったんだ。それでねレミ僕は気が少し楽になったんだ、腕に巻いていたギブスがとれたみたいにさ、へへおかしいだろ。花畑をレミと一緒に駆け抜けたあの夏の日、僕はそれを一生忘れない。でもねレミ、過去を振り返ってばかりはいられないんだ。僕には君の分まで前を向いて生きていく義務がある。しばらくすれば新学期もはじまるしね。じゃあねレミ、近くて遠い僕の“クロース”......

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かなり悪いオヤジ

4.5タイトルなし

2023年11月28日
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泣ける

主人公役の子、演技すごすぎて引き込まれる

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kanae

3.0名前はレオ

2023年11月18日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

何を伝えたいのかが、わかりにくい映画だった。少年レオとその友達レミのヒューマンドラマ。レオは仲の良いはずのレミとすれ違い、子供ながらに悩まされる。言ってみれば、誰でも一度は経験したことがありそうな話。普通なら仲直りして終わりそうなのに、悩んだまま終わる。

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Bookcorner

4.5怒り、悲しみ、逃避、様々な感情が流れ込んでくる

2023年10月8日
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鑑賞方法:映画館

不安定な感情を表情で伝える、大好きな映画だ。

思ったよりも早く急展開を迎える。
急過ぎて少し冷めてしまったのだが、ここからが本番だった。

寄りで無言のシーンが多いけれど、それに耐えうる演技もさることながら、そこに至るまでの経緯と状況から登場人物の心情を読み取ろうとすることで、全く退屈にならない。

それと同時に目線がこちらを向くショットなど、観客側にも感情が流れ込んでくる。

その感情も単純なものではなく、だれもが抱いたことがあるだろう複雑な感情で、言葉に出すのはとても勇気がいるもの。

それがこどもによってより強く感じられる。

子供から大人への成長も描いているが、仕事やスポーツなど、状況からもサポートとしてバランスよく表現されている。心なしか、顔つきも大人っぽくなっている気がする。

ラストシーンも、わかりやすいがとてもスッキリとする終わり方だった。
こころなしか、様々なシーンが『怪物』とも重なる。

2023年劇場鑑賞94本目

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ひでぼー

4.0普遍的な青春ドラマ

2023年9月15日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

知的

 いわゆるLGBTQをモティーフにした作品であるが、それ以上に普遍的なメロドラマとして興味深く鑑賞することができた。

 この年頃の子供たちは、社会や学校といった周囲の環境にどうコミットし、そこでどうやって自己を確立させていくか、悩んだり戸惑ったりする大変難しい時期にいるように思う。本作はそのあたりの当事者の心理をよく捉えていると思った。

 レオとレミは幼い頃から本当の兄弟のように一緒に過ごしてきた仲の良い幼馴染である。そんな二人は、中学に入ると周囲から奇異の目で見られるようになる。レオはそれを気にして次第にレミとの間に距離を置くようになってしまう。その結果、悲劇的な事件が起きてしまう。

 よくある話といえばそうなのだが、それをここまで深く掘り下げて描いて見せた所に脱帽してしまう。

 映画を観る限り、二人が実際にゲイだったとは言い難い。確かに毎晩のように同じベッドに寝ていたが、まだ二次性徴が始まるか始まらないかの年頃ということもあり、互いに性的な目では見ていなかったように思う。しかし、当事者はそうでも、周囲は色々と邪推してしまう。

 もう少し周囲の家族や教師がケアしてあげれば…という気がした。本作はレオとレミの閉じた世界の中でドラマが展開されるため、そのあたりがどうだったのかよく分からないが、おそらく誰かに相談していれば”ああいう悲劇”は起こらなかったかもしれない。

 尚、タイトルの「CLOSE」は”関係や距離が近い”という意味もあるが、”閉じた”という意味もある。前者はもちろんレオとレミの関係を示しているが、後者は彼らの狭い閉じた世界を意味しているような気がした。

 映画は中盤の”悲劇”を起点にして、レミを遠ざけてしまったレオの後悔と罪の意識に焦点が当てられていくようになる。悲しい現実を受け入れられないレオの心情を大変丁寧に描写していて見応えを感じた。ただ、この丁寧さがテンポを若干鈍らせてしまったという印象も持った。重苦しいトーンが続くので、この辺りは致し方なしか…。

