劇場公開日 2023年8月18日

「内臓はアートっす」クライムズ・オブ・ザ・フューチャー ジョンスペさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0内臓はアートっす

2023年9月6日
iPhoneアプリから投稿

興奮

最後に観たクローネンバーグの新作は11年前の危険なメソッド。話どころか場面イメージすら記憶喪失並みに覚えてないことを考えると、監督らしいぐちゃぐちゃがまるでない作品だったのか。今作は久々の内臓全開、クローネンバーグの脳内全開のドロドロドロームな内容で観た甲斐があった。

新しい臓器を生み出す加速進化症候群とか、臓器にタトゥーを入れて取り出すアートとか、開いた腹にチャック付けちゃうとか、便利なのかよくわからない食事・消化を補助する人骨チェアとか、常人には思いつかない設定や展開、アイテムの造形に終始興味津々。妄想級の意味不明な話ではあっても、個人的にはジブリの巨匠の新作よりはるかに筋が通っていて楽しめた(疲れてたら寝る可能性も大…)。

しばらく前からクローネンバーグ作品ではよく主役を張っているビゴ・モーテンセンは監督自身の投影なのだろう。年をとって見た目・雰囲気が監督により似てきてるし。いろんなメタファーはあるにせよ、本作はクローネンバーグがレア・セドゥとの内臓セックスを妄想するアートということだろうか(極論)。

レアの脱ぎっぷりはいいけど、おでこに勾玉埋め込むより、もっと切り刻んでほしい気がした。

ジョンスペ