クライムズ・オブ・ザ・フューチャーのレビュー・感想・評価
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これがクローネンバーグ…
デイビッド・クローネンバーグ監督作は、先日リバイバルでかかっていた「ビデオドローム」しか観たことがない、クローネンバーグ超初心者です。
あ、息子さんの「ポゼッサー」も観てました。
痛みを感じない、という進化か退化か分からない人類の変化
新たな内臓が増殖するという、ちょっとメリットが思いつかない体質の主人公
本作3大気味悪造形・どう見ても寝苦しそうなベッド、明らかに邪魔してる食事支援椅子、寝台以上にカエルみたいなコントローラーが気色悪い解剖機材
体内で臓器に刺青してそれを摘出する、という何をどうしたらそんなん思いつくのか…な公開アート
…とまぁ、かなり独特過ぎる世界観が炸裂。
痛みを感じないから切り刻みがセックス、的な表現は若干チープに見えましたし、そもそも全く未来には見えない(むしろ10〜20年くらい昔に見える)など基本設定に歪さも感じましたが、細かいことはどうでも良くなるほどにあれもこれもが独自性すご過ぎて、「これがクローネンバーグか…」と分かったような口をきくしかなくなりました。
作中表現のみならず、もうこの作品自体が「アート」なんでしょうね。
分かる分からないはおいといて、なんか凄かった、です。
アブノーマルの向こう。
進化する現代、それに順応する為、体も進化させないといけないと人体を改造する話。
人体を改造し手術はSEXと!訳の分からん事を言い、メスで体を切り刻み、内臓に触れられる事に快感を得る変態な人達のストーリー。
作品観ての率直な感想は、海外で体の改造って実際ありますよね。
タトゥーの延長上でオデコにツノの作ったり体にコブ作ったりみたいな...以前番組クレイジージャーニーで特集やってたのを覚えてます。
本作では体内で新たな臓器を生み出す加速進化症候群という中々出会えない独特な世界観な作品。退屈な作品だと眠気が来るんですが...ちょっと変わった作風で観入ってしまった。
観終わった後に残るものは正直なかったけど、鮮明に覚えてるのは美女3人の裸体、いやっ!バディだけはよく鮮明に覚えてる!
加速進化症候群
独特の造形とエログロに目が行くけど人類の未来が心配なのも分る。
人の命を弄ぶのが究極の娯楽になるのは古代から常識。次は自らの内臓を取り出しながら悦楽に浸る人々。現代の整形マニアはそのはしりなのかも。
プラスチックを食べる話。高エネルギーなので消化できれば最高。人間より先に牛か羊辺りが食べるように改良されるんじゃなかろうか。加速進化で第5の胃が出来るかも。
クローネンバーグも2000年代くらいから結構わかりやすい話の映画を...
クローネンバーグも2000年代くらいから結構わかりやすい話の映画を撮ってきたと思うが久しぶりにクローネンバーグらしい映画だなという感じかな。
装置と勢いで気づいたら終わってた
なんとなくすごい事を見せられている。
と、いう状態が
最初からずーっと続いていく。
意味の分からないベッドに
意味の分からない椅子。
共感が全くできない感情の起伏。
男女のやりとり。
それらが、なんだこれ…でも面白い。
と思ってみていたら、いつの間にか終わっていたというのが感想。
もっと主役2人のショーをじっくりと何回も見せてほしかった。
プラガキの解剖より、臓器オジの解体ショーの方が絶対に見たい。
そこが、圧倒的に物足りないが普通に面白い世界観だと思う。
別にストーリーが完結してなくても良いし
ぬるっと続いても良い。
世界観の確立だけで日常映画でも十分満足できるくらいのクオリティだった。
本当に臓器オジの解体をあと2回はじっくり見たかった。
難しいというより
先日ビデオドローム見て、好みだったので鑑賞。
グロい、というよりは生々しい?感じ。
ナイフでゆっくり切ったり、腹部を開いたりして、割と臓器もしっかり使っている感じ。
なのでグロさはあまり感じず、痛々しいというのが強く、そういうのがダメな人は無理かも。
ビデオドロームよりは、会話上で設定に説明があったかな。
ストーリーは理解できる方ではあるかな…
ただ、それを納得できるかは…