 演出は基本的に手持ちカメラによるドキュメンタリータッチが貫かれ、アンビバレントな少年たちの心の機微を臨場感たっぷりに捉えている。どことなくダルデンヌ兄弟の作品を彷彿とさせた。
 ただし、レオが演奏会を見に行くシーンは固定カメラで統一されている。レオがレミの母親を直視するカットがロングテイクのズーミングで捉えられており、かなり意味深に編集されていて印象に残った。”見る側”と”見られ側”のスリリングな関係にゾクゾクするような興奮を覚えた。

 他にも、本作にはこうした”見る側”と”見られる側”を意識させるカメラワークが頻出する。その極めつけはラストカットである。レオの視線の先には我々観客がいる…という実に大胆且つ挑発的な幕引きが強烈なインパクトを残す。観終わった後に色々と考えさせられた。
 サスペンスやロマンス、エロティズム、様々なドラマを誘発させる、こうした視覚演出も本作はかなり計算されていて感心させられた。

 また、冒頭の花畑を走る疾走感溢れるカットを筆頭に、本作は横移動のカメラワークも実に素晴らしい。二人並んで自転車を走らせるカット等、画面に程よいメリハリをつけていると思った。

 キャストでは、何と言ってもレオを演じた新人エデン・ダンブリンの佇まいが印象に残った。繊細さをにじませた哀愁漂う面持ちにスターの資質を予感させる。
 レミの母親を演じたエミリー・ドゥケンヌは、ダルデンヌ兄弟の「ロゼッタ」のヒロイン役だったということを後で知って驚いた。今やすっかり母親役を演じるようになったことに時代の流れを感じる。こちらも好演である。

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ありの

4.5アイスホッケーでマッチョになろう

2023年9月15日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

*以前にアップした内容が勝手に削除されたので、一部固有名詞を修正して再投稿。

ヒョロヒョロと長い手足の美少年レオとレミは、世界的にも他に類を見ない性犯罪で話題の日本の芸能事務所のジジイでなくても目を瞠ってしまう。ルーカス・ドン監督の前作はトランスジェンダーのバレエダンサーの話で、めっちゃ痛いクライマックスにすべての男性器持ちが失神しかけたが、その主人公といい今作のふたりといい、役者選びが絶妙すぎる。

怪物・星川君なんかより、レミに対する友愛の情を初っ端から飛ばし続けるレオに嫌な予感はしたわけだが、トクシック・マスキュリニティと言うには無邪気な気持ちの反動によるその結果を、12歳の子どもが背負う姿を見るのがツラすぎる…。

多くの場面が顔のアップかバストアップ、セリフも最小限で、表情と態度で心象を語ってくる。なので、レミの母ちゃんがレオに渡した水に毒でも入れてんじゃないかとドキドキしたが、さすがに違った。

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ジョンスペ

3.0頭の重さに耐える

2023年9月9日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

幸せ

LGBT系。
稀ながらもありえなくもなさそうな話。

良い点
・女子ら

悪い点
・全体的に見ると単調

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猪古都

3.5かわいそうに…

2023年9月8日
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鑑賞方法:映画館

友達とのいさかいとか経験して乗り越えて成長していくのに…
成長止めてどないすんねん!周りに負の影響与えすぎやろ!でもそんなことしてしまうのも子供だからか…
演者は皆さんめっちゃ上手かった!

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シモヤン

4.0切ないね

2023年9月6日
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鑑賞方法:映画館

ちょとした心のすれ違いが引き起こす悲劇。
みんな切ないね。

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やまぼうし

3.5ベトベトしてる。

2023年9月5日
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一旦以下のようなレビュー書いたんですけど、思い返すとちょっと違うかもと思えてきた。
この映画で誰が悪いかって言ったら、やっぱり「あんたたちつきあってるの?」てクスクス笑う女子たちや「やーい女ー」みたいに体ぶつけて嫌がらせする男子たちってことになると思うんだけど、男同士くっつくだけでゲイと決めつける視線は自分の中にもあって、以下の自分のレビューなんかはひょっとしたら上の女子や男子と同種のものを含んでるのかもしれないですね。
この映画は、人の行動にラベルを貼ってをとやかく言いたがる、軽々しいんだけどいやらしくて深刻な悪意が何かを殺した、という映画で、自分の見方はちょっと殺す側に寄ってたのかも。

まあそれでもやっぱり男同士くっつきすぎて違和感はえるんだけどね。それはそれとして、その向こうで描こうとしてるものが、以下のレビュー書いたときはわかってなかったかもしれない。
あの少年のカメラ目線は、そういうとこに気づかない自分のような人たちを見てたのかもしれないと、思い当たった次第です。

