劇場公開日 2023年4月14日

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聖地には蜘蛛が巣を張るのレビュー・感想・評価

全113件中、41~60件目を表示

4.0道徳という名の魔女狩りはなくならないのか

2023年5月5日
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鑑賞方法:映画館

怖い

昨年、テヘランで女性の頭髪を取り締まる道徳警察に逮捕された女性が亡くなった。頭髪を取り締まるとは、悪いヒジャブの付け方をしていないかどうかを取り締まることである。その後、抗議デモが広がったが、抗議デモに参加した女性達も警察の拘束後に亡くなっている。

連続殺人を起こしたサイードは敬虔なイスラム教徒であり、イランイラク戦争では戦死も厭わない程に軍人として祖国に尽くした。家庭では、良き夫良き父親である。彼の行為はPTSDによる可能性もある。しかし、娼婦に向けられたヘイトはPTSDだけが理由ではない気がした。

サイードはどんなに模範的に生きても国家に尽くしても社会に認められなかった。サイードは自身の虚しさを感じない様に怒りの矛先が必要だった。道徳心=不浄なものを浄化するというサイードの大義は、後付けに他ならない。

この間違った大義は、サイードだけに限ったことではない。それは、私にもあなたにも、一部の特権階級を除いた全人類に普遍的なテーマなのだ。例え私が国家の為に命を投げ出したとしても、国家にとってはただ一人の人間が死んだだけのことである。言いようのない怒りが湧いても、怒りの矛先は権力には向かないで弱者に向く。

特に慢性的な貧困と暴力が蔓延る社会では、誰もが容易くサイードになり得るし、娼婦にもなり得る。

日本においても貧困化の進行度と比例して、堂々と差別発言する人(特に男性)が増えたと感じる。高度経済成長期、バブル期には特に優秀でなくても男性であれば妻子を養う程度の賃金はもらえた。こういった男の沽券や面目が保持できなくなったことも差別発言に影響していると思う。

私はサイードと堂々と差別発言をする日本男性が被って見えた。また、サイードを支持した男性達と差別発言に同調する良き夫良き父親である日本人が同じに見えた。

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ミカ

3.0(原題) Holy Spider

2023年5月4日
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怖いし興味深い社会派作品で、宗教と理解できない価値観!実際に起こった娼婦連続殺人事件をベースに、事件の根底にある男女差別や宗教観から来る人々の社会通念などイラン社会の闇に焦点を当てた社会派サスペンスでした。

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AYK68

3.5面白い処も有れば,あまり気持ちは良くない難癖付けて娼婦を…。

2023年5月4日
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鑑賞方法:映画館

理由は如何(ドウ)あれ,女性(この作品の中では娼婦に値する)は生きる為に自分の身体を張って生活するという事自体はそうするしか無い!という考え方の人と…。
親しい身内的?(宗教的な団体?)な人達からすれば、そう言う女性は殺される事自体が当たり前だ!と主張する人も居るという,一寸道徳的に反した考え方の中で,常識的にどっちが正しいのかを分からなくさせられる話で…。
私的には殺害する事自体が、決して正しい事なんぞある訳が無い‼︎と思う私の意見を主張したい話である…。

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サクちゃん

4.0映画を通してイランというイスラム社会を知る

2023年5月4日
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怖い

知的

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shigeshigeshigeo

3.5スパイダー・キラーと道徳警察

2023年5月3日
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怖い

難しい

聖地があるイランの街にて娼婦をターゲットとした連続殺人が発生。事件を追うジャーナリストと、犯人を取り巻く異常な環境を描いた作品。

序盤からエグい描写満載。

少々不安定な様子はあれど、昼の顔は信心深く家族想いの良き父だが…。
この聖地に於いて娼婦は汚れと、夜には恐ろしき第二の人格が顔を出し…。

必ずしも、我々日本人の感覚がグローバルスタンダードでは無いことはわかるが、それにしても恐ろしき2000年代初頭のイランよ。。

信仰心も行き過ぎればやっぱり。
彼らが信じる神とは一体何なのだろう?

勿論、娼婦という職が褒められたものではないとは思うが…冒頭にもあるように、彼女らは彼女らで家族を養うために仕方なく、といった側面もあるようだし…やはりそういった人を助ける環境を整えることが大切ですね。簡単な事ではないけど。

殺人描写も恐ろしいが、より恐ろしいのは寧ろ犯人が捕まったあとか。16人亡くなってる事件の法廷であんな軽々しく笑うかねぇ…。

それだけ、悪だと思われて無いんですね。

そしてそして最も恐ろしいクライマックス。どうしてこうなってしまうのか。。

我々が簡単には感情移入できない厳しい環境と、行き過ぎた信仰心、世界共通では無い道徳の難しさに戦慄を覚えた作品だった。

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MAR

4.0イスラムの聖地が舞台だからこそのストーリー

2023年5月2日
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怖い

設定はよくある連続殺人鬼とそれを追う記者を描いたもの。
が、この映画の面白いところは殺人鬼自身は自分のしていることは正義(街の浄化)と信じている。そして日本ではあり得ないと思うが一部の人々から英雄視されるというところ。イスラムの聖地が舞台だからこそのストーリーです。

