「タランチュラ男 vs 女郎蜘蛛」聖地には蜘蛛が巣を張る カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
タランチュラ男 vs 女郎蜘蛛
クモは巣を張って待ち構えるタイプとタランチュラのように巣を作らないで動き回って獲物を捕らえるタイプに大きく分類されます。
題名から女郎蜘蛛の話だと思ってました。
原題は Holy Spider 。
この映画の題材となった実際の事件で、聖地で商売をする街娼を聖地浄化を理由に次々に殺害にする犯人をマスコミがヒーロー視してスパイダーと呼んだことがはじまり。巣を張るのではなく、みずから獲物を探しにバイクで出掛ける。イラン第2の都市マシュハド。シーア派の聖地が舞台。
イランの映画は「英雄の証明」、「白い牛のバラッド」、「ホテルニュームーン」しか観てない。
これらの映画では裁判と処刑がうんとスピーディ。宗教が絡んでか?三権分立がちゃんとしていない感じ。
「ボーダー 二つの世界」の監督の作品。この監督はイラン出身だとこの作品で知りました。北欧の人とばかり思っていました。
新聞社をセクハラで不本意なかたちで解雇された女性ジャーナリストが真相を追ううちに自らをオトリにしてしまう展開はもちろん期待もしていましたが、あのおデブ姉さんの死んでからのアシストがなかったら完全にクモの糸でグルグル巻きにされてましたね。犯人は手首が治るのをなぜ待てなかったのかと言ったら野暮ですけど。
ハラスメントに苦しむ女性ジャーナリストが街娼に肩入れする気持ちはひしひしと伝わって来ました。イスラムは女性差別が色濃く残る世界。
個人的に、あんなきれいな若い嫁さんがいて、小さい可愛い子供も三人もいるのに、夜な夜な出かける初老のジジイは何考えてんだ???でしたけど。
しかも自宅。
繰り返される絞殺シーンもなかなかリアルでエグかった。
このオジサンはネクロフィリアのケもありそう。繰り返すうちに絞殺自体に恍惚感を覚えてしまったのではないか。従軍体験もきっかけだった可能性も大。イスラム世界は死後6時間以内の死姦は許されるらしい。よくわかんないけど😵🌀
蜘蛛の巣をよくイメージした作品でしたね。そして2タイプあるのを初めて知りました。
サイードは、獲物を狩に行くタイプだったのですね。
張った巣に似たマシュハドの路地を夜な夜なバイクで。
それにしても、6時間以内ルール?!こちらも初めて知りました。😱😱😱なんてこと!おかしいルールですね〜。ところ変われば。。。