後は脇の要素ではあるけど、ベッドや椅子が何のためのものなのかイマイチ分からない。
特に食事補助?の椅子が何のためのものなのか理解できなかった。
大分癖がある作品なのでオススメはしづらいです。
Body is reality
体内で未知の新たな臓器が形成される加速進化症候群という特異体質の男と、彼に出来た臓器にタトゥーを入れて公開切除手術を施す女性の話。
人の身体に奇抜な形成手術を施す様を公開するのがアートとされる近未来で、プラスチックを食す息子を憂い殺した母親と遺体を引き取る父親をみせ始まっていくストーリー。
それがアートであることは芸術に疎い自分にはこれっぽっちも理解出来ないし、エロスであることも頭では判るけれど程度の自分にはレベルが高いっす。
生態マシーンみたいなものが沢山出てくる世界観とか、主人公の体質は非常にユニークで面白いけれど、そこが強調され過ぎていて、進化と暴走とか政府の立ち位置とかはあらすじ紹介を予め読んでいないと少々解りにくいかも。
言いたいことはなんとなくは判るけれど、面白いかと言われると微妙な感じで、奇抜さが際立ち過ぎて内容のインパクトが負けてしまっている様に感じた。
新感覚発掘映画
進化してるんだか退化してるんだか見た目には全くわからない世界観。
そこに生息する人間なんだか人間じゃないんだかわからない生き物が混在する宇宙感。
苦痛なんだか快感なんだかわからない、内蔵をきゅっと掴まれたような高揚感。
人体をアート化したクローネンバーグの快楽追求の紀行(奇行)が展開されます。
凄いものを見せつけられた感は半端なかった。
どうでもいいが、ジェーン・ドウの解剖を思い出してしまった。
追記
人間は進化と言う名の自己都合で数々のタブーを冒してきた、それは神をも恐れぬ所業である。そしてそれはいつか己自身に強烈なしっぺ返しとして帰ってくる。まさにこの映画のラストはそれではないだろうか。
紛うことなき変態映画。やや退屈。
タイトルからして「マイノリティリポート」のような筋書きになるかと思っていたが違った。異常能力者と官憲が絡むところは同じだけど。
クローネンバーグは時々サスペンスドラマ寄りの作品を撮る。「イースタンプロミス」のような。同じヴィゴ・モーテンセンが出ていることもあり本作もサスペンス仕立てのようなところがある。ただ最後まで全く解答は提示されない。
クローネンバーグの一番良いのは観客を考えさせる壮大な問いかけをしないところ。またこの映画はあなたの心の闇を抉り出したものです、というように観客に責任を転嫁することもやらない。こんな変な話があります、こんな化け物がいます、と見せてくれるだけ。いわば見世物小屋の構造である。だから我々は後に引きずることなく「やっぱクローネンバーグって変態だねえ」と感想を述べた後は明るく元気に社会生活に戻って行くことができる。
そういう意味では今回のクロさんの見世物小屋はちょっと退屈かな。もう少し気持ち悪いかと思っていたけれど中途半端。メタモルフォーゼの哀愁もいつもより少し味が薄い。もうお年なのであんまり期待したらいかんのかもね。
クローネンバーグが描いた人類の誤った進化
旧作「裸のランチ」に続いて待ちに待ったクローネンバーグの新作を観た。再び至福の時を過ごした。傑作だった。
ヴィゴ・モーテンセン、レア・セドゥにクリステン・スチュワートという豪華キャスト。「人類の進化についての黙想」がテーマとのこと。
近未来、進化して痛みの感覚が消え去った人類。体内で新たな臓器が生み出すアーティストのソール(モーテンセン)はパートナーのカプリース(セドゥ)とともに臓器摘出ショーで人気を集めた。
2人を監視する臓器登録所のティムリン(クリステン)でさえソールの虜になった。
そこに在るのは異常なエクスタシー。クラシックスタイルのセックスでは満足できない人々がいた。
クローネンバーグが描いた未来には人類の正しい進化はなかった。こんな未来であって欲しくないと切に願うインモラルな世界が在った。
そう、「愛」さえ見失ってしまった。
進化は選択か
Crimes of the Future
もしもの話を忠実に描いている。痛覚を失った人間社会は、タトゥーを超え身体に傷痕を残すようになる。新しい倫理観のもと、一方でアート以外への興味を失っている
