コンビニエンス・ストーリーのレビュー・感想・評価
全51件中、1~20件目を表示
三木ワールド
彼女がいるのに人妻と不倫、気に食わないと犬を捨てるなどおよそ感情移入できない主人公、ストーリーもあえて分かり難くして、お前たち分かるかとほくそ笑んでるのでしょう。観客を翻弄させる下品でサディスティックな映画作りはまさに三木ワールド。まあ、日常のありふれたコンビニを異世界の舞台にしようというのは身近な恐怖を狙った現代の怪談と言うところなのでしょうがチープで陳腐過ぎて途中で嫌になりました。
変なコンビニエンス・ストア
監督・脚本は「時効警察」や、近作では「大怪獣のあとしまつ」の
三木聡。
はじめ若い作家の前衛的舞台劇みたいだな?とか思ったけれど、
今の若い人はこんなトンガって自由発想はないよな!?
と思った。
30代の監督や作家はどこか窮屈に感じる。
彼らはこんなことに悩んだり戸惑ったりするのね、
今どき若い人は・・・
本当に繊細で、気をつけないと知らないうちに傷つけてしまう。
なので失敗を恐れない大胆さは60年代生まれの
トンガったオジ様オバ様の作品なのだ。
この映画の原案はマーク・シリング。
だがしかし三木監督がやりたいように変更を加えたとか。
流石と言うべきか、映像(VFX含めて)音響と効果音、
そして流れるBGMは本格的。
何より役者が本気モードで気合が入っている。
お金も知恵も潤沢だ。
《ストーリー》
脚本家の加藤(成田凌)は同居する恋人の女優・ジグザグ(片山友希)の
飼犬ケルベロス(白い日本犬)にパソコンの原稿を消されてしまう。
怒った加藤はケルベロスを山奥に置き去りにして帰って来る。
犬の不在をジグザグに不審がられて、連れ戻しに山奥へ戻る。
犬は居ないし、レンタルの軽トラックはエンジンがかからなくなる。
そこにあったのが、一軒家のコンビニ。
店主が六角精児で、妻が前田敦子。
2人はフレンドリーで「泊まっていけば・・・」と誘う
ぽよぽよ太ってニコヤカな六角精児が不気味だ。
彼の年若い妻・前田敦子は妖艶でミステリアス。
クズ男を、演じさせたらこの人を超える者無しの成田凌。
脚本家・加藤(成田凌)の同居恋人で女優のジグザグを演じる片山友希、
エキセントリックな名前と外見の割に一番常識人である。
加藤が何かに誘われるようにたどり着いたコンビニ。
田舎のコンビニ(リソーマート)の扉を開けたら、
そこは異空間だった。
時効ならぬ時空を越えるナンセンス・ギャグの世界。
草ボウボウの平地を歩いて行くと、野外音楽堂ではなく、
原っぱ広場で黒のタキシードの正装で指揮をする六角精児。
オーケストラ演奏はCD。
それに合わせて指揮棒なしで指揮する六角精児の動きが実に上手い。
彼はミュージシャンなので、少しの違和感もない。
野外のクラシックオーケストラは実に心地良いのだ。
童話の世界みたい。
すると色っぽい妻の前田敦子が成田凌に色目を使う。
そして2人で逃避行。
行く先は近くの温泉宿。
丁度、一年に3日ある「永遠(とあ)の日」だった。
狐の白いお面を被った死者たちが冥土へ向かおうとしている。
妖しい雰囲気。
そして過去に実際に起きた「コンビニエンス強盗殺人事件」
それが《ヨボド事件》である。
そ記事を読んだ加藤はあり得ないスピードで脚本を書き上げる。
それを読んだ映画プロデューサー(ふせえり)に絶賛される。
未だ嘗てなかった事だ。
何もかもが可笑しい。
そしてラストのオチ!!
オチも輪廻転生・・・最初に戻るのね、実は・・・って!!
ミステリーでしかも手の込んだホラーでした。
摩訶不思議で不思議な映画。
見たことのない世界は魅力的だった。
主人公が異世界に紛れ込んでしまったという設定だが、その割には現世と...
