リバー、流れないでよのレビュー・感想・評価
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スケールの小さなSFから感じる、優しさと丁度良さ。
◯作品全体
ヨーロッパ企画・上田誠が手掛けるSF作品の一番好きなところは、登場人物の手が届く範囲でSFをやっているところだ。
世界や宇宙を巻き込んだスケール感は、確かにSFでないとできないかもしれない。一方で、登場人物の手が届く範囲の世界で繰り広げられるSFによって、ドラマを描くには弱いけれど、その登場人物にとっては大問題であることにスポットを当てることもできる。
それに気づかせてくれるのが上田誠のSF作品だと感じた。
本作で言うならば、旅館で働く主人公・ミコトと彼氏のタクが離ればなれになる、というドラマがある。しかしこのドラマは誰かに強制的に引きはがされるわけでも、タクの強い意志があるわけでもない。今生の別れになるわけでもないし、二人が離れることで世界を揺るがすわけでもないし、語るには少し弱い。
しかし、ミコトにとっては本当に深刻な事件なのだ。それこそ、宇宙と同じくらい遠くに感じる異国の地へ、貴船という小さな世界から旅立ってしまおうとしているのだから。
そこでその感情をドラマチックにするのが、2分間をループするSF設定。タクが居なくならなければいいのに、という願いにリンクするように、貴船から出ていくことのできない時間だ。小さなスケールがまた良い。ミコトが内に秘めた、小さな感情を置き去りにしないSFのスケール。他愛のないことで揉めたり、二分という制約がほどほどに登場人物を苦しめている感じが、ミコトの感情を描くうえですごく丁度いい。
ループの原因をミコトとするのでなく、未来人のタイムトラベルマシンの故障とするところも良かった。誰のせいとかそういうのでなく、それぞれがループする時間で自分自身を見直すことができたのだからそれでいいじゃないか、と諭すような優しさを感じる。
故障を直す手段も小さなスケールなのは思わず笑ってしまったが、背伸びしていない感じがして、それはそれで作品らしさがある。
小さなSFによって登場人物たちの内なる世界を小さく揺さぶる。その描き方が優しく、そして丁度いい。
〇カメラワークとか
・2分のループをワンカットで撮っていた。その時間だけは地続き、というのが視覚的に分かりやすい。
〇その他
・序盤はミコトの初期位置からいろんな方向へ進んで、いろんなイベントを見に行く感じが面白かった。この感覚、既視感あるなーと思ったけど、ヨーロッパ企画が昔作ってたゲーム「名探偵スワー」がその正体な気がする。あれもいろんな方向やアクションを選んで、総当たりしてみたくなる感じがあった。
・先輩後輩の二人組が良い味だしてた。最初は仲良さそうな感じだけど、ループの中で本心を吐き出して対立し、最後は吐き出しつくして理解しあうっていう。断片的にしか映してないからこそ、その間にあった出来事を想像しやすい。
・登場人物たちがループの法則を理解するまで少し時間がかかったり、イマイチ理解してないもどかしさにちょっとイライラするけど、多分これって脚本の手のひらで踊らされてる。理解したあとの展開を早く見たいって思わされる感じがした。『サマータイムマシンブルース』もそんな感じ。
・最近のヨーロッパ企画のメンツを全く知らないから、みんな老けたな~って思ってしまった。ちょっと前に見た『サマータイムマシンブルース』では若々しい大学生たちが、みんな中年おっさんになってる…
2分のタイムループでできることをとことん追求。
2分というタイムループでこれだけのことができるのかと、発想と工夫が面白くて、最後まで繰り返しがダレずに楽しめる。それだけでも作り手の自信とスキルに感心するし、舞台となる料亭の高低差、段差を利用し手動きまくる長回しの撮影が生きていて、キャストとスタッフが一丸となっているパワーみたいなものも感じる。
いやあ、これは面白いですよ!と手を叩きたい作品、なのだけれど、ギミック的なウェルメイドを目指しているがゆえに、面白さが予想外のところまで跳ね回らず、予定調和という天井でひっかかっているようなもどかしさはある。
あともうひとつ、これはもう呪いのようなもので、この映画が、というか、脚本の上田誠が選択した「舞台は京都だけど方言は使いません」という選択肢が、わりと地元が近い者としてどうしてもノイズになってしまう。
むしろ方言のえぐみがこの物語や作品にとってノイズになるだろう、と判断するのもわかる。上田誠が関わった『夜は短し歩けよ乙女』も「四畳半神話大系」も似た趣向で方言話者がほぼいないが、あれは原作者の森見登美彦が選んだ表現でもあった。
そうなんだけど、目の前に映っているのは京都の(というか貴船限定だけど)の風景で、そこには京都の文化も根付いていて、なおかつ方言のグルーヴ感も知っているので、もったいないと思ってしまうのだ。これはこの作品だけの問題ではないのでこれくらいで一旦棚に上げるが、ご当地映画と方言については、どっちが正しいかではなく、一つ一つ検証していく価値のあるテーマだと思った。
痺れるワンカット撮影
ワンカットの超効果的な使い方!!!