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光陽

4.5倫理観と倫理観の戦い

2023年5月1日
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興奮

知的

イスラムの聖地マシュハドでの娼婦連続殺人事件を描いたクライムサスペンス。事件を追う女性記者と犯人の男のそれぞれの視点でドラマは進む。

事件の背景には、現代の西欧中心の倫理観とは大きく異なる価値観が横たわっていて戦慄する。

事件は穢らわしい職業の女性は徹底的に排除すべきという、女性蔑視職業蔑視のヘイトクライムなのだが、犯人の男だけでなくその妻子や少なくない街の人々が肯定的に捉えている描写に驚く。

娼婦をターゲットにしたシリアルキラーものは数あれど、犯人がここまで英雄視される作品は観たことない。

藤子F不二雄先生のSF短編で我々の世界とは全く異なる倫理観の世界に紛れ込み価値観を揺さぶられる作品が幾つかあるが、この作品を見ている最中同じような思いに囚われていた。

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ku-pa-

4.5空から撮った映像とタイトルが重なる

2023年5月1日
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あさき

3.0後味の悪いサイコ人間ドラマ

2023年5月1日
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2000年代初頭。イランの聖地マシュハドが舞台の娼婦連続殺人鬼を追い詰める女性ジャーナリストのラヒミの命がけの活躍と女性問題を真面目に描いたサイコサスペンスです。
前半から中盤は殺人鬼とジャーナリストと警察の捜査劇。後半は裁判劇として正義とは、神とは、を強く問いかけます。
大衆の支持が加害者に向き被害者への非難が集中する社会情勢が宗教的な問題もあり理解しにくかったです。
ラストのサイードの息子がインタビューに答えるシーンは衝撃的。誰にでもお勧めできる娯楽作品ではないですが、
いつも見るハリウッド系サイコスリラーとは違う後味の悪いサスペンス劇を見たい方はご覧ください。

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ナカザワヨウスケ

2.5イランの国情を反映したドキュメンタリー

2023年4月30日
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に近いストーリーだったが、
殺人シーンの連続で嫌悪感の方が優った。

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Miya-n

4.5タランチュラ男 vs 女郎蜘蛛

2023年4月30日
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悲しい

興奮

知的

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カールⅢ世

4.5傑作でした。

2023年4月29日
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悲しい

怖い

日本で生まれ生きている限りまるで想像出来ない概念、常識、、。
それが良いか悪いかはわからないけれど、それも事実かな。
ワイには何にもできないけれど、映画を観てそういう事実を知り考える。
イランについての事はぼんやり(というかほぼ)としか知らないので
知ればさらに深く観れたのかなと思いました。
ボーダー二つの世界もパンチがありましたが、今作はさらにパンチを食らいました。

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アストロボート

3.0殺人犯であり、決して英雄ではない。

2023年4月29日
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アンディぴっと

4.0タイトルなし(ネタバレ)

2023年4月29日
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りゃんひさ

4.0戦慄のラスト

2023年4月28日
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「ボーダー」は生理的に合わなかったのですが、今作は痺れる内容でした。さりげなく挿入される9.11のニュース映像は単に時代を示唆するためだけではないのでしょう。憎しみの連鎖が止まらぬ社会に対してのメッセージのように感じました。

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ハチ

3.5社会にはびこる哀しき現実

2023年4月28日
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悲しい

怖い

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ねもちゃん

3.0他人事ではないよね 今の日本も

2023年4月27日
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アリ・アッバシ監督はザワザワ感を描くのが天才的ですね
ラスト 結局 ああなってしまったことと息子と娘の健気なさに
切なかったな

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たつじ911

5.0人権意識の低さはと他人事ではない

2023年4月26日
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悲しい

怖い

イランを舞台にしているが、これは日本にもあてはまる。男女差別が濃厚な上に、不甲斐ない自分を認めることが出来ず社会的な弱者を攻撃する。狭量な見識と不寛容、自分にとって都合良く神を利用する反知性主義。人を思いやる感受性の欠落した人は至る所、すぐ隣りにも居る。それは自分かもしれないのだ。先ずは個人であり、自分の足下を見詰め、常に内省を心掛ける。この作品は社会と個人の在り方を問い、差別の根源を社会だではなく、自分に問う啓蒙作品でもある。1人の人間に立ち返り、自らを鑑みて鑑賞すべき映画である。決して他人事ではない。知らず知らずのうちに自分にもこびり付いたものが見つかるはずだ。無関心、無自覚な自らを内省しつつも、糾弾するためのヒントを辛くも与えてくれる佳作である。

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shanti

4.023-056

2023年4月25日
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狂信とサイコ。
似て非なるものが同居する。
聖なる街の浄化という名の犯罪。
貧困を嘲笑い、女性を蔑視する、
到底解決できない問題に挑むことができるのか❓

心に傷跡が残る。
狂気は受け継がれる😱

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佐阪航

3.5神のためにやった。俺の手はきれいだ。

2023年4月25日
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イランの宗教都市を舞台にしたクライムサスペンス。
「蜘蛛」と呼ばれる立ちんぼ娼婦を次々と殺していく殺人鬼。
肝心なことは、ここはイスラムの世界であること。価値観がイスラムの基準であること。それを、あんたたちはおかしいと断罪していいのか?彼らに他の慈悲深い宗教観を押し付けていいのか?あれが、彼らの倫理観なのだ。あれが、彼らの正義なのだ。
そして、自らの犯罪を神の啓示のように誇らしげに振る舞う犯人。彼を裁くのは法か?それとも、神か?・・・ずっとその行く末を見守っている自分がいる。結末を見届けた時に気づいたのは、そこにあるのであろう、神の見えざる手の存在だった。イスラムの闇は深いよ。

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栗太郎