「いつも叩かれるのは女性だ」聖地には蜘蛛が巣を張る とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)
いつも叩かれるのは女性だ
宗教と貧困の糸に絡め取られた女性たち。鬼才アリ・アッバシ監督が事件の顛末を(逮捕されてから少し疲れた…)、最後まで現実を見据えたトーンで描く。"そんなこと鵜呑みにするか?"ということを信じる犯人は、人間にとって妄信しがちな信仰心もまたそれくらい怪しく脆いものだと顕にしているようだった。そして、正義面して父の粛清を継ぎそうな息子に、父のいない中でこれから貧困によって"そうなる"可能性もある少女の眼差しは社会に向けられている。…なんていう終わり方だ。
身体的・社会的不利もあり食い物にされながら、痛みや叫び(あるいは功績をも)は無きものとかき消され、にも関わらず世間に出れば槍玉に上げられるのもまた彼女たちだ。乗れよ。お金は?自身もそうしたハラスメント男尊女卑・女性嫌悪社会の図式に絡め取られた過去のある女性ジャーナリストと、家庭のある犯人のパートが交互に描かれる作り。警察側の捜査のトップも端的にクソ過ぎた。
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