2分間のループ、毎回スタート地点に戻る。そこから動く主人公の後ろを毎回追うカメラ。
良かったですね。階段登るシーンなんて、何回見た事か!「もういいよ!」って思うんですけど、それがそっくり主人公の心情なわけです。
ワンカットで撮って何度もそれを見せることで、私達観客にタイムループの追体験をさせてくれるんですよね。最高。初めてタイムループしたので、めちゃくちゃ楽しかったです。
あとセカイ系ラブコメディ……かと思えば違った!っていうのも良かったですね。
同監督の「ドロステのはてで僕ら」も同時に鑑賞しましたが、この監督は時間系SFのオチを時空警察とか、そういう説明の要らないほど創作として根付いた設定でサクッと解決しちゃうんですよね。
そこも私たちの知りえないところでの話って感じで良かったです。
なんというか…そういう領域に一般人が巻き込まれただけ。というスタンスを崩さないことがポリシーな気がします。
撮影場所の旅館はヒロインの方のご実家だそうで。いい場所ですよね〜行きたくなりました。
エンドレス3分
題材が良いと思って観てみました。この魔法を考えられるのがすごいな。
途中まで観ましたが、考えさせられる作品でした。
以下構成についてのアウトプット
題材は好き。3分間を繰り返す事で何が起こるのか楽しみだった。
でも、どうもつまらない。なんでだろ?
考察すると見えてきた。
まず、ジャンル。これは魔法のランプ(願いが叶う)じゃないってこと。
ジャンルは難題に直面した平凡な人々だった。自分から願って3分繰り返しには
なっていないようだ。これは考察の勉強になった。
何が足りないか。葛藤だった。魔法の状況下を困難なものにしていないからおかしい
んだ。面白く解決しようとしてる。もしその状況になったら、に葛藤を入れないせいで
リアルでこんな反応を誰もしないであろう話になってる。共感できなく、イライラや、
つまらなさを感じる。
総じて勉強になった。ジャンル考察も、気づきがあった。
困難な状況にさせて葛藤を入れる。この基本的な部分にも気づけた。ありがたい。
旅館ループ
旅館で起きた2分間の無限ループを脱出する話
未来人が乗ってきたタイムマシンの故障でループが起きてたのでみんなで直してループ脱出するEND
2分という短い時間をループする意欲的な作品だが急に出てくるタイムマシンは雑過ぎる。恋愛描写も長い。
いかにも劇団くさい内容、しかもつまらない
視聴を初めて10分で気が付いた
ほかの劇団の試みもマシな内容があるのに
着眼点は良いけどいかんせん役者達のドタバタがしらける
劇場でファンが無駄な大声で笑うシーンがよぎってつらかった
共感を多発するが、否定的である。
『Cry Me A River』と言うJAZZのスタンダードナンバーがある。
直訳すると『川が出来るほど(私に向かって)泣く』と言う事で。
『面前で泣いたり、わめいたりして、他人の同情を買う態度。そんな態度を皮肉っている』
さて、この二分間のループが興味深いループであれば良いが。
わめいたり、嘆いたり、泣いたりするだけの設定だけで、正にそんな態度をアイロニーしたくなる。
こんな場面を何回見るんだ。
乱流で戻る事もしない一本調子のショートコントを繰り返す。
挙句の果てに脱亜入欧なのか!