***

中盤までは、それでもなかなか見応えある映画だと思っていたのだけど。
花畑を走る映像とか、おおー!って思ったし。

しかしだんだん、ベトベトした感じが気になって醒めてしまった。
シンプルに男同士くっつきすぎだし。
少年同士とか、兄弟とか、、あーこれ監督そういう趣味の人だろ、て、監督がゲイの人だとか予備知識なかったけど見ててそう思ったら、案の定そうらしく。。

別にそうい趣味自体が悪いというんではないけど、この映画のそれは、なんというか、わざとらしい気がした。

だいたい、ゲイだとかそうでないとか、重要は重要かもしれないが、そんなに決定的に本質的なことではないのでは?
大なり小なりそれをテーマに物語を描くとして、そこに人間としての普遍的な痛みや切なさや喜びや、そういうものが浮かび上がるからドラマになるんであって。

この映画は変にそれを押しすぎというか、ストーリー上は別にはっきりゲイってわけでもないのに、あの少年同士のモチャモチャは・・・、あれほんと単純に、趣味でそういうのが撮りたかったってだけなのでは?

わざとらしいという意味では、カメラワークも、終始アップにしっ放しっていうのが狙いすぎで鼻につくというか、見てて飽きるし、疲れる気がした。
たまに主人公があからさまにカメラ目線になるのも、どんな意図なのか知らないけど、ただ違和感を感じるだけで、あまりプラスになるものを感じなかったし。

途中からそんな感じで興味が失せてしまったので、主人公の本当の思いがどこかできっとあらわになると思って、それだけ待ってたのだけど、それも中途半端なまま終わってしまって・・・。
あれだけ小出しにして引っ張った割には、全然掘り下げ不足だったんじゃないですかね?

映像は美しいし、主人公の少年もルックス最強でめちゃくちゃ魅力あるし、母親たちの抑えた演技も素晴らしくて、まあいいところもたくさんあったんですけどね。
それもひっくるめて自分としては、夢中になれるような映画ではなかったかなー。

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sokenbitea

2.5さほど深くはない。期待し過ぎた。

2023年9月4日
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ストーリーも、描こうとしてる心情も、ごくシンプル。それを1時間40分の作品にするためにどう肉付けするのか、なにかポイントを絞って深堀りして描くのか、それともサイドストーリーを挟むのか。本作はどちらでもなく、淡々と似たようなシーンの繰り返しで時間を使っている。それらは「子どもの日常を描く」という役割を担ってはいるが、やや冗長。特に、くり返し出てくる主人公の部活(アイスホッケー)のシーンは、一定の役割を果たしつつも中途半端で退屈。あまりにも何度も出るので、「予算少なくて、1日でこの場所でたくさんシーン撮らなきゃいけなかったのかな」などと考えてしまった。
全体的に狭い画角のカットが多く、広い絵が少ないため、見ていて息苦しく、緩急がなく感じる。監督の狙いなのか?登場する大人たちが、みんなきちんと大人らしく振る舞っている描き方が欧州っぽかった。

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cycycy

5.0大好きだけど大好きじゃない

2023年9月2日
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鑑賞方法:映画館

レオは期末の休暇を幼馴染のレミとたっぷり過ごし、新学年を迎えた。新しいクラスで友達が増え、その誘いでスポーツチームに参加したりTVゲームを始めたり、交友関係や興味が広がって行く…というと日本でも春の学校あるあるで、保護者からすれば歓迎するような成長の兆しとも言える。
しかし、レオが新しい生活に傾倒するのはレミとの仲の良さをクラスメイトに揶揄われた反動も含んでいる、というのが本作の哀しいところ。兄弟のように生活していた親密さにレッテルを貼られ、スルーしきれずに行動で証明しようとするレオの年相応の未熟さとそこで生じるレミとのすれ違いが胸に痛い。

思春期につるむグループの面々が入れ替わるのは我々の学生時代にもよくあることで、それで多少ギスギスした経験がある人も少なくないだろう。だからこそレオの後悔も、レミの痛みも、誰かが決定的に悪くなくても悲劇が起こる哀しさがよく理解できる。
悲劇に対してフィクション的な都合の良さが与えられないリアリズムが非常に現代的で、観客がその余韻をどう処理するかで評価が二分しそうな作品だった。スクールカウンセリングのシーンで出てくる「感情はその人のもの」という言葉が印象的で、劇中の問題を象徴していた気がする。

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うぐいす

3.5言葉にできないような心情を、視線で語るレオが妙に心に残る

2023年8月29日
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悲しい

セリフがなく、表情と情景で語るような場面が多い映画だった。
恋人のような付き合い方をしていた少年2人が、関係性をからかわれたり、新たな人間関係ができる中で、次第に疎遠になっていく。
それが許せない少年達は大喧嘩をして、その直後・・・・といった話。

誰もが子供の頃に経験があるような話だが、普通はだんだん疎遠になって、ただの友達か他人になっていくが、この映画ではある意味決着をつけてしまう。

残された者は立ち直っていくしかなくて、少年は乗り越えられる未来が見えているが、母親はどうだろう?と思ってしまった。
レオのことは許せていたが、息子レミの行動をどう思い、どう心の整理をつけるのか?
表情だけの描写では私にはわからなかった。

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ジュンヤ

4.0少年の全て

2023年8月19日
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泣ける

悲しい

少年の青春と喪失と罪の意識と訣別(成長)の物語。些細ないさかいで大切な友達が死んでしまう。自立か自殺か。依存を失くした友達は自殺してしまう。レオは喪失感を埋め、罪の意識から逃れようと様々なことに打ち込もうとするが、そう簡単には行かない。レオとレミの母親の心情が巧みに表現できていた。レオが告白し、レミの母が拒絶はするが、最後には受け入れ、そして訣別が訪れる。少年は乗り越えて成長し、自立していく。ラストシーンでじんわり来た。ドカーンとは来ないところもこの作品の品格なのであろう。

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印刷局員

2.0美少年のレオを観賞する作品か

2023年8月19日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

13歳のレオとレミは、学校だけでなく放課後も一緒に過ごすほどの親友だった。しかし、2人の親密な間柄をクラスメイトにからかわれたことで、レオはレミへの接し方を変え、そっけない態度をとるようになった。そのせいで気まずい雰囲気になり・・・てな話。

何を描きたかったのか、考えながら観てたが、イマイチ理解できず終わった。
レミは自殺だったのだろうが、あれくらいで死ぬのを是として良いのか?世界には戦下で友や兄弟、両親を失ったりしても逞しく生きている子供はたくさんいる。
レオは違うのだろうが、レミはゲイだったのか?
その後もレオのアップでホッケーしたり、サッカーしたり、雪合戦したり、授業を受けたり、植え込みの手伝い、などのシーンが細切れで続き、そしてソフィと車に乗ってる時に降ろされ雑木林での抱擁。
刺さる人には涙腺が緩むらしいが、もう少し分かるようにしてほしいし、もっと厳しい現実は世界にいくらでも有るとしか思えない。
説明のないこういう文学的な作品が高評価だと、映画をレビューする気力が失せてしまう。
個人的には合わなかった。

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りあの

3.5心臓の音

2023年8月18日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

寝られる

まるで絵画のような映画である。
どのシーンを切り取っても絵になる、美しい作品。同時に思春期である主人公の葛藤が、複数の絵で物語られている。行間が多く、特にラスト辺りは睡魔に襲われるが、他の作品では味わえない居心地の悪さが本作にはありました。

どんなホラーやグロ描写が激しい映画よりも、こういう子どもが悩み、苦しみ、辛い表情をする映画のほうが見てられない。何故、一心不乱に生きる子どもがこんな思いをしなきゃいかんのか。2人とも、絶妙な演技をしていて、胸がぎゅーっと苦しくなる。よくよく考えてみれば、レミはレオのせいで自殺を測ったとは思えず、もしそうならレオはあまり悪くないんじゃないかとも思う。ただ、そんなことを部外者が言っても仕方ない。実際のところ、どうだったのかが分からないのが辛いのだ。

こういう映画を見ると、自分に置き換えてしまう。
だから、余計に苦しいんだと思う。この世から去ってしまってからの描写が、本作すごく長いため、かなりキツイ。ハッキリ言うと、苦手だ。救いようのない物語だし、衝撃的な展開があるわけでも無い。じっくりと時間をかけて主人公・レオの心に迫る。先程も言ったように、絵になるシーンが多くてとても美しい作品ではあるのだけど、映画となると物足りないように思えた。

見る年代によって結構感じ方が変わりそう。
いい映画と言われることはよく分かるんだけど、感情移入してしまうがあまりにいい映画とはとても言えない。ん〜、自分に向いてないな笑

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サプライズ

3.5レオ役の少年、素晴らしい❣️

2023年8月17日
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悲しい

知的

色んな意味で印象に残る、とても良い作品でした🙂
でもってレオ役の少年、素晴らしかったです❣️

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タモン