劇場公開日 2022年7月1日

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「「極めて何か、生命に対する侮辱を感じます」的な作品」哭悲 THE SADNESS ソビエト蓮舫さんの映画レビュー(感想・評価)

1.0「極めて何か、生命に対する侮辱を感じます」的な作品

2025年4月22日
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鑑賞方法:VOD

怖い

ドワンゴの川上量生会長が、AIで作った、奇妙で気味の悪い動きをする人間の映像を、
宮崎駿に嬉々として見せた際に、
その返答として、宮崎が言い放った痛烈な批判文言。

「極めて何か、生命に対する侮辱を感じます」

これと同じ感想を、この作品を観た時に思った。

その位、この作品に登場する、ウィルス感染しゾンビ化した人間が、醜悪に描かれている。

殺戮された人間の、臓器的な見た目のグロさもさることながら、
ゾンビの口から吐き出す罵詈雑言の醜悪さが、とにかく酷い。

感染により、人間の心の醜さが肥大化した故に、そうなる理屈らしいのだが、
誇り高きネット弁慶として、これまで数々の酷い言葉を、
インターネット上に書き残してきた私ですら、辟易してしまうほどに、
ゾンビ達は汚く罵りながら追いかけ回すのだ。

この映画のせいで、台湾映画に苦手意識が芽生えてしまった。
台湾発と聞くと、警戒するようになってしまった。
ターニングポイントになってしまった。

伝説的カルト映画「ソドムの市」と比較するのはおこがましいが、
それに近い嫌悪感というか、それに迫るレベルの何かがあるように思えたし、
これが極上のホラーだというなら、そんなジャンルはこの世から消え去ったほうがいい、
と言いたくなるような映画でもあった。

なんというか、ス●トロプレイを性癖の一種と見做すか見做さないか、の話と同じだと思うのだ。

まあ本当はどっちでもいいとも思っているのだが(笑)、
この映画を上級者向けホラーとして勧めてくる人間が、もし自分の周囲にいるならば、
私は、一旦その人とは距離を置くし、
その人をス●トロプレイヤーと同じように、心の中で侮蔑して、陰でヒソヒソと悪口を流布するだろう。

私もまた、感染していない側の、おぞましいゾンビの1人なのだろう。

ソビエト蓮舫
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