さて、制作者はそんな類似制を理解してこんな映画を作ったのだろうか?
なんかこんな映画を見た事があるとデジャヴしたら、同じ作者だったようだ。
あと、半分。出鱈目は良いが。
見るの止めるか。
流れは早くなるばかりで、どこかで止まって詰まる事もしないようだ。
配信でこの映画を見せられたら、どんな映画になるんだろう!!
『リバー(ラバー)・カム・バック・トゥ・ミー』を思い出した。
あと、ターンは10回くらい。つまり、RPGそのもので、何も貴船に行かなくても良いでしょ。『きぶね』は高いよ。
あと、15分くらい。落ちがだいたい分かった。
違った。
サミットだと思ったが、流れが早すぎるオチ。『真っ黒なワンちゃん』まだまだ、やっている。
京都なら京都の言葉だろうが!
やっと終わりそうだ。
最後まで流れは乱流したままだった。流れっぱなしだよ。流れっぱなしで、詰まるゴミもない。ゴミばかりなのに。
和製タイムリープの傑作!
ツイッター(X)でやたらめったら高評価の「リバー、流れないでよ」。面白い面白いと誰もが言うもんだから、昼休みにでも観てやるかと、そんな偉そうな気分でみちゃったら。あれれ、これは?いやだ、タイムループものじゃないかと!観尽くしましたよ。そんな切り口。
「恋はデジャヴ」:ビル・マーレの繰り返すやつね。恋愛もの。「オール・ユー・ニード・イズ・キル」:トムのアレね。戦いの。「ハッピー・デス・デイ」:繰り返し殺されるやつね。「コンティニュー」:ジョー・カーナハン監督ね。ゲーム的。
繰り返しモノはこの四天王ってことになっていたんだけど、邦画でついに入り込んだね「リバー、流れないでよ」。舞台の貴船がいい。目の前に貴船神社。舞台は「ふじや」?主演の藤谷理子、ふじ?ハイ実家らしいです。
何がすごいって、世界線の設定にしているけどこれ撮影季節変わってると思う。雪降ってたり、カラッからだったりと。通常営業しながら、これだけのキャスト集めるのは至難のワザ!
で、映画観ている途中で、宅急便。一時停止に。キャストをスマホで調べる。ん?「ヨーロッパ企画」あぁ、同志社大学からの。あぁ、そうかそうか。そりゃぁ、面白いはずだ、上田誠か!呼び捨てですが、家のリビングで観てたらたいがい呼び捨てです。
・二分間同じ時間が繰り返される点・その舞台となる場所にいる人たちもタイムリープを理解・記憶、感情持ち越し
この三要素がうまく絡み合っていてよかった。二分か、これは舞台ポイ演出だと勝手に舞台鑑賞バイアスがはいっちゃったけど。
タイムループものって、飽きてくるんです。どこかで、その繰り返しの設定がまぁショートカットされる運びになるのだが、登場人物がこなれてきて、予知できるというか。この映画の場合は、キャスト全てがタイムループについて認識しているもんだから、ドタバタ感に発展する。
どう動くかわかっていても、相手は同じ行動をとるとは限らない。ここ新しい。通常のタイムループものは、主人公だけがループの概念を認識していてそれを活用するという、いわゆる「チート」ものになりがちだ。
だけど、そんな話じゃなくて、積み上げていく知識も集団のなかならどう変わっていくのか、ってのが物語の軸として群像感生み出してキャラクターが走るというか。
見えていないところで、キャストが動いていて、それが伏線になったりして笑いが産まれると言うところ、僕がむかーし観た東京サンシャインボーイズの「ショウ・マスト・ゴー・オン」は、たしか梶原善がなんか彫り物していて(木彫り)、それが伏線回収につながるみたいな。ゲラゲラ笑ったのを覚えている。違ったらゴメン。
そこまで、長く引っ張る伏線はないけど、ジワジワとお出汁が染みてくるみたいないい笑いもあり。個人的には、「返り血のあたり」をもっと広げて欲しかった。
キャストの藤谷理子、私の勉強不足。勉強不足とは末恐ろしい。いい俳優がいるもんですね。舞台やラジオでも活躍されている方だけど(テレビもあるけど)、すっごくフォーカスされているわけじゃない。こういう俳優がもっと強く出て欲しいと思うほどに、演技巧者だなぁと思った次第。
アニメなんかで、俳優が宣伝がらみの役割で声担当になることあるけれど、そういう場合大抵、声が浮いている。他の出演者が別にアニメアニメしているわけでなくても、どこか俳優が声をあてるとぶっきらぼうな、浮いたレイヤー別のような声になる。これは悪い例だけど、いわゆる悪目立ち。
藤谷理子がもっと他の俳優たちと演技すれば、確かに別レイヤーのように感じるかもしれない。それは悪目立ちというよりも、良い演技すぎて目立つというか。最初の川始まりのシーン、なんぼあるねんパターン!というくらいシーンごとに演技プランが違う。これは、演出からの指定があったとしてもだいぶ自分でかみ砕いていないと演技できないと思うのだ(僕素人です)。
別レイヤーで僕たちがいつも見ているテレビの世界にも乗り込んで欲しいなと思える俳優であった。
低予算?ノンノン、チープ?ノンノン。とても良くできた日本版タイムループの傑作「リバー、流れないでよ」ぜひご覧ください!
