君を想い、バスに乗るのレビュー・感想・評価
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1350kmを路線バスで旅する、イギリス版終活ロードムービー!
妻に先立たれ、病を抱える老人が、路線バスを乗り継いで、スコットランドの端から、イングランドの果てまで旅する物語。
なぜ、路線バスなのかと言えば、イギリスの事情はわからないが、シルバー用の無料パスが使えるということなのだろう。
途中、アクシデントはあるが、いろいろな人達に助けられ、路線バスで旅する老人がいることをSNSで拡散され、目的地のランズエンドでは、たくさんの人達の出迎えを受ける。
妻との思い出は、イメージの描写のみで、細かくは描かれず、観る人の受け取り方にゆだねられている。
イギリス版終活ロードムービーと言える作品。
ぜひ、劇場でご覧ください!
カッコいいおじいちゃん
人生をかけた愛を貫く1350kmのロードムービー
ティモシースポール演じるトムハーパーが亡き妻との約束を果たすためイギリス最南部ランズエンドまでの1350kmをバスで横断する。
本作は題名にもある通り、路線バスということでイギリスの各地をゆったりと巡っており、トムと観客が一体化して各地の人々の違いに触れることができる人間にフォーカスしたロードムービーだった。
本作の主人公はハリーポッターのピーターペティグリュー役で知られるティモシースポールでこれまでのイメージと異なった最高に渋いおじいちゃんとなっていた。トムの持つ優しさが行く先々の人々に伝わっていく様子や巻き起こるトラブルや心温かくなる人情が丁寧に表現されていた。
トムが頑なに手放さなかった鞄の中身が明らかになった時、涙が止まらなくなった。
旅が進むにつれ、明らかになるトムが持つ悲しい過去や妻メアリーへの一生涯の愛を貫くため、信念を持って目的地を目指す姿は心からかっこよく憧れの生き方だと感じた。
エンドロールで行く先々の人がトムを讃えるSNSの様子は心が温かくなった。
人と人が密接に関わることが難しい今だからこそ観るべき映画だと感じた。
人間、捨てたものでもない
嫌なやつも登場するが、それを消し去ってくれるに余りある「良い人」たちが登場して心が洗われる(そういうストーリーだから当然ではあるのだけれど)
そこに現代のSNS社会を上手に組み込み、優しさの輪が拡がる作りは見事だった。
お嬢さんの死、なぜその地を離れスコットランドへ?の部分がもう少し丁寧に描かれても良かったとは思うが、主人公が誠実に人生を送ってきた結果、周囲の人が手を差し伸べてくれた、その幸福感のほうが上回り、爽やかなエンディングだった。
宗教的な知識がなく、お嬢さんの生(12/25)ー没(12/24)の意味するところが何だったのか?そこは気がかり。
良い作品でした。
淡々と進む旅路が呼ぶもの
(原題) The Last Bus
主人公の気持ちが切々と伝わってくる
老人が主人公のロードムービーである。満身創痍の彼は、亡き妻との約束を果たすために、不自由な身体に鞭打って、イングランドの遥か最南端の町を目指す。
バスを乗り継いでいく設定がいい。飛行機でも特急列車でもない。バスである。妻との思い出が詰まっているバスの旅。しかし彼には残された時間がない。予定通りに到着しなければ、それまで命が持たないかもしれないのだ。
ロードムービーらしく、思いがけないアクシデントが次々と起きる。親切な人もいればそうでない人もいる。不運にめげず、人を非難せず、黙々と進んでいく。流石に名優ティモシー・スポールである。優しくて寛容な老人を枯れた演技で淡々と演じてみせた。それが逆に主人公トムの気持ちを切々と伝えてくる。
「Amazing Grace」を歌い上げるシーンなど、泣ける場面も多く散りばめられていて、演出も脚本もとてもいい。ラストシーンで、トムがバスの旅の道中にスーツケースをとても大切にした理由がわかる。高倉健の遺作となった映画「あなたへ」を思い出した。
心に染み入る傑作です。
トムにとってはバスで横断するその道のりは人生の出来事や思い出が凝縮されたものなのでしょうね。旅自体が人生そのものってよく言われますが、本作を見たら「あぁ、電車よりバスの方が人生っぽいかな?」って思ってしまいました。それは本作の旅途中のエピソード作りが巧みだからそう思ってしまったのかもしれません。まさに喜怒哀楽がたくさん。晴れの日もあれば雨の日も。急な雷雨もあるし。
トムが今住む場所からスタートし目指した場所とその意味が物語が進むにつれ徐々に明らかになってきます。彼が真摯に歩んできた人生をなぞるように、人生で育まれた彼の人格を描きながら。ありふれた人生かもしれないが、深いシワに刻まれた喜びも悲しみも全てかけがえのない人生の証であり思い出。トムにとって愛おしいものなのです。老体に鞭打ちながら愛おしいものに全てを注ぐトムの姿を旅の途中で出会い方々とのエピソードをユーモラスかつハートフルに描き、かつ妙な感動ポルノにならずにとっても爽やかな後味を醸し出してくれます。「さぁ、泣きどころですよ!」演出が全くなく、一人の老人の歩んできた人生を横に寄り添いながら描いているこのスタンスがとっても心地よく、心に染み込んでくるのです。
(ゴール到着シーンは秀逸です。それを描きたいんじゃないんだよ!って製作陣が言っている声が聞こえてきそうな展開です。邦画ではこうはいかないだろうなぁ(笑))
あぁ、なんと素敵な人生なんだろう。こんな人生を過ごしてみたい。愛情に溢れる世界は素晴らしい。そんな気持ちでいっぱいになった作品でした。
心が穏やかになる作品
意外と明るく、ハートフルな、イギリス珍道中
ロードムービーの王道の手法
有名な謎の老人
これはかなりの強行だけれど
前評程ではないが、ほっこりできます
思い出の場所で妻と娘を思い出すシーンが切なくも羨ましくもある。 静...
今会える人はいずれ会えなくなる人。
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