周囲の情熱は第一人者の想いを超え、当の本人には逡巡もあり、(潜入捜査を行っているように)中盤以降は一部辟易していたことがわかるが、最後の結末は皮肉的で(現実基準での)狂気が標準装備の世界において、揺れ動く心を表している
技術変革が続く中で、「人間の政府」という言葉からはAI社会などの背景が示唆される。大きな流れに飲まれないようにする、人体の反乱。個々が選んでいるようで、選べていないのだろうと感じた。
理解不能な部分は多いが、メッセージは感じる
フライヤーのインパクトと紹介サイトのSF感に惹かれて鑑賞してきました。が、期待とは異なる展開で、グロ描写も多く、かなり消化不良の作品でした。
ストーリーは、進化を続ける人類が痛覚を失う中、体内で未知の臓器を生成するという進化を遂げたソールが、パートナーのカプリースとともに、臓器にタトゥーを入れて取り出すショーを披露していたが、そこに進化の暴走を危惧する警察、臓器登録所の職員、新たなショーの提案を持ちかける男などが絡んでくるというもの。
正直いってあらすじさえうまく説明できません。というか、内容をたぶん理解できていません。冒頭で少年がゴミ箱をボリボリと貪り食べ、母親にいきなり殺されます。ぶっ飛びすぎです!(ただ、これは終盤で回収されたのでなんとか理解できました。)その後も、哲学的な感じの会話とこの世界独特の固有名詞が錯綜して、理解が全く追いつきません。登場人物それぞれの思惑が理解できないので、頭の中でストーリーがトレースできないのです。
それでも、荒唐無稽でシュールな世界観とも思える中に、強いメッセージは感じるので不思議です。冒頭の少年は、環境への適応を果たした、進化の理想型なのでしょうか。ソールによる新たな臓器の創造は、進化の過程における試作なのでしょうか。そう考えると本作は、「環境汚染の改善」か「適応のための進化」のどちらを選択するのかと迫っているように感じます。そして、選ばなかったほうが、未来に残す罪だとタイトルで告げているように感じます。
それにしても、謎の多い作品で、鑑賞後も疑問が渦巻いています。あの骨のような椅子はなんだったのでしょう。食事を補助するためのものにしては、めちゃくちゃ食べにくそうでした。怪しすぎるライフフォーム・ウェア社とその従業員の女性の目的は何だったのでしょうか。刑事の捜査目的は臓器カルト集団の壊滅で、ソールはその協力者だったということでしょうか。しかし、結局ソールは更なる進化を肯定し、受け入れようとしたということでしょうか。他の方のレビューを読んで勉強しようと思います。
主演はビゴ・モーテンセンで、恍惚の表情が印象的です。共演はレア・セドゥで、艶やかな肢体と演技が魅力的です。脇を固めるのは、クリステン・スチュワート、スコット・スピードマン、ドン・マッケラーら。
"ん〜、全然分からなかった…笑"な映画
あらすじぐらいには目を通しておいて良かった…笑
でなきゃ、終始意味不明どころではなかった…そんな作品でした笑
*鑑賞前にパンフレットを買う事はほとんどないんだけれども、クローネンバーグ監督という事と粗筋がとりあえず面白そうと思い買ってしまった…それに、変形のパンフだし…。
でも、買わなくても良かったかな…笑
*無料配信でもあれば、見直すか?…微妙…笑
席を立つこと能わず
「第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門」に出品も、
上映中に退席者が続出したとのいわくつきの一本。
もっとも、自分の鑑賞時には
誰も中途退出者はいなかったが。
思わず身もだえし居心地が悪くなる、
神経を逆なでするグロテスクシーンは頻出も
耐えられないほどではなく。
彼の地では、審査員を含めて
どれだけデリケートな人々が多いのか、と
逆に首を傾げる。
『デヴィッド・クローネンバーグ』の作品は
世評では〔ヴィデオドローム(1983年)〕も
個人的には
〔デッドゾーン(1983年)〕と
〔ザ・フライ(1986年)〕が双璧。
後者は監督得意のフィジカルの崩壊も
前者はメンタルに分け入って行く一本。
共に、図らずも異能を得てしまった男の悲しみと
哀切極まる最後を描き秀逸。
『クリストファー・ウォーケン 』や
『ジェフ・ゴールドブラム』の演技も素晴らしかった。
で、本作、舞台は近未来。
主人公の『ソール(ヴィゴ・モーテンセン)』は
