「人体という宇宙。その深淵に触れる作品。」クライムズ・オブ・ザ・フューチャー ジョイ☮ JOY86式。さんの映画レビュー(感想・評価)
人体という宇宙。その深淵に触れる作品。
クローネンバーグは我々に問いかける。
人体は宇宙だ。であればその内なる宇宙である胎内を巡る事が出来るのが手術の時だけ、というのはおかしいのではないだろうか?
内なる宇宙を求める旅はもっと自由であっていい。
医療行為だけでなくアートだって良い。セックスだって良い。
だがそれらを現実には阻害する因子がある。
それが感染症や痛み、或いは倫理官…というリスクだ。
本作は未来、それらのリスクは皆無だ。
感染症や痛みから解放されて、人体との向き合い方に奔放になった未来で。
我々は何を得て、何を失い、何を創造しうるのか。
この映画はそんな作品だ。
一見するとバイオレンスに見えるだろうが、実際に見ると非常にセクシャルで官能的な映画だ。
そこには"生きる"という実感への渇望が満ち溢れていた。
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