コメディならそれに徹して欲しかった
ループに全員が気付いて違う行動も取れる
というのはちょっと新しくて面白い。
時間は戻ることは戻るが記憶残っていて一応話は進められる訳だ。
どうせ戻っちゃうかどうかはわからないと思うが
そこはコメディ展開なのだろう。
初期位置という説明に笑ってしまった。
風呂に入りっぱなしでも逆上せないし熱燗はできあがらないのに
疲労は溜まるのだろうか。設定がちょっとよくわからない。
協力的なお客さんが優しいし、
味変とかゆず湯とか解決にならない解決が可愛かったのに、
イライラして身勝手な行動をする人が出てくると
本当に邪魔くさい。
ループの原因を探ろうと生産的に行動する一方
自分のパソコンを壊す程度ならまだ良いが
刃傷沙汰まで起こすのは酷かった。
館内だけでなく隣近所とやり取りはしないものだろうかと思っていたので
そのあたりちゃんと調査していて凄い。
理系だから説明できるとか調査するとかいうのは
そんな無茶なと思いつつ、偉い人だ。
こういう人がいると頼りになる。
ミコトはちょっと、面倒くさい。
面倒くさいと思ったかという台詞があったが
普通に思って見ていた。
好きな男が夢に向かって遠くへ行くから
じゃあ自分もついていくとか夢を叶えるとかではなく
時間を止めるというのは
思うのは仕方ないがいざこうなったら
責任を感じたりしないものなのか。
さっきあの人血塗れだったとか笑いながら話すの気味が悪いかった。
原因を探そうと努力している人もいるのに
それに協力せず逃げることばかり話していて酷い。
状況はあれだがデートみたいと微笑ましく見るべきところなのだろうか。
吊し上げになりそうな空気だったのにいつの間にか
うやむやに許されて協力の輪の中にいるのも疑問。
貴船周りだけで発生している現象だというのに
外のエリアに電話をした分はどういう判定になるのだろう。
本当にミコトのせいなのかわからないのに
吊るし上げられるのまでわかるが
本人ももう一度祈れば戻せると思えるのも不思議だったし
戻らない!となってもそれはそうでしょうという気持ちに。
いくら目の前でも貴船神社の階段を登ってお参りは2分では厳しそうだが
エイジさんはどうやって情報収集をして原因にまで辿り着けたのだろう。
この人がこんなに頑張ってくれているのに非協力的なのがイライラする。
女将さんがお土産渡すのが可愛すぎた。
ヨーロッパ企画だから当たり前だが如何にも劇団っぽい。
映画ではなく舞台の方が似合う話だった気がする。
コメディならコメディに徹して、人命に関わるようなネタは入れないで欲しかった。
だったら最後にみんなでなんとかしようとするのも
もうちょっと感動できた気がする。
発想がユニーク
タイトルから豪雨災害の映画かと思ったら純然たるタイムループのSFコメディでした。
舞台は京都貴船の老舗旅館、理由も分からぬまま10回以上もタイムループ、2分と言っているがエピソードを入れるので時間は曖昧、オチはどうなると気になったので我慢して観続けたが正直、下手な小芝居の連続は拷問、舞台が貴船でなければ投げ出したかも。
古都とSFの組み合わせ、タイムマシンも小屋風だったが無理やりの組み合わせ、確かにユニークな発想のSFでした。
このアイデア考えた人天才
同じ時間を繰り返す(たった2分間)摩訶不思議なタイムループ映画。
途中自殺者や、殺人未遂に発展したりとおかしな方向へ進みヒヤヒヤしたが、最後はあっさりと一件落着してほっとした。
35回タイムループしたらしい。普通2分じゃ何もできなよなあ。破壊的なこともしたくないし、普段言えない事を言うといっても記憶はリセットされないから余計なことも言えない…。私なら今まで連絡してない同級生に思い切って電話してみる、とかかなあ。
「初期位置」って言葉がおもしろかった。
約1時間30分と短い作品なので、サクッと見れる良作。
永遠の監禁
ずっと笑いっぱなしの時間でしたよ。
貴船にある老舗旅館でおこるSFドタバタコメディ。
あれ?この会話しましたよね?
