「ベテランの存在感と若手女優の熱演が光る」島守の塔 tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
ベテランの存在感と若手女優の熱演が光る
沖縄戦では、多くの民間人が犠牲になった悲惨さばかりが語られがちだが、危険を承知で県外から沖縄に赴任し、時に軍部と対立しながらも、住民を救うために奔走した県知事や警察部長がいたことを知り、勉強になった。
ただ、牛島司令官が、個人的に島田知事を呼び寄せたように描かれている割には、二人に旧知の間柄のようなものが感じられなかったことには違和感がある。彼らの関係性をもう少し描き込めていたら、物語にもっと深みが生まれたのではないだろうか?
また、作り手の思い入れが強すぎたためか、画面と音楽がマッチしていないと感じられたり、終盤の描写が冗長に思えてしまったのは残念だった。
その一方で、メインの出演者の熱演は非常に見応えがあり、萩原聖人と村上淳のベテランらしい渋い存在感もさることながら、それが霞んでしまうほどの吉岡里帆と池間夏海の頑張りには拍手を送りたい。
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