主人公が異世界に紛れ込んでしまったという設定だが、その割には現世と電話もメールも通じるので、今一つ異世界感に乏しかった。
主人公は自動車事故で亡くなっていたという設定なのだろうか。
あと、前田敦子はそもそもなんであんなのと結婚したのかww
宵の国と黄泉の国
熱海の警察官を思い出した。こっちの世界とあっちの世界。おそらくあの事件で本当は全員死んでいたのでしょうね。初めに車が突っ込んだ時点で主人公は死んでいたということなのか。電話が通じたりキス写真についてはよく分からないけど、コンビニ自体が二つの世界の出入り口で、どちらにも通じているのか。。色々謎ではあるけど、三木聡なりの答えがありそう。熱海の警察官もいろんなサイトの解説読まないとわかんなかったもんなぁ。私は好きでした。
「コンビニ」という着想が面白かった
今や街中には当たり前にあって、日常生活で当たり前に利用しているコンビニ(コンビニエンス・ストア)の…しかも、店に入ればお客は誰でも自由に開け閉めするドリンク冷蔵庫が、実は異次元(パラレル・ワールド)への入口になっていたという着想が面白かった。
ホラーなのか、コメディなのか…。
その絶妙の空気感も、堪えられない。
三木監督の作品は、実は初観だが、こんな作風の作品を作る人なのか。
だったとしたら、また映画の楽しみ方の新しい一面を見出した。
たまたま観て、面白かった『きさらぎ駅』に次いで、評論子の映画ライフの幅を広げてくれた一本。
失笑系小ワザ
バートンフィンクのホテルよろしくコンビニに死を嗅ぎ取る着想は買うが。
コーエン黒沢清未満に着地。
迷宮だからこそリアル側に踏み留まり、捏ね過ぎない塩梅が肝心なのに。
三木聡、またも岩松了らの余計な失笑系小ワザで物語のテンポを削いだ。
惜しいっちゃ惜しい。
謎設定過ぎる。
詰みかけている売れない脚本家加藤がコンビニの冷蔵庫からワープ!行き着いた場所は天国か地獄かパラレルワールドかはたまた黄泉の国か。もう終始なんのこっちゃか分からなくて、スベりまくってる芸人を無の感情で見ている気分でした。
出てくる人がみんな変で、まともなはずの現実パートさえ謎の設定で、むしろ全てが異世界でワープなんてしてないんじゃないかって方が辻褄が合う気がする。あとあんな変な制服のコンビニあったら気が散って買い物どころちゃうわ。
成田凌の安定感、前田敦子の色っぽさ、六角精児の変態さ。みなさんのお陰でなんとか最後まで観れました。ま、なんつってもわんこが最強にかわいかったです。名演技ありがとううううう。実のところ加藤はケルベロスを捨てた時点で地獄行きは決定してるんですけどね。
謎謎
「大怪獣のあとしまつ」で酷い目を見たので、期待はしていませんでしたが、成田凌さんが出ているのでそこには期待して観にいきました。
やはり監督の世界観に肌が合いませんでした。度をすぎる悪趣味さがのっけからあったので全くハマれず…。
全体的にチャカチャカしている登場人物が謎に謎を呼んだり、急に発狂したり、意味深な発言を仄めかしたりと、ミスリードは多いのですが、それが全くを持って生きておらず、ただただ謎を残していくだけなのが残念でした。
出演者を見てみると、監督の過去作に出演していた方がちらほら見られたので、内輪ノリで作られたのかなとも思ってしまいました。
終盤で今までの謎がなんとなくの状態で合流して、死後の世界というのが明かされるのですが、そこに至るまでの展開が非常にスローで、面白味を感じることができませんでした。97分とは思えないくらい長くてキツかった…。
役者陣はかなり良かったと思います。魅力は感じられませんでしたが、好演はしていました。
三木監督の作品とは悪いお付き合いが続いていくんだろうか…。
鑑賞日 8/24
鑑賞時間 18:15〜20:00
座席 C-2
世にも奇妙な映画
オリジナルの怪談話なのでしょうけど、コンビニやオーケストラというアイテムが日本っぽくなくて独特な世界観を醸しだしています。一方で地蔵やお祭りや狐のお面など日本怪談の定番のアイテムもでてくるからますます摩訶不思議な世界観。
不思議な女性を演じる前田敦子さんに、もう少し色気(露出)をだしてもらえたらさらにこの映画は面白くなったような気がします。
ありきたりな映画にちょっと飽きた時、たまにはこんな映画もいいかもしれません。
摩訶不思議な世界に迷い込みたい方はぜひ。夏に観るべき映画です。
面白しろかった
判らないという人もいるが、
東北出身の私としては、主人公は、私は嫌いだが、そのまぁまぁ才能があって、人間味がない 太宰治のようだし、宮沢賢治の銀河鉄道の夜のように、生死の境が曖昧な世界観は馴染み深い、、、
ミニシアターに相応しい
最初、この作品を知った時、コンビニを舞台にした群像劇を期待しました。しかし、予告編を見るにつけ、うん?、の思いが強くしました。結局、うん?、でした。
まあ、ATG作品を感じただけでも、我々団塊世代としたら・・・
よもつひらさか
面白い面白くない、勧める勧めないという話だと難しい所だけれども、「好き?」と聞かれたら「大好き!」と答える、そんな映画。ヤラレタ。
自然体のクソ野郎をやらせるとピカイチな成田凌くんなので安心でしたが、個人的には前田の敦子さんがちょっと、ね。だがしかしそれも杞憂。この日常に差し込まれる不穏な異常の中で「希薄な存在感」が抜群に味を出していました。色気がないのも終わってみればむしろ良かったのかな?なんて思えるくらいにしっくりときましたね。まぁ、奇跡の一致だとは思うので今後も二の足は踏ませて頂きますけども。
中盤から出てくるヘンテコ仕事人がスベり散らかしてる事を除けば、不穏でまったりしているわりに牽引力は素晴らしかったのではないでしょうか。あと、監督が好きであろう映画のネタも隠しきれずに散りばめられていたのが微笑ましかったですね。
最後、なんて言ってたのかな?(なんとなくは感じ取ったのだけども興味ある)。
追記:劇伴がFF8にメガテン混ぜた様な雰囲気だったのも好きだったな。きっと、なんのオマージュもないではあろうけども。
異世界って…あの世界のこと…
三木聡のシュールな笑いを期待していたのだが、見事にやられた。言葉にし尽くせない不思議な感じ。頭で考えるな、心で感じろ的な。そして、見事な伏線回収。嫌いではない、この世界観。
全51件中、1~20件目を表示