で突如はじまるタイムループ。
しかもたった2分間。
旅館内全員が記憶を保ったままのループ。
2分なんてカップ麺も完成しないじゃん…と私は思ふ。
混乱の中従業員達は悲しいかな身についている従業員魂でお客様のケアを最優先。
減らない雑炊を食べ続けるという客には味変でどうぞと柚子胡椒をそっと出す。
スランプ中の作家先生には「締め切りは来ませんよ」
出れない風呂場から出られない編集者には作家先生の部屋番号を教える。
合言葉は「2分で戻りますから」
このマジボケ感に笑いっぱなし。
2分間のループに適応能力がチート級のキャラクター達はこの現象に最初こそ戸惑いつつも記憶を保ったまま「無かったことに」になる2分の中を活発に生きる。
今作の主人公ミコトの初期位置は貴船の美しい水辺のほとり。さらさらと流れる川の音が気持ちいい。
初期位置ってワードがRPGっぽくて良かった。
消えない記憶でできなかった事の続きや宿泊客のケア、この現象の原因の追求などトライアンドエラー。従業員側は「従業員」の枠を決して超える事なく奮闘。
しかし宿泊客側は消えない記憶と無かったことになる体験で次々とトラブルを始めてしまう。
激しい喧嘩、作家先生の飽くなき探究心からの自殺。
そんな折、ミコトは料理人の恋人と合流。修行のためにフランスへ行く予定だった彼。
そしてミコトは告白する。
「ループの原因は私なんだよね」
貴船の水神様の恋のお守りを持ち、川に願ったら時が止まったと。
ミコトは彼にずっとこの旅館にいて欲しかったのだ。
だから2分間の檻に閉じ込めた。怖い…
ループごとの深まる会話。2分間のデート。観る映画は「ローマの休日」ミコトよ…
2分毎に始まる2人の楽しい楽しい逃避行。
あの手この手の逃避行をミコトはとても楽しげに走る。
結局、原因のミコトは他従業員からも客からも責められることなく、あたたかく見守られながら川辺で祈る。
しかし、また時は戻る。
すると、止めたのは俺かもしれない…私かもしれない…とダチョウ倶楽部のようなオレオレ宣言。
そう、原因は序盤に出てきた意味深な格好の1人の女性。
観客がみなそう思っていたとは思うのだけど、いわゆるタイムパトロールだった彼女の船が壊れてしまい時空が歪んだと。
最後の2分でミコトは彼の前で長い髪を切る。
1度失恋したら髪を切るってのをやってみたかったんだよね。
2分で戻る失恋の儀式に何を思ったのだろう。
断ち切ったものはなんだろう。
タイムマシンもかなりチープで良い。ナニコレ?的な。
ビール大瓶を燃料にしてバーナーで炙り、猟銃で爆発を起こす。直し方も安上がり。
最後のパトローラーさんとミコト達の女子トーク。女将さんが爆速で持ってきたお土産を渡し、この先の貴船の明るい未来をそっと教える。
パトローラーさんとミコトの手には同じ貴船の恋お守りが…
彼女も遠距離恋愛だった。
そして時は動き出す。
切った髪も元通り。
仲間の仲居が2分間の中ダメ元であらゆる人たちに声をかけ、推しのチケットをゲットした話がとても良い。
ある意味、一生に1度しかない人生を2分間をなんども繰り返しながら考え、見つめ合い、行動し、自分の力でそれを糧にできた人々が少し羨ましかった。
カップ麺は作れないけど、ほんの少しの人生は変えることができたのだ。
基本的に優しい人々しか出てこないのでゆるゆるストーリーが居心地が良かった。86分という短さも含め、とても楽しく幸せな気持ちになれた。トリッキーな設定と様々な出来事が早いペースで起こるので中弛みもしてなかったと思う。
寝る前にこういう素敵な映画を観れるのはとても幸せな気分で寝れる。
貴船に行きたいなぁ〜
新感覚
想像を超えた設定で面白かった
記憶が残ってるのが特にGOOD!