パートナーの『カプリース(レア・セドゥ)』と組み、
自身の体の中に新たに臓器を作り出し
それを摘出する一部始終をインスタレーションとして観客に魅せる
一種のアーティスト。
疫病や難病は既に駆逐・克服され、
人類は自らの体を更に変容させる途上に。
一方で国家は、その進化の暴走を恐れ
監視の目を広げていた。
自身の身体を傷つけてのアートは
軽いモノなら現在でも。
『宮川ひかる』の作品群などはその好例。
もっとも、痕が激しく残るほどではないにしろ。
肉体の改造は
『金原ひとみ』の〔蛇にピアス〕にも登場する
「スプリットタン」あたりか。
勿論、何故にそうした行為に走るのかは、
自分には想像できないけれど。
ここでは『クローネンバーグ』お得意の
意図的な肉体の改造や変化で愉悦を感じる人が次々と登場、
加えてそれを観て楽しむ富裕層の存在も。
ある意味、閉塞した社会のディストピア然とした
お決まりのパターンとも言える。
しかし終幕に向け、物語は意外な展開を見せる。
それは図らずも起きてしまう「適者生存」とも取れる一種の進化形。
おそらくヒトは
外見も内側も、今までとは異なるモノになって行くに違いない。
劇中で使用される術具等は
『ギーガー』が〔エイリアン(1979年)〕で見せたデザインを彷彿とさせる。
本作での種の進化とも関連する
有機物と無機物が混交した質感が
それなりに意識されているのだろうか。
失笑レベル
つまらなそうな映画、自分向きではない映画はそもそも観に
行かないようにしているのだが、デビッド・クローネンバーグ
監督の名前に釣られてつい観てしまった。
映画の価値観は人それぞれ違うから百聞は一見にしかずで
自分の目で確かめてみたい人、何らかの義理で観る必要が
ある人もいるだろう。それ以外の人には薦めたくない。
解説によると「人類の進化についての黙想」をテーマに描いた
とのこと。それが具体的には体内で新たな臓器が生み出される
「加速進化症候群」という発想になっている。
映画の重要な要素である臓器に、いかにして説得力を持たせるか。
その部分ではお粗末としか言えない。予算をケチったのか
ただの手抜きなのかは知らないが、映像がロズウェル事件の
「宇宙人解剖フィルム」(もちろん偽物)と同レベルだった。
がっかりと言うより失笑。
その他の映像もいかにも低予算で撮った感じで安っぽかった。
4Kで大スクリーンで観るよりも小さいテレビでDVD位の画質で
観てちょうど良いのではないか。
物語も自分にとっては面白くなく、何度か寝落ちしてしまった。
「人工的な環境に適応するため」進化したとあるが、それが
具体的にどんな環境なのかは描かれていなかったように思う。
出演者は全員無名という訳ではなくて、それなりに知名度のある
役者が何人かいる。芝居自体はケチの付けようがないけれど、
物語に空々しさを感じていたのと安っぽい映像のせいで誰にも
感情移入できなかった。
観る人を選ぶ作品
デビッド・クローネンバーグ監督の8年ぶりの作品で、好きな俳優3人の名前があり鑑賞を決めた。……ので、内容をまったく知らずに観てしまった(--;)。
近未来を舞台に、理由はわからないが絶賛進化中の人類が登場する。彼らは痛みを感じず、新たな臓器が体内に生ずる。ホラーではないけれど、手術・流血・先端恐怖症の方は観てはいけない。
エロくてグロくて吐き気を覚えるが、不思議なことに映像は美しい。まあ、それがこの監督の特徴だが。あ、音楽も美しかった。
内なる美
ホラーのサブジャンルに"ボディホラー"というカテゴリがあるそうで、正に監督はその第一人者であることは明白である 『裸のランチ』でもそうだったが、内蔵系のグロテスクさを演出させながら、その画力と強引に結びつけるストーリーテリングにまんまと心を奪われてしまう 気持ち悪さの連続はもはや快感に取って代るという、今作の多々あるテーマの一つを体感してしまっているのである
一種のSFなので、荒唐無稽な前提ではあるが、"苦痛"(作品内のそれは痛さの度合いが低くなってしまっている、もしくは他の感覚に変化している)から人々が解放された世界に於いての、二つの物語がやがて絡まる展開として作劇されている 一つは人体内に出現する新たな臓器と、それを切除するパフォーマンスをするアーティスト 又一方は、後半判明するのだが、新しい臓器で有害物質に対応する消化器系を移植し、環境問題を目指す団体の話である
