「昭和の東映漫画祭りか」劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト) udoさんの映画レビュー(感想・評価)
昭和の東映漫画祭りか
メタ視点だと原作ありアニメ映画の
・映画オリジナルのキャラで話を動かしてサクッと殺してあとくされを残さないミッション
・それっぽいお約束をさせてコンセンサスを取ったということにして性格改変やそのキャラがやってはいけない(あるいはやらないといけない)行動は見ないふり
いやあ、往年の東映漫画祭りのジャンプ原作のクライアントの要望は組み込みました的な
子供だましっぷりに懐かしさを覚えました。
前見たのはハンターハンターだったかな。
今売られているクラピカの漫画がおまけについてたやつ。
自分の作ったオリキャラは愛情たっぷりで動かして
原作キャラは流されるまま何も考えず好き放題やられる。
冴羽遼は原作では腕っぷしだけでなく経験や頭脳を使って依頼を遂行していたわけですが。
B級とはいえB級なりの主人公の立て方はあったわけで。
・冴羽遼はエンジェルダスト元被験者である
・アンジーはユニオンの元エージェントである。
この点だけでやっちゃいけないのは
・海原にエンジェルダストを渡してはいけない
・アンジーを海原に近づけてはいけない。
平均的日本の社会人の知能ならわかりますよね?
なんで律義に本物運んでんの
アンジーに渡されてからずっとダミーを扱ってるのかと思ってたよ
(どんなアホだってあんなものを元のケースで持ち運びしないだろう)
そういう物理的ではなく(アクション映画だからそこはいい)
知能的にあり得ない展開(次のボスを立てるため主人公を馬鹿にする)が
先にあると、キャラの性格云々以前にあー、
ボスとの因縁を無理やり作るためのベルトコンベアな話でしかないんだな。
と思って冷めちゃいますね。
1stスラムダンクを観た後だとキャッツアイにしても
原作の警察サイドを絡ませるとか
瞳と俊の原作終了後の関係をサラッとさらっと含ませるとか
もうシティハンターとキャッツアイを合わせてこの時代の本物の最終回を描く
(つまり当時の漫画原作を超える)そういうの期待しちゃいますよね。
だって現実にスラムダンクでやってるんだもん。
しかしルパンやガンダムの顔や声だしゃサービスになるでしょみたいなカットで心根が出ている。
あくまで今作は商品であって作品ではないし
昔は子供だと思ってバカにしているのかと思ってたら
観客は全員馬鹿だと思って脚本書いてるのね。
スラムダンクのおかげで今作も作品なんだと勘違いしちゃいましたよ。
あっちが奇跡なのかこっちが手抜きなのかわからないけど
同じ年に上映されたのはまあ不幸ですね。
最初と最後のアクションをカッコよくして
血化粧で色っぽい冴羽遼の姿でバブル前ならクライアントの基準を満たしているんでしょうね、脚本関係ないけど。