事前に映画の内容等、何も知らないで観たのが良かったのかも
2分でも重ねれば色々出来るもんだなぁと思った
主人公は一体、何回階段をのぼったんだろうね、可哀想(笑)200テイク以上もやったなんてね
作家のように「死んでみる」は、やってみたいけど、56すのはやりたくないなぁ、だってトラウマになりそうだもん
他には何がしたいかを考えてみるのも楽しい
舞台や設定や人物は全く違うが前にどこかで観たような既視感
監督は『ドロステのはてで僕ら』の山口淳太
脚本は『サマータイムマシン・ブルース』『曲がれ!スプーン』『ペンギン・ハイウェイ』『前田建設ファンタジー営業部』『ドロステのはてで僕ら』の上田誠
舞台は京都の老舗料理旅館ふじや
隣は名所貴船神社
2分経つと元に戻るループする世界
本当に同じことの繰り返しだと流石に飽きるので毎回毎回味変してくる
SFコメディー
独特のなでるようなカメラワーク好き
ことの騒動の原因はかなりチープだけど
パトロールってなに?
かなり古い映画でも観たようないかにも未来人って姿
それに物理学的に過去に戻ることは不可能だが
SFだからまあいいだろう
配役
タクと交際している京都老舗料理旅館ふじやの仲居のミコトに藤谷理子
フレンチの修行のためにフランスに行く気でいるふじやの料理人見習いのタクに鳥越裕貴
ふじやの女将のキミに本上まなみ
ふじやの仲居のチノに早織
ふじやの番頭に永野宗典
ふじやの料理長に角田貴志
ふじやの板前のエイジに酒井善史
ふじやに宿泊している作家のオバタに近藤芳正
クスミと2人連れのふじやの客のノミヤに諏訪雅
ノミヤや2人連れのふじやの客のクスミに石田剛太
オバタの担当編集者のスギヤマに中川晴樹
未来からやってきた時間旅行者のヒサメに久保史緒里
猟師に土佐和成
近隣の店の板前のモリオカに諸岡航平
近隣の店の板前のシラキに黒木正浩
クラファンに参加したかったなー
今頃観てきました!
リアルで趣がありすぎな老舗旅館を、さらに近隣のお店の前とか、よく撮影できたなぁ
と思ってましたから、主演女優さんのご実家と後から知って納得です。
演劇ではないので、物語の舞台でありロケ地が映像に活かされてます。
狭い範囲ながら縦横無尽に初期位置から移動しまくるミコトを追っかけました。
臨場感、すごいです。自分ももう仲居さんできそうなぐらい、道を隔てた旅館の構造は把握した気分。
殺人や交通事故、自殺まで起きちゃうんですが、他のシーンやセリフでしっかり笑えます。
ハッピーデスデイのシリーズ大好きなわたしは気になりませんでした。
演者もストーリーも好きすぎて、また観たい!
もう貴船に行きたい!風呂入りたい!雑炊いただきたい!お詣りしたい!!
