「王道のクローネンバーグ作品」クライムズ・オブ・ザ・フューチャー まっちゃまるさんの映画レビュー(感想・評価)
王道のクローネンバーグ作品
まだご健在だったのですね、久しぶりのオリジナル作品公開、あの怖い物見たさの感覚が蘇る。SFホラー的なストーリーを芸術性を追求しつつ映像に焼き付ける感じ。グロテスク過ぎる映像に絶えられず、過去には途中退席した作品もあった、なのにまた見に行っちゃう、クローネンバーグ作品。
未来世界の犯罪らしきものを描いていている今作は、価値観も人間の性質すらも変わっているので、もはや何が犯罪なのかも曖昧。しかし、現代世界においても、ボディーハッカーのような人達も存在し、自らの欲望のままに見知らぬ深い世界を追求する人達は存在している。そんなニッチで深い世界の存在をを知ると、今作は不気味な想像世界だけれど、科学がおかしな方向に進むと不気味な未来世界も起こり得ると、語られているかのようだった。拷問にしか見えない咀嚼のための食事用椅子や、様々の器具、寝るための装置、その独特な世界感とデザインはさすが。決して同調出来ないが、2歩位引いて距離を取りつつ、グロテスクだけど美しいデザインをこっそり覗き見る感じを楽しむべし。
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