劇場公開日 2023年8月18日

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「これがクローネンバーグ…」クライムズ・オブ・ザ・フューチャー 克晴さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5これがクローネンバーグ…

2023年8月21日
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デイビッド・クローネンバーグ監督作は、先日リバイバルでかかっていた「ビデオドローム」しか観たことがない、クローネンバーグ超初心者です。
あ、息子さんの「ポゼッサー」も観てました。

痛みを感じない、という進化か退化か分からない人類の変化
新たな内臓が増殖するという、ちょっとメリットが思いつかない体質の主人公
本作3大気味悪造形・どう見ても寝苦しそうなベッド、明らかに邪魔してる食事支援椅子、寝台以上にカエルみたいなコントローラーが気色悪い解剖機材
体内で臓器に刺青してそれを摘出する、という何をどうしたらそんなん思いつくのか…な公開アート

…とまぁ、かなり独特過ぎる世界観が炸裂。
痛みを感じないから切り刻みがセックス、的な表現は若干チープに見えましたし、そもそも全く未来には見えない(むしろ10〜20年くらい昔に見える)など基本設定に歪さも感じましたが、細かいことはどうでも良くなるほどにあれもこれもが独自性すご過ぎて、「これがクローネンバーグか…」と分かったような口をきくしかなくなりました。

作中表現のみならず、もうこの作品自体が「アート」なんでしょうね。
分かる分からないはおいといて、なんか凄かった、です。

克晴