「叙情的な美しい映像で子供の純粋さと残酷さを描く心に響く作品」CLOSE クロース むっ、むいちろうさんの映画レビュー(感想・評価)
叙情的な美しい映像で子供の純粋さと残酷さを描く心に響く作品
久々に心を打たれるような思いで映画を見ました。とてもよかったです。見終わった後しばらく深く物思いにふけりたくなります。誰もが持っている純粋さと残酷さが子供の頃はオブラートに包まれず出てしまいます。この少年2人は特別に強くつながっていたので反動が大きく出てしまいました。2人は2人で一つとも言えるくらい存在を互いに依存していました。1人にとっては自分自身が半分欠けてしまったような喪失感を抱いたに違いありません。そしてことが起きます。ことが起きてからすぐには心に馴染みませんが徐々に1人がいなくなったことがレオの心に沁みてきて喪失感と罪意識が増していきます。果たしてレオはどうなるのか、このあたりから頼むから希望を持たせてほしいと願いながらハラハラして見ていましたがレミの母親が最後にレオを抱きしめることでレオもレミの母親も私も救ってくれました。セリフも多くはなくそれぞれの心象風景を役者の演技と叙情的な美しい映像で表現していきます。最後はとても心地の良い余韻に包まれました。ガス・ヴァン・サントの映画にも似た子供の純粋さと親心にちゃんと向き合った誰かに勧めたい作品でした。
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