まぁ、かなりストーリー自体が飲み込みにくいし、初めに説明する件もなく、やたらと官能的且つ、玩具のような生活具もしくは医療具(ベッド、椅子、手術台)を使用している様が、滑稽で痛々しく、なんだか面はゆい、居たたまれない羞恥感漂うカットであり、さすがクローネンバーグ、始めからトップギアである 女優を次々裸体に晒す脚色、子供を使ってのまるで"蔘鶏湯"のレシピのようなオチ、道徳感を逸脱した女性二人の電気ドリルによる頭骨穿孔の暗殺方法、一部の好事家が興じる刺青やインプラント等の人体改造等々、これだけの世界観を"松花堂弁当"の如く綺麗に盛付け、尚且つ未来への警鐘のような魔術に落とし込んだ今作品の胡散臭さと、尤もらしいエクスキューズに、総合芸術の悪魔の側面を垣間見てしまった希有な作品である 老監督の集大成と言ってもよいグロテスク且つ猟奇、そして皮肉な環境提言と言った、ハイコンテクスト作品であろう
惨敗感…
公開規模が小さく、そもそもこの作品が丸の内ピカデリーでかかるのが意外でしたが、公開週土曜の午前11時からの回はある程度の客入り。個性的な名作を作り続けているベテラン監督の新作と言うことで、客層はおそらく「往年の映画ファン」であろうオジサンが多いです。
かく言う私も紛れもないオジサンなのですが、往年がつくほど過去の映画は観てきておらず、今作上映前に自分がどれだけ「クローネンバーグ作品」を観ていたか確認してみるとたったの3作品。そんな具合ですから勿論「クローネンバーグ作品」という意識もないわけで、こんな調子で新作に挑めるのか心配になり、慌てて未鑑賞作品ばかり9作品を配信で鑑賞。そして感じたことは「私にクローネンバーグの新作のレビューを書く自信がない」と、結局本作を観る前からネガティブ感情。何せ、兎に角難解。ただ、少しでも解った気になれると面白味を感じるから癖にもなる。でもそれは、他人の考察から得たのものではなく、自分で見つけるからこそ「噛めば噛むほど」の味わい深さとも思います。
前置きが長くなっていますが、正直、今作はまた輪をかけて難しいと感じました。独特で奇妙な世界観を受け入れようと必死に観ていても、新しい登場人物が出てくる都度、その立場や目的までを追いかけるのにまた必死になり、さらには、少しずつ明らかにされるそれぞれの関係性に、「と言うことは、さっきのって??」とついて行き損なうと、気が遠くなってお手上げ。。もう淡々と観続けるしかありません。
正直、ここまでの惨敗感は久しぶりですが、とは言え、けしてつまらなくはない。が、向き不向きはあってそうそうお薦めできるような作品ではありません。もし興味があるのなら、いきなり本作ではなく、やはり過去作からご覧になった方がいいと思います。
はてさて、私もこの映画を理解できる日が来るのだろうか。また少し先の未来に、クローネンバーグ作品を通して観直してどう感じるかという楽しみ方が出来る、それだけ世界観や作品性というのがきちんとある巨匠ですね。今は観念、まだまだ勉強が必要と感じました。
クローネンバーグの世界を堪能
好き人にはたまらないが、そうでもない人からすると「さっきからずっと何やってんの」って映画w。
なんだかチョコプラのコントを思い出してしまった。
本作はストーリーや演出を語るようなものではなく、クローネンバーグ個人の趣味を余す事なくぶち込んだアブノーマルな世界を一緒になってニヤニヤしながら楽しむお祭りのような作品である。
クローネンバーグは「戦慄の絆」以来のファンだが、不気味な造形の手術器具や人体への尋常じゃないまでの興味がここに来てとうとう爆発した、もしかしたらこれが最後?と思わせるようなある意味集大成のよう。
冒頭の変なベッドで心を鷲掴まれたが、白い骨のような椅子はたまらなくツボだった。
あれに座ってスプーンを口元へ持っていけないのは操作が難しいからなのかと思ったが、よく見たら自分の手でスプーンを持ってたので何でが止まらなかった。
誰にも文句を言われずに好きな映画を撮れる数少ない監督の異常な世界をご堪能あれ。
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