上映1日2回だとたりない気分になってます〜
時間SFもの、、、、ドタバタが有って最後は。。。 私には合わない映画だったが。
松崎健夫氏が推薦してたので観たが、自分の好みには合わなかった。
時間がループして繰り返す。
その間にドタバタで事件が続発。
最後は皆で協力して ループを脱出。
若い男女の恋愛話。
めでたし。
劇で たまにある 時間ものSF。。。
2分だけで世界は変わる!
MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない
が好きな人間なので、こちらもとても好きです。
こちらはスパン短く2分。いや何もできんでしょ、と思ってたけど色々面倒なことが起こる起こる。
あの女の子が最初に出てきた時に、コートの下は着物…いやパンツスタイル?斬新ですね?と思いつつ、次に出てきた時になんだか朝の戦隊モノに出てくるちょっと現代っぽくないブーツだな?と思ってたらそういうことでした。
逆にタイムマシンはオンボロで笑っちゃいました。なんだあのハリボテ感。良いです。
ミコトちゃんの可愛い逃亡劇、本当とても可愛かったです。ミコトちゃん、やはり若いから「私の初期位置あそこです〜」って説明が若者っぽい。順応性高い。
皆、「自分も時を止めたいって思ってたんだ…」ってしんみりして己を振り返って前に進もうぜ…ってところに本当…エイジさんの「全っ然関係ない、物理的な問題」これいいタイミングですわ…
クスッと笑えるし、後悔して改めて前に進む、気持ち良い映画でした。
最後、ミコトちゃんをまっすぐ捉えて、斜め見ながらの前を見つめるところ、とても好きです。良い映画でした。
話題作で普通に面白いですが、、、
ループの最初が川を正面にしたヒロインが、何か手に持ったシーンから。このループ入りにシーンと「リバー、流れないでよ」というタイトルから、原因は彼女だな、という最初のトリックは分かりやすいです。
タイトルの流れないで「よ」の、「よ」の部分が不自然に女言葉になっていて、そんな話し方をするのはヒロインのミコトぐらいですからね。
で、じゃあ本当のラストだった久保史緒里のタイムパトロールの意味はなんだったのか。
あ〜、もしパンフレットとかでネタバレがあったら、ごめんなさい。以下の考察は、完全オリジナルなので、違っていたら、悪しからず。
「もしタイムループが無かったら」というアプローチで考えてみました。
ループがなければ、タクはミコトに黙ってフランスへ旅立って、二人の関係はそれで終わり。作家先生は連載を落としていたですかね。猪鍋の二人は借金のことは言えず、ですがループ後もお金を貸したかは不明。番頭は娘の彼氏に会うことに躊躇うでしょうが、あまり変化なし。では本上まなみは?雪降る世界線と、降らない世界線で何が変わった?
こう考えると、一番は「ミコトとタクが結ばれない世界を変えるorちゃんと結ばれるために、久保史緒里がやってきた」と考えるのが自然ですね。久保史緒里はミコトとタクの遠い子孫なんだという設定。それ以外の関係は未来人を動かすほどではないように思えます。
本上まなみは?これは謎。映画の撮影が大雪で大変だったようで、本上まなみは「映画撮影」自体の暗喩で「この映画が成功する世界線と失敗する世界線」という意味かもしれません。
あとは、なぜ貴船を舞台にしたのか?です。貴船神社の主神体は高龗神という龍神で水を司る神。これは本編にも出てきましたね。で、サブ神が石長比売(いわながひめ)という縁結びの神様。これは縁結びとされていますが、神話では「醜い女神」だったそうです。そういうと久保史緒里のヒサメも「ヨモツヒサメ」という黄泉の国の怪物の別名ですね。
ヒロインがミコト=命、本上まなみがキミ=君、で神様や貴人を指す名で、裏ヒロインが怪物でテーマの縁結びも醜女。このあたりにも何か意味がありそうですが、、、
冒頭で本上まなみがお祈りして、途中でミコトが川でお祈りして、最後もミコトが「お参りしよ」と誘ったが、自分はお祈りしなかった。
「まだ一緒にいたいよ〜、って祈ったら、またループしちゃうもんね」と切ない表情でタクを見るミコトで終わるのは、オシャレな終わり方でしたね。
と、せっかくの話題作だったので掘り下げて考えてみたのですが、、、それほど面白いかな〜、と。
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