「好き嫌いははっきり分かれるが、個人的には高評価。」リバー、流れないでよ yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
好き嫌いははっきり分かれるが、個人的には高評価。
今年206本目(合計857本目/今月(2023年6月度)31本目)。
※ 時間調整の関係で「劇場版 Collar×Malice deep cover 後編」を見てから映画館を移動しましたが、こちらの映画のレビューに需要はないと思うので飛ばします(無難なアニメ作品です)。
さて、こちらの作品です。
監督さんはというと、ごく少数のミニシアターで放映された「たぶん杉沢村」等をはじめとして、ここの監督歴等からもわかる通り、いわゆる「オカルトもの」にこだわりがあるようです。先にあげた映画はミニシアター中心でしたが、こちらはtohoシネマズの放映扱い。ミニシアターで放映された実績が評価されたのかな…とも思えます。
結局、映画としての「映画のルール」(およそ2分ごとにタイムループするが、記憶は保持している」という設定のもとで、京都のいわゆる観光地(ちなみに1泊3万とかします…)をテーマにした、分野としてはどうでしょうか…。「タイムループもの」ととらえる立場もありましょうが、個人的には「たぶん杉沢村」とのつながりもあり、「オカルトもの」という立場でみました(いずれにせよ結論が大きく異なるわけではない)。
映画としての「ルール」が非常にわかりやすい上に、少しずつ謎が解けていくタイプの映画なので「飽きさせない」という工夫がみられるほか、1度見るだけだとおやっと見逃した部分もあり、2度3度見ることも想定されているような気がします(事実、大阪市でも5~6回放映の扱い)。この「2度3度見ることが想定されている」タイプの映画は、作品自体が長いとそれも大変ですが、資金面はともかく、作品としては90分ちょっとの作品なので、それほど「時間の関係では」負担にならない、といったところです。
結局のところ映画の「ルール」はそうそう明らかになるし、映画が短い事情もあるので、かなり早く「展開」は動いていきます。どうしてもその映画のストーリーの性質上、誰が犯人だのトリックがどうだのという議論はネタバレ扱いであり、それらはカットする必要はあろうと思います。
総じていえば、「たぶん杉沢村」では行政法規の説明不足(勝手に私有地に立ち入ってはいけない等)が目立ったものの、こちらは「厳密に取れば」やや疑義のある部分はあるとはいえ、きわめて細かく見ないとわからない点で、そのことを論じる映画ではなかろうという点まで考えて、減点なし(あるいは、ここで引いても減点0.2であれば4.8なら5.0に切り上げができる)という扱いにしています。
なお、舞台は京都という事情はありますが、関西弁(あるいは、京都弁)の聞き取りに苦労するところはほぼないし、特定の固有名詞(特に地名関係等)を深く聞いてくることはないので、関東在住の方でも問題なく